今日の本紹介

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本紹介27「黒冷水」

2020-12-13 15:25:00 | 日記
これを読んでる皆さんにはこんな体験をしたことはないだろうか。嫌いな相手と対峙した際、怒りを通り越して身体が冷たくなる感覚。冷ややかな目線を向けてしまう感覚。汚物を見るような感覚。
この物語は、そんな憎み合う兄弟の話である。兄は弟を忌み嫌っているが、彼は先の感覚を身体に流れる憎悪の水(血液)と称し、「黒冷水」と表現している。
血の繋がりこそが、家族の絆たらしめるものではないというこの小説の主張は、一定の理想論者を否定することになるが、それは甘い考えであるという現実主義な発想は私は嫌いではない。
家族の在り方、絆に疑問を抱いている方に読んでもらいたい一冊。

『黒冷水』の感想

最後の、「頼むから帰ってきてくれ、僕のためにもどうか生き延びてくれ....」の台詞は締めとして最高だったように思う。なぜならこの空虚な台詞こそが、この物語の主張しているメッセージを集約しているこれ以上ない言葉だからだ

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