久しぶりに小説更新します!
こんなときこそほのぼの明るい話を(*´ω`)
ゼル視点で原作一部の時間軸です。
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俺はどうして、今ここにいるのだろうか。
ふと考えて、可笑しくなった。
ほんの数年前まで、俺の周りには敵しかいないと思っていたのに。...ロディマスやゾルフは別だが。
頭に手をやると、金属製の髪がザラリ、と音を立てた。
忌々しいことに、元の姿に戻る手立ては未だ見付かる気配を見せない。だが、不思議と心穏やかだ。
安宿の部屋から外の景色を見やると、山々が目に入る。
...思えば、リナやガウリイと出会ってから、全ては変わった。
「いきなり、魔王シャブラニグドゥ、だしな」
自然と笑みがこぼれた。
あの日、あの夜。
生きることを諦めない。
リナがそう断言した時、アイツは確かに輝いていた。
「ゼル?..なんか楽しそうな顔してるな」
「ん、そうか?」
「飯の事でも考えてたのか?」
「旦那じゃあるまいし...」
同室のガウリイは相変わらず剣を研いている。
その手つきはさすが一流の剣士、と言った所か。流れるように刃の上を麻布が滑る。
思えばこいつも変な奴だ。
何も考えていないのかと思えば、いきなり核心を突く発言をすることもある。
まあ、あのリナと一緒にいる時点で、普通ではないのだろう。
...そう考えると俺とアメリアも同類になるか。
いや、アメリアは良いが俺は違う...と思いたい。
考えていると、部屋のドアがノックされた。
コンコン、と軽い音が響く。
「入って良いですか~?」
アメリアだ。
「いいぞー」
ガウリイが軽い調子で返事を返すと、いつもの姿のアメリアがひょこり、とドアの隙間から顔を覗かせた。
「お二人とも暇ですか?」
「?」
「暇ですか?暇よね!」
彼女は決め付けるようにそう言うと、目を輝かせて笑う。
「これから皆でトランプゲームしましょうよ」
「...なぜそんな事をしなきゃならんのだ」
冷たく言うと、彼女はあっさり返事を返した。
「あんまりにも暇なので」
「...」
思わず黙ると、アメリアの後ろからリナが顔を出した。
「お姫様は暇潰しに皆で遊びたいってさ...まあ、あたしも暇だし来ちゃった」
「おいおい...」
「ま、良いんじゃないか?どうせ暇なんだし」
横でガウリイが軽く笑った。
...なんというか、ガキかお前ら。
「...」
「だめですか?ゼルガディスさん...」
何も言わない俺に、アメリアが悲しそうな顔をした。
まるで雨の中捨てられた仔犬のような...
...全く、これでは俺一人悪者だ。
「...しょうがないな。少しだけなら」
「やった!」
アメリアは表情を一転して明るく変えて、嬉々としてトランプカードを懐から取り出した。
「ババ抜きはやらなきゃダメよね!あとは、やっぱりポーカー?それともブラックジャック...は二人でしか出来ないわね」
まくしたてるアメリアに、俺は頭を掻いた。
...これはとことん付き合わされるな。
「ゼルはアメリアに弱いよな~」
ガウリイが笑いながら俺に囁く。
俺は小さく頭を掻いた。
「....ほっとけ」
本当に、何がどうしてこうなったのか。
ここにいる全員が殺伐とした世界に生きているハズだというのに。
そして俺は、確かに『レゾの狂戦士』だったはずなのに。
今こうして『仲間』とゲームに興じる俺など、過去の俺に想像出来たろうか。
...しかしまあ、悪くはない。
俺は一度ため息をついてから、腕組みをしてニヤリと不敵に笑ってみせた。
「...お前ら、俺にポーカーで勝てると思うなよ?」
終わり
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ほのぼの(?)四人組でした。
ゼルは突っ込みキャラですが、どんどん壊れて行くと良い...ふふふ(´ω`)
こんなときこそほのぼの明るい話を(*´ω`)
ゼル視点で原作一部の時間軸です。
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俺はどうして、今ここにいるのだろうか。
ふと考えて、可笑しくなった。
ほんの数年前まで、俺の周りには敵しかいないと思っていたのに。...ロディマスやゾルフは別だが。
頭に手をやると、金属製の髪がザラリ、と音を立てた。
忌々しいことに、元の姿に戻る手立ては未だ見付かる気配を見せない。だが、不思議と心穏やかだ。
安宿の部屋から外の景色を見やると、山々が目に入る。
...思えば、リナやガウリイと出会ってから、全ては変わった。
「いきなり、魔王シャブラニグドゥ、だしな」
自然と笑みがこぼれた。
あの日、あの夜。
生きることを諦めない。
リナがそう断言した時、アイツは確かに輝いていた。
「ゼル?..なんか楽しそうな顔してるな」
「ん、そうか?」
「飯の事でも考えてたのか?」
「旦那じゃあるまいし...」
同室のガウリイは相変わらず剣を研いている。
その手つきはさすが一流の剣士、と言った所か。流れるように刃の上を麻布が滑る。
思えばこいつも変な奴だ。
何も考えていないのかと思えば、いきなり核心を突く発言をすることもある。
まあ、あのリナと一緒にいる時点で、普通ではないのだろう。
...そう考えると俺とアメリアも同類になるか。
いや、アメリアは良いが俺は違う...と思いたい。
考えていると、部屋のドアがノックされた。
コンコン、と軽い音が響く。
「入って良いですか~?」
アメリアだ。
「いいぞー」
ガウリイが軽い調子で返事を返すと、いつもの姿のアメリアがひょこり、とドアの隙間から顔を覗かせた。
「お二人とも暇ですか?」
「?」
「暇ですか?暇よね!」
彼女は決め付けるようにそう言うと、目を輝かせて笑う。
「これから皆でトランプゲームしましょうよ」
「...なぜそんな事をしなきゃならんのだ」
冷たく言うと、彼女はあっさり返事を返した。
「あんまりにも暇なので」
「...」
思わず黙ると、アメリアの後ろからリナが顔を出した。
「お姫様は暇潰しに皆で遊びたいってさ...まあ、あたしも暇だし来ちゃった」
「おいおい...」
「ま、良いんじゃないか?どうせ暇なんだし」
横でガウリイが軽く笑った。
...なんというか、ガキかお前ら。
「...」
「だめですか?ゼルガディスさん...」
何も言わない俺に、アメリアが悲しそうな顔をした。
まるで雨の中捨てられた仔犬のような...
...全く、これでは俺一人悪者だ。
「...しょうがないな。少しだけなら」
「やった!」
アメリアは表情を一転して明るく変えて、嬉々としてトランプカードを懐から取り出した。
「ババ抜きはやらなきゃダメよね!あとは、やっぱりポーカー?それともブラックジャック...は二人でしか出来ないわね」
まくしたてるアメリアに、俺は頭を掻いた。
...これはとことん付き合わされるな。
「ゼルはアメリアに弱いよな~」
ガウリイが笑いながら俺に囁く。
俺は小さく頭を掻いた。
「....ほっとけ」
本当に、何がどうしてこうなったのか。
ここにいる全員が殺伐とした世界に生きているハズだというのに。
そして俺は、確かに『レゾの狂戦士』だったはずなのに。
今こうして『仲間』とゲームに興じる俺など、過去の俺に想像出来たろうか。
...しかしまあ、悪くはない。
俺は一度ため息をついてから、腕組みをしてニヤリと不敵に笑ってみせた。
「...お前ら、俺にポーカーで勝てると思うなよ?」
終わり
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ほのぼの(?)四人組でした。
ゼルは突っ込みキャラですが、どんどん壊れて行くと良い...ふふふ(´ω`)
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