千葉市の海浜病院と青葉病院は、救急医療、血液内科、精神内科、小児・周産期医療、地域災害拠点病院など、不採算と言われる医療(政策的医療)を担い、市民のための医療機関としての役割があります。市は、両市立病院の運営形態を、平成23年4月より地方公営企業法全部適用に変更し、「病院改革プラン」の取り組みなどによって、平成24年度までは、一旦、黒字化できましたが、その後、人的投資・設備投資に応じた医業収益を確保することができず、平成28年度決算では、両市立病院合わせて累積欠損金69億円を抱えることになりました。
こうした中で、今年1月の新聞報道で「千葉・海浜病院老朽化、2病院体制見直しも」との記事が掲載され、特に海浜病院は築後34年を経過し、施設が老朽化する中、医療提供体制を確保するための方策等を本格的に千葉市は検討を進めることになりました。老朽化の度合いは、漏水や断水など直近2年間で320件の不具合など病院運営に支障が生じる事例も発生しています。不具合は全て改修を終えていますが、今後も老朽化による不具合は引き続き発生します。
病院の経営状況や海浜病院の老朽化などを受け、6月議会には、市から千葉市病院事業あり方検討委員会を設置するための条例が提案されました。12月までに市周辺の医療需要や供給の実態、2病院の経営課題等を調査分析し、それを基にしてあり方検討委員会で、市立病院に求められる機能を検討するとしています。
海浜病院は、冒頭に触れた政策的医療などを担うとともに、総合病院としての役割を担っています。この間、美浜区民のみなさんにご協力いただいた日本共産党千葉市議団が取り組んでいる市民要望アンケートでは「地域に必要な病院であり、現在地に再整備すべき」と答えた方が6割以上となっています。
市立病院の体制について、市は「美浜区を中心とした地域的な医療ニーズにも対応していることは十分認識している」との認識を示していますが、「あり方検討委員会」での結論次第では「統合」もあり得ます。
区民のみなさんからは、「統合されたら遠くには通院できない」「海浜病院は絶対に残してほしい。交通機関をもっと利用しやすくすれば来院者も増える」「総合病院を残してほしい。診療科目を以前のように充実してほしい」「人口に対して総合病院が少ない中で海浜病院は大切な存在」「海浜病院は地域に貢献する努力をしています」「市民の医療施設として、青葉病院とも継続してほしい」「以前入院をした時、とても助かりました」など、大切な存在として見られています。
私は、こうした声からも「『再整備』の判断を」と求めました。市は「いまの両病院が地域で果たしている役割、他の医療機関との役割を踏まえながら、将来的な市民の医療ニーズに応えられるよう様々な視点で検討を進めていきたい」答えています。
両市立病院における病床100床における医師の数が青葉病院では19.5人、海浜病院で22.6人と人的・医療体制としては他の病院よりも恵まれていることからも、この体制を地域医療に生かしていくことが求められています。
写真は、高度急性期・急性期機能を持つ病床100床以上の病院です。美浜区内には政策的医療を担う病院・総合病院は海浜病院しかありません。一般質問の続きは、また報告します。
最新の画像もっと見る
最近の「千葉市政・議会」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事