出光興産の創業者、出光佐三の自伝的小説。
映画も観ていたので内容は分かっていたが
やはり本を読んでよかった。
日本を背負って戦っていた国岡徹造。
素晴らしいカリスマ性を持った人物だった。
人間尊重という根本理念のもと
社員は自分の家族、
戦後の苦しい時代も1人もクビにすることなく、
社員の家族までも家族とする。
言うは易しだが、
実行し続けたのだからすごい。
四面楚歌。
どこを見ても敵だらけの中で
日本という国の未来が見えていたからこそ
信念を持って前に進めたのだろう。
またそこに助けてくれる人
協力してくれる人がいて成し得たこた。
それもまた国岡鐵造(出光佐三)の人柄あってこそ。
彼が亡くなった時に天皇が詠まれたうた。
国のためひとよつらぬき尽くしたる
きみまた去りぬさびしと思う
皇居に向かって天皇万歳を唱和したり
右翼的と見られる向きも多かったようだが
根本的な考えはとても同調できる部分が多かった。