個人的な書留

日記じゃなくてチラシの裏になりました。

チラ裏

2009年07月25日 01時29分45秒 | Weblog
「子供の話」

世界は不思議に満ちている。
私たちはあるひとつのものを色々な角度から見ているんだ。

「そういうものかな?」
ブラックがミルクによってモカに変わっていく様を見つめながら僕は気のない返事をした。
「そうだよー。少なくとも私はそうだよ。」
手元にある自分のコーヒーに角砂糖をポトンと落とすとゆっくりとかき混ぜた。
「この角砂糖だってそうだよね。溶けちゃうんだよ。不思議じゃない?」
「別に不思議じゃない」
「これが金平糖でさー。キラキラ輝く星の欠片だったらどう?」

綺麗に輝く星たちが、甘い思いを少しだけ欠片に閉じ込めて、私たちにくれたの。それはとっても甘くて溶けてしまうの。その優しい思いが身体中に広がって、私を満たしてくれるのよ。

「とかどうかしら。」
「そうかもしれないな。」
「そうじゃないかもしれないわ。」
気だるげな言葉に笑いを含む言葉が続く。
僕と彼女の見ている世界は同じなのか。それとも違うのか。
もしかして逆なのだろうか?

「そう、世界は不思議で満ちていて、とても楽しいね。」
それを聞いて、僕は笑った。

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