金・隗よりはじめよ  

金を中心とした金融マーケットの動向を、毎日の市況から、筆者の個人的な相場観をもとに解説していきます。

◎ 東京金,今週の展開予想

2015-02-02 18:51:59 | お金


 東京金が上昇一服となっている。

年明け、原油安を背景とした世界的な株安や、スイスショック、ECBの量的緩和実施に加え、ギリシャの政局不安など、世界的なリスク回避姿勢の高まりを受けてNY金が騰勢を強めた為、東京金も2013年4月以来の高値水準に急伸。

しかし、25日のギリシャの総選挙通過後、材料出尽くし感から反落に転じ、28日のFOMCで早期利上げ観測が復活した事が調整安に拍車を掛けている。
 

今週の展開だが、週序盤は戻りを試す可能性があるが、上値は限定的と見ており、買戻し一巡後は再び下値を探る展開を想定する。
 
1月中旬は、主にユーロ圏の景気動向等に焦点が集まり、通常であればユーロ安・ドル高の状況下で、ドル建て金が売られやすい中、ドル高にも拘らず資金逃避先として金が買われた。


また、ユーロに対するドル高がドル円にも波及し、ドル円の下落幅が限られた事で、東京市場は上昇が加速したようだ。


ただ、ユーロ圏の重要イベントを通過し、先週中盤からは再び米国の金融政策へと市場の焦点は移っている。


この為、ドル円とドル建て金の逆相関の動きが戻れば、上下共に一方通行の動きにはなりにくいと考える。
 

しかし、過度なリスク回避姿勢が後退する中、ECBによる量的緩和導入やギリシャ問題の先行き懸念から、引き続きユーロドルの先安感は強まっており、暫くはドル高がドル建て金の重しになりそうだ。


また、先週末は低調な米GDPを受けたドル安、米株安から金が買われたが、個人消費は堅調で8年9カ月ぶりの伸びを見せるなど、米景気に減速感は然程感じられず、一時的なものと考える。
 

今週は、ISM製造業景況指数や米雇用統計等、重要経済統計の発表を控えており、米国の景気回復持続を伺わせる内容となった場合、ドル高、米株高を受けて、ドル建て金が一段と圧迫される可能性があると見る。
 

前述した様に、米金融政策が焦点の相場に於いては、ドル円とドル建て金の逆相関の動きが想定されるため、東京金は底抜けする程の動きにはならないと考えるが、今週は、米経済統計の内容を見極めながら、戻り売りの流れは継続と予想。(了)


※このレポートは将来の見通しの適確性、あるいは収益性を保証する ものではありません。各トレーダー及びレポートの
読者は自己責任で 取引してください。