初めてJ.Geiles Bandを聞いたのは76年位やったかな。とにかくガラが悪く、サウンドが金属的、ハードなブルースをやるバンド、というイメージやった。
日が落ちた後の街では会いたくない種類の連中で、当時世界一ガラの悪いデトロイトの出身や。
1972年録音の歴史的名演ライブ「Fullhouse」はわざわざ専門店で輸入盤を買った。(もっともおれは国内版のレコードというものを買ったことがない。)国内では何年も経って日本でヒットの兆しが見えてから発売された。
それが何を血迷ったかグラミー賞とは恐れ入ったな。当時「おしゃれなサウンド」と形容されていたが、どこがやねん。
彼らのルーツはこのグルーヴ感や。
とにかくデトロイトのガラの悪さといったら当時他の比やなかった。もちろん聞いた話やけど。
ふつうの風貌ですまして歩いてたら確実にカツアゲされそうな、そんな雰囲気
やろうな。
そんな街のごろつき出身バンドやから、お上品なはずがないのである。
随分昔の話ではあるけど、グラミー賞なんておかしい。
似合わんねや。おまえら、平然と受け取るな。
そんなものもらうから案の定、バンドがおもしろくなくなった。
あの頃の突き抜けたアナーキーさを取り戻して欲しい、と念じてみても始まらないけど、おれのてもとには証拠のアナログ版がのこってるぜ。
びゅんびゅんのライブのやつが。
J.Geils Band
〓Detroit Breakdown
/ 橋本 吉亨