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居眠りバクの音楽回想

チェンバリスト井上裕子の音楽エッセイブログ。

ヘボ批評家たち

2011-01-17 08:33:34 | 言葉
 ある芸術の美学は他の芸術にも適応する。
 ただ材料がちがうにすぎない。

                  フロレスタン

     ロベルト・シューマン著  「音楽と音楽家」より

 シューマンの演出はユニークで
 参考になることも沢山書いてあるのですが
 歯に衣着せぬ痛烈な言葉の数々が面白いです。




5本の指

2011-01-15 05:14:07 | 言葉

「一生懸命練習してごらんなさい。
 きっと巧くいきます。
 あなたにだって、私と同様、両手に五本ずつ上部の指があるのですから。」

                バッハの言葉~フォルケル著「バッハの生涯」より


ある人の言葉

2010-12-17 00:03:53 | 言葉
「私は、多くの日本人演奏家と出会ったし、良く知っている。

 あなたたち日本人は、私達よりも
 常に優秀で、勤勉で、そして何より、とてもエレガントだわ。

 あなたは、自分が日本人であるということを
 決して忘れてはいけないと思う。」

 とても嬉しい言葉です。
 彼女の日本人に対するこの素敵な見解が揺るがないよう
 努力しようと思います。 

言葉と音をつなぐもの

2010-11-15 00:35:24 | 言葉
月夜の浜辺

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。

それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
なぜだかそれを捨てるに忍びず
僕はそれを、袂(たもと)に入れた。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちてゐた。

それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
   月に向つてそれは抛(はふ)れず
   浪に向つてそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、拾つたボタンは
指先に沁(し)み、心に沁みた。

月夜の晩に、拾つたボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?

 ~中原中也「在りし日の歌 ~亡き文也の霊に捧ぐ~」より~

懐かしい詩です。
学生のころ、この詩集による合唱曲を演奏しました。
作曲家本人の指揮でした。
今でも、中原中也を読むと、彼の音楽が蘇ってきます。
言葉と音楽を結ぶものは、作曲家です。
でも、思い出も歌と音楽をつないでいます。

先生、お元気かな。
現在は、バッハの研究者としてもご活躍です。

十数秒の奇跡に

2010-11-14 00:10:53 | 言葉
ある知人からの手紙の中に見つけたフレーズ。

「其処を通過するのに2週間掛った"9-11小節"を通過するに
 十数秒で通過してしまう事には感慨深いものが有ります。」

たった3小節にかけた2週間。

音楽は人それぞれに、奇跡のような感動を与えてくれるものです。