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終夜読書。

まっちゃが読んだ本の記録。
ネタバレ有りにつき、注意。反転してあります。

◆ロシア紅茶の謎

2006年12月31日 | ミステリ・ホラー
『ロシア紅茶の謎』 著・有栖川有栖
開始日:12/28/2006~読了日:12/31/2006



あらすじ・雑感:


『作詞家が中毒死。彼の紅茶から青酸カリが検出された。
どうしてカップに毒が?
表題作「ロシア紅茶の謎」を含む粒ぞろいの本格ミステリ6篇。
エラリー・クイーンのひそみに倣った「国名シリーズ」第一作品集。
奇怪な暗号、消えた殺人犯人に犯罪臨床学者・火村英生と
ミステリ作家・有栖川有栖の絶妙コンビが挑む!』 (裏表紙より)



作家アリスシリーズの国名シリーズ、第1弾で短編集。
そういえば、有栖川有栖の短編集読むの初めてだわ。
第一印象は、ミステリの定番の詰め合わせ、というかんじ。



◇動物園の暗号◇
暗号モノ。
タイトル通り、動物園が舞台に起きる殺人と、
被害者が握り締めていた暗号パズル。

≪ネタバレ≫
暗号解読の鍵は電車の時刻表と路線図。
特急列車の停車駅が犯人の名前(白鳥梓)を指していた。
トラベルミステリが好きだったら、暗号を解けたのかな…??



◇屋根裏の散歩者◇
江戸川乱歩の同名の作品のオマージュ?
天井裏から、アパートの住人の生活を覗き見てた大家が殺害される。
覗き見の記録を残した日記には、
住人それぞれにつけたコードネームが記されていた。
大家は、連続殺人犯人の正体(住人の一人)に気付き、その人物に殺されるが…。

≪ネタバレ≫
コードネームは、天井から覗いた時の、住人の寝相。
被害者の格好も、天井から見ると犯人の名前(叶)を示していた。


コードネームの真相、普通気付かんだろう……。


◇赤い稲妻◇
密室モノ。
ジェニファーがベランダから転落した時、
そこにもう一人いたはずだったのに、
部屋は無人でかつ鍵がかかった密室だった。

≪ネタバレ≫
ジェニファーを突き落としたのは田宮夫人。
その後、田宮夫人は自らも飛び降りる。
そこへ、ジェニファーに会いに来た田宮が現われる。
まだ息のある夫人を、彼女の車で踏み切り内に運び放置。
事故死に見せかけようとした。



◇ルーンの導き◇
ダイイング・メッセージもの。
殺された被害者は、ルーン文字の書かれている石を四つ握り締めていた。

≪ネタバレ≫
石は、文字自体ではなく、4つあったことに意味があった。
4つだったのは、犯人が日本人で、ISBNで日本を表すのが4だから。
名前をダイイング・メッセージにしなかったのは、
「佐治」(すけはる)が中国語で「ジョージ」だから。
被害者は中国系アメリカ人、その場にいたメンバーにジョージがいたので。


だからあの人の名前は、あんな名前だったんだ、なるほど。
やっぱり名前にも意味がちゃんとあるのね……。


◇ロシア紅茶の謎◇
毒殺トリック。
作詞家・奥村が青酸カリを入れられた紅茶を飲み、殺される。
その場にいた誰にも犯行のチャンスはないように見えたが…。

≪ネタバレ≫
犯人は早苗。
氷に毒を仕込み、紅茶の乗ったトレイを受取った時に、
口に隠していたそれを紅茶に入れて奥村を殺害した。



◇八角形の罠◇
実際に上演された、原案が有栖川有栖の劇のノベライズ。
作中劇のタイトルが『八角館の殺人』で笑った。
これはもちろん綾辻行人の『十角館の殺人』にあやかってつけた題名。

≪ネタバレ≫
犯人は2人で、主犯格が三村、共犯者が矢島。
最初の西尾殺しは矢島が実行し、三村が凶器を隠した。
その後三村は、自分と彼の煙草の箱を交換することで、矢島を毒殺した。


真犯人・真相を知って、「読者への挑戦」に書かれていた
最初の平面図が重要な手掛かりを含んでいる、という言葉に納得。



と、いうことで、2006年の読み納めはこの本になりました~。
来年の1冊目は何になるだろう……??
少しでも家にある積読の山を崩しにかかりたいものです。