横山専務の闘う営業日誌

福島県の不動産屋です、42歳で大腸癌を患って健康と日常の「当たり前」に感謝。闘う不動産屋として情報発信していきます。

福島県沖の地震(最大震度6強)発生からの記録<2/13~2/22>

2021年02月24日 13時25分25秒 | 日記

2021年2月13日深夜、福島県を中心に最大震度6強の地震が発生しました。その時の状況を残しておこうと思い今回は記事を書きました。誰かに見せるためにというよりはこの日の出来事を忘れないために日記として書いておこうと思います。

●2021年2月13日(土)

何気ない週末でした。2月14日の日曜日にお客様の物件案内の予定がいくつか入っていたので前日の土曜日に時間を取って休みにして妻と娘と3人でお出かけをして午後からスーパー銭湯に行きビンゴ大会に参加して何気ないいつもの休日を過ごしました。

夜9時に娘を寝かしつけるために一緒に布団に入ったらいつのまにか眠ってしまっていました。

時間はわかりませんでしたが、いきなり強い揺れに襲われ目が覚めました。ついで携帯電話からけたたましい音で警告音が流れました。慌てて寝ている娘の上に覆い被さりました。

揺れがさらにひどくなり隣の部屋から妻の悲鳴と部屋の物が倒れる音が聞こえてきました。

揺れがおさまったので妻と顔をあわせて話をしました。

部屋の中は、食器、本、おもちゃなど飾ってあるもの全てがぐちゃぐちゃに散乱していました。

食器棚が転倒して影響で部屋の戸を塞いでしまっていたのでまずは導線を確保をしました。

動悸と呼んで良いのか心臓のバクバクが止まりませんでした、30分もすると入居者から「室内の天井から水が落ちてきている」との連絡が入りました。

自分の部屋をそのままにして被害の出ている入居者のところへ行かなければなりません。

妻と娘を妻の実家で預かってもらうことをすぐに決めました、娘はパジャマのまま上着を着せて最低限の荷物を持って一緒に部屋を出ました。

階段おりながら娘はずっと泣いていました、妻の車に乗せてシートベルトをつけた時の娘の泣き顔が忘れられません。

私は連絡のあった入居者のところへ向かいました、この日水漏れの発生した部屋は3件でした。

入居者の方に連絡を入れて安否確認と状況確認を行い応急対応を終えたのは2時過ぎだったと思います。

事務所のある自分の実家に布団敷いて寝ることにしました、「部屋で怪我をされて動けなくなっている入居者はいないだろうか?」「修繕にどのぐらいの費用と日数がかかるのだろうか?」など頭の中にぐるぐると考えがまわって寝つけませんでした。

寝る前に妻に電話をかけて声を聞いた時に少し気持ちが軽くなりました。

「明日から忙しくなる、体力勝負だ!」自分に言い聞かせて目をとじたのは4時前だったと思います。

●2021年2月14日(日)

目を覚ますと5時を少し過ぎた頃でした、ほとんど寝ていませんでしたが気が張っているせいか身体は動きました。

管理物件を確認のために回ると工務店の方が見に来てくれていて状況の説明と修理のお願いをしました。

今日ご案内予定だったお客様には、事情を説明して全てキャンセルとしました。

応急対応の必要な部屋の対応を行ってから自分の住んでいる賃貸マンションの部屋に戻りました。

自分の住んでいる賃貸マンションの部屋の片づけをお昼から1時間だけ作業しました、キッチンとの間に倒れ込んだ食器棚を起こすために近くに住んでいる弟夫婦に来てもらって手伝ってもらいました。

外壁がはがれて落ちそうになっている物件に警告の張り紙や文書投函、駐車場移動のお願いなど電話連絡だけでも相当な数でした。

妻が部屋でまわした洗濯機の音に身体が反応して驚いたときは、恐怖がまだ抜けていないんだなと感じました。

自分のことで精いっぱいで周りが見えていなかったですね、遠方の親戚や家族からの連絡に少し気持ちが軽くなりました。

14日から当分の間、妻の実家に寝泊まりさせて頂くことになりました。

生意気をいうようになった娘が不安な表情で抱っこをせがんできました、できる限り心配をかけないつもりではいましたが、やっぱり察するところはあるようです。

「変なトラウマができていたらどうしようか・・・」

住んでいた部屋から引越しすべきなのか、妻とふたり夜中まで話合いました。

お互いの両親のことも含め気を遣うところ多すぎて結論には至らなかった。

●2021年2月15日(月)

リフォーム業者さんに時間を作ってもらって午前中に物件の被害状況の確認を行いました。

平日だったので都合のつく部屋とつかない部屋とありました。

午後保険屋に被害の査定をお願いしました、問い合わせが多数なので対応には時間が欲しいとの回答でした。

今日も各入居者からの連絡で電話が鳴りつづきました、今週1週間はバタバタしそうです。

お昼の時間帯に自分の住まいに戻り昼食を取って部屋の片づけを手伝った。

部屋に戻った瞬間に身体に力が抜けて眠気というか疲れを感じた、やっぱり長いこと過ごした空間に戻ると反射的に気持ちが緩むんだなと思った。

それと同時でゴミも含めて散乱して部屋を見て改めて悲しい気持ちになった。

揺れない時間は何が起きたんだろう・・・夢でも見てたのかな・・・という不思議な感覚になります。

ダメージを受けた管理物件を見るととにかく心配が募ります、これ以上の被害拡大だけは避けたい。

●2021年2月16日(火)

エレーベーターの復旧がまだだったので朝イチで督促の電話をいれてお願いしなおしました。

今日中に対応してくれるとのことでした、夜には止まったいた2棟のエレベーターが動きだしました。

これで修繕作業を実施しやすい。。。試しに乗ったときは少しドキドキしました。

今日も電話連絡を中心に被害状況の確認作業を実施していました。

引越しシーズン真っ盛りなので併せて物件を探しているお客様からの問い合わせが来ています。

うちの会社を頼って部屋探し、物件探しの連絡を頂いているのにそれを断るのは非常に忍びない、申し訳ない気持ちになります。

当社のホームページに対応の遅れ等についてのお詫びの文面を掲載しました。

まだ全体がつかめていないので明日も引き続き確認作業が続きます。

●2021年2月17日(水)

入居予定のお客様からキャンセルが入った、これは致し方ないこと。

この地震で当社の物件から引越しを考えるお客様も出てしまうだろうと思う。

この仕事の最大の天敵は「天災」だと再確認。

この日になって漸く管理物件の被害の全体像が見えてきた、同じ町内でも高層の物件に被害が集中していることがわかった。

同じ建物内でも被害にかなりの差がある、下水・水道関係の被害報告は今のところないが注意が必要だ。

とにかく余震が怖い・・・。

妻から娘が私のことを心配していると言われたので、早めに妻の実家に帰った。

娘がまた生意気なことを言い始まったので、普通に戻ってきたかな・・・と少し安心した。

学校の話などいろいろ話を聞いて欲しかったようで、矢継ぎ早に話すこと聞いてあげた。

疲れが出たのか娘にDVDを見せているうちに気がついたら眠っていた。

18日は娘の学校の授業参観の予定だったが、行けそうにない。

妻に時間を調整してもらって代わってもらうことにした。

娘のためにTSUTAYAでDVDを借りようとしたが、一時休業中とのことだった。

何十年かぶりにゲオで会員カードを作り直してDVDを借りた。

●2021年2月18日(木)

朝起きると雪が降っていた、それなりに降っていて朝から除雪作業に追われた。

事務所の除雪が終わって道路を見ると事務所に接している坂道でワゴン車が立ち往生していた。

たまたま事故処理に向かう途中の警察官の人達とその車を救助。

工務店に再度連絡してタイルが落ちそうな物件の応急処置を依頼、立て込んでいるのは重々わかっているが何度もお願いしてしまった。

午後現地を再確認に来てくれて高所作業車の手配をしてくれた。

物件の管理の中で落下事故は非常に怖い、そういった意味では早く作業を行って欲しい。

少し見通しがついただけでも気持ちが軽くなる。

今週は土日も仕事になるだろう・・・

夜、一緒にお風呂に入った後、娘が「早くお家に帰りたい」と言った。

「片付けが終わってないからもう少し待ってね」と話した。

大好きなすみっこぐらしのお皿や食器が割れたことを話したら涙を流してないた。

思い入れあるものが無くなってしまうことが辛いのだと思う。

「割れても捨てないで!」でせがまれた。段ボール2つにまとめた食器などに山を見せることはできない。

3人でお揃いのお皿を買って使おうよ!割れちゃったのはメルカリで買おうよ!と話すと漸く笑顔を見せてくれた。

5日が経過したが、部屋の片づけは少しずつしか進んでいない。

お客様の対応も大変だが、自分の住まいが被災したことが輪をかけて辛い。

●2021年2月19日(金)

午前中に工務店さんから落下しそうなタイル除去と応急処置の対応が可能です、高所作業車の手配がつきましたとの連絡をもらえた。

すぐに隣地の企業様にお願いに伺い敷地を借りる承諾を得た。

急遽20日(土)にタイルの落下事故の危険性のある物件の処置を実施することになった。

お昼の時間帯に案内を作って該当の物件にお知らせを行った。

午後からは地震被害状況の確認作業でリフォーム業者さんと各室をまわる作業の続きを行った。

夕方は水漏れのために水が使えなくなった居室の復旧作業と室内を片付けるお手伝いを行った。

家具をどけた後にキッチンの水栓が明らかにずれていると思われる事象を確認した。

水道の使用は再開できないと判断して水道利用再開を断念、急ぎ水道屋さんに連絡を取った。

「何とか20日の午後行ければ行く」という感じの返答、

地震の影響で設備屋さんはどこも忙しい、電気屋さんにもこの日までの修理必要箇所を文書にまとめて連絡をした。

また明日になったら再度まとめ直して連絡が必要だ。

20日の落下事故防止の応急処置さえ終われば夜の寝つきも少しは良くなる気がする。

修繕用に積み立ててきた金額の何倍もの修繕費用がかかるだろう。

●2021年2月20日(土)

この日は5階建ての賃貸マンションの外壁の応急処置で工務店さんが手配してくれた解体屋さんが現場に来てくれて対応してくれた。

1日がかりで落ちかかっているタイルを剥がして落としてくれた。

夕方には、もう1棟のタイルも処理して完了した。

落下事故の危険性が下がっただけでもほっとした、これからの対応をどうしていくか、頭に描けていない。

午後から水漏れのあった入居者のところで対応に追われた、水道屋さんが来てくれて壁を切って水道管を確認したが、大きな水漏れは確認できなかった。

13日の夜は浴槽1つ分ぐらいの水は下の階に落ちたはずなので、どこからどうやってその量の水が落ちた理解ができない。

他のお部屋で発生したキッチンの蛇口に原因があるのではないかと思ったが、入居者の話だとそれは違うようだ。

全くわからず設備屋さんと頭を抱えた、詳細な調査を行うためには大掛かりな工事が必要になるため、水漏れの発生したお部屋の方には引っ越しをすすめるほかなかった。

上の階にたまたま空室があったのでそちらのトイレを貸すことにした。

まだまだ課題山積。。。

●2021年2月21日(日)

この日は、午前中仕事を休んで自分の住まいで使う食器などの買い物に出かけた、午後からは入居されるお客様の立会いなどがあったので出勤した。

地震があっても予定を変更せずに入居してくれるお客様がいるのは有難い、建物の損傷具合を見て不安を感じたのではないかと心配した。

●2021年2月22日(月)

この日は朝からリフォーム業者さんと被害状況の確認に動いた、午前中まわったお部屋に関しては、電気器具の交換や天井の張替えなど大掛かりな補修が必要なところもあった。

同じ建物内でも被害の状況が大きく異なる、なぜここに揺れの力が大きくでているのだろうと不思議な印象も受ける。

もう少し物理など力学的な勉強をしておくべきだったと学生時代のことを反省した。

その次に古い戸建てを回った、10年前の傷跡も残ったままで今回の地震の影響も出た部屋もあり、補修しなおす必要がある物件が出てきた。

地震以外の設備不良も出てきたので一緒に修繕の手配をしてあげることにした。

<専務のコメント>

2月13日に発生した地震については、本当に予想外でした。

東日本大震災から10年が経過する中で地震の記憶は過去のものと自分の中で忘れようとしていたところもあったと思います。

今回の地震は大震災の余震だと気象庁が発表しましたが、10年が経過しても尚、不安な気持ちを持ち続けなければならないというのはストレスでしかありません。

大震災の時のことを思い出しては最悪の想定を頭で描いていましたが、被害状況の確認をしていく中で。。。10年前から比べるとだいぶ被害の程度は少ないことがわかってきました。

郡山市を見渡すと商業施設や高層階の建物のみに被害が集中しているような印象も受けます。

福島で生きていく以上、大震災の記憶を忘れてはいけない。地震と共存していくことが必要なのだと再認識させられました。

10年前ほどではない・・・とはいえ、建物の被害は甚大です。

気持ちを切り替えてまたイチから仕事に向かって行きたいと思います。

地震から10日が過ぎて漸く自分の住まいに戻ることができました、娘に変なトラウマが出ないかがとにかく心配でしたが、今のところそんな様子は見えないので一安心。

このまま地震の前の生活に戻れるといいな・・・と思うばかりです。

 

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