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《匿名ウェブの終焉》池田信夫 ⇒対《匿名ウェブの終焉について》今泉大輔・

2009年03月22日 13時18分51秒 | Weblog

2007/12/15池田信夫blog《匿名ウェブの終焉》 ⇒2007/12/16《池田信夫blogの”匿名ウェブの終焉”について》インフラ投資ジャーナリスト今泉大輔
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■2007/12/15池田信夫blog■

題名《 匿名ウェブの終焉 》

Googleがテストを開始したWikipediaに似たサイト、knolが話題を呼んでいる。
以前から書いているように、
私は現在のWikipediaは「無法者の楽園」に堕していると思うので、競争が起こるのは歓迎だ。特に注目されるのは、このプロジェクトの責任者であるUdi Manber(技術担当副社長)が、knolのコンテンツが署名入りで書かれる点を強調していることだ:

このプロジェクトの鍵となるアイディアは、著者を明記することである。
本でもニュースでも学術論文でも、著者がだれであるかは明記されているが、なぜかウェブは著者を明記する強力な標準なしで進化してきた。
誰が書いたかを知ることは、
読者が内容を判断する上で重要な助けになるとわれわれは信じる。

匿名は、インターネットの原則ではない。
初期には、E2Eの原則によってIPアドレスとユーザーは1対1に対応していたし、ネットニュースの投稿も署名入りが基本だった。
しかしウェブになるのと同時に、
ハンドルネームを使うAOLなどのBBSが大量にインターネットに合流し、
ISPのNATでE2Eの対応が崩れたため、
匿名が当たり前になってしまったのである。

ウェブの成長期には、
匿名性が参加者の心理的な障壁を下げ、規模の拡大に貢献したことは確かだが、
今ウェブに必要なのはこれ以上の規模の拡大ではなく、信頼性を上げることだ。

Wikipediaから2ちゃんねるに至る匿名サイトが発信する膨大なノイズがウェブ上の言論の質を下げ、「ウェブは怖い」という印象を与えるようになった。
その大きな要因は、匿名による誹謗中傷だ。

最近、注目されているFacebookもLinkedInも、実名が原則だ。
ブログの成長が減速し、SNSや携帯に移行しているのも、同じ理由だろう。

■現実には、本当に匿名でないと発言できない重要な情報(内部告発)はほとんどないし、
そういう情報はそもそもウェブには出てこない(最近の食品偽造事件のきっかけはほとんど電話による内部通報だ)。

匿名で利益を得るのは、
質を問わないでアクセスを稼ぎたいサービス提供者だけであり、
そのコストは中傷される被害者が負う。

しかし実は、こういう質の低い言説のコストは、サービス提供者も負っているのだ。
先日の情報ネットワーク法学会でも指摘されたように、
記事の質を保証できないブログには、コンプライアンスにうるさい大企業は広告を出稿しないため、利益が出ない。

■「バカ」とか「死ね」といった言葉の横に、
それに関連する企業として広告が表示されることは、
むしろ企業イメージにはマイナスだ。
だからmixiは収益を上げているのに、
「はてな」はIPOさえできない。

きのう有罪判決の出た池内ひろ美事件のように、
ネット上の脅迫も刑事訴追されるようになり、「犯罪を暗示する表現」を禁じるサイトも増えた。

■2ちゃんねるのようにアダルトサイトの広告でもうけると割り切らないかぎり、
記事の品質管理をしない匿名サイトは市場で淘汰されるだろう。

⇧(2007/12/15)⇧
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■インフラ投資ジャーナリスト今泉大輔■
青森県弘前市出身。弘前高校卒。早稲田大学教育学部英語英文科中退。

2007/12/16
題名《 池田信夫blogの「匿名ウェブの終焉」について 》

私は、匿名のコミュニティや匿名のブログが必ずしも「質の低い言説」ばかりであるとは思いませんが、それでも商売の視点から見ると、匿名コミュニティおよび匿名ブログは、付加価値を生成しにくい構造を持っており、「損だよなぁ」と思うことがしばしばあります。

こちらにも書きましたが、
価値の高い情報には、書き手の同定可能性が不可欠です。
書き手が同定できるからこそ、その人を名指しで広告が入ったり、
別種の報酬が入ったりする余地が生まれます。

書き手の同定ができない場合、
その書き手が送り出すテキストは、GoogleのAdWordsなどがアルゴリズムによって抽出する対象にならざるを得ず、市場競争の図式で言えば、無数に競合がいるなかからたまたま見出されたワンノブゼムみたいな存在になってしまいます。
競合が多いということは、価格が限りなくゼロ円に下がるということなのです。
ここにおいて価格を決めるのは、人ではなくて、アルゴリズムの方です。

ただ、きょうびの差別化は、人による差別化が基本であって、
人が企業の付加価値を作ります。
例えば、ZOZOTOWNの経営者の方のように。
Googleの優れたアルゴリズムも、つまるところは人です。
そのような時代において、あえてネット空間で匿名を選ぶということは、すごーく損なことです。

ただし、上にリンクしている投稿でも書いたように、
実名である必要はなくて、ハンドルでも何でもよく、
いざという時はメールか何かで連絡がついて、商売の話ができるということと、
その人が受け持つ価値領域に関するプロフィール情報が少し出ているぐらいで十分なのですが。あとは、自分の価値領域を戦略的に定めて、そこに集中的に自分の資源(時間とお金と努力)を投入していくことも必要になりますね…。

⇧(2007/12/16)⇧
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