( この写真は、東京目白通りぞいにあるうなぎ割烹『О』である。《2004年12月撮影》)
【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】
その6.............................'04 12月29日 7時15分 (公開)
春の夜。(1978年) 緊張から安堵へ・・・。
「メシでも食うか・・・?」の一言で救われた気分。漫画家J先生のこの言葉で、『何とかなるかも・・・』
と、希望がつながった思いでした。
JR線目白駅から10分ほどの所にある、うなぎ割烹"O"へ。
J先生、Y淳二氏(有名なスポーツライター、『○夏の21球』etc・・・惜しい事に若くして亡くなられました)、
そして私の3人。
高そうなお店で、美味いはずなのに、緊張のため鰻を食ってるんだか、蛇を食ってるんだか分らない
・・・・・。ただ、この時の会話を今でもはっきり覚えています。
(26年前のこの時の・・・!)
J先生とY氏との対話に、私なんぞの入り込む余地は無く、ただ黙っていました。鰻をご馳走に
なり、アシスタントにも使ってくれそうな(十分スタッフはそろっているのに)感じだった・・・。
黙っている私に、Y氏が話しかけてくれた・・・(私に気を使って下さっているんだと思っていた・・・)
Y氏、クールに・・・
「いつ頃、プロになるんですか?」
「・・・ア・・・アシスタントを2,3年やってから・・・・・」
Y氏、表情一つ変えずに・・・
「2,3年やって、ダメだったら・・・?」
「また、2,3年アシスタントを・・・・・」
Y氏、機械の様に・・・
「それでも、まだダメだったら・・・?」
くどい質問だなァと、少し不快に・・・
「また、2,3年・・・・・」
Y氏、冷淡に・・・
「それでもダメなら・・・?」
私に選択の余地は無い
「ま・・・また、2,3年・・・・・」
Y氏のクールな顔が怖い・・・
「それでもダメなら・・・?」
なぜ、こんな質問をされるのか、訳が分らなくなりながら・・・
「ま・・・また・・・に・・・2、3・・・年・・・・」私の声が、小さくなって聞き取れない。
Y氏、ため息をつきながら
「最近の若い人達って、考えないんですよねェ・・・」
しばらく間があって・・・
J先生、薄笑いを浮かべながら私の顔を見て・・・。
「おみ~は、『歩』だなァ・・・」 指で将棋を指すしぐさをしつつ
「・・・・・」 何とも答えようが無い私。
J先生つづけて曰く
「一歩一歩、ノロノロと進んで、敵の餌食になる・・・・・ だが・・・ 相当、努力して、運も良け
りゃあ『金』に成る!・・・・・・・・・・・・かもなァ。」
「・・・・・」 何とも答えようが無い私。
Y氏が、面白そうに入り込んでくる。
「先生、僕は何でしょうか?」
J先生、すかさず・・・
「おみ~は、『銀』だなァ!」
Y氏、まんざらでもなさそうな顔をしつつ
「僕は、『香車』じゃないかって思ってたんですが・・・」
J先生、一つうなずき低い声で
「違いますねェ。おみ~は、『香車』じゃねェーよ・・・ オレだよ、オレが『香車』だよ・・・」
Y氏、力を込めて・・・
「違いますよぉ・・・先生は、『王将』でしょう!?」(笑い)
J先生、笑いながら
「おお・・・? 『王将』は困りますねェ、・・・狙われちゃうからねェ!」(笑い)
J先生、Y氏、二人笑っている。 私は笑えない。
私は・・・
「・・・・・・・・・・・・」 一生懸命 顔を歪めている。
「漫画家アシスタント 第1章 その7」 へつづく・・・
★ 「漫画家アシスタント 第1章 その7」以降は『あらすじ(縮小版)』になります。
【 各章案内 】 「第1章 その1」 「第2章 その1」 「第3章 その1」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )
【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】
その6.............................'04 12月29日 7時15分 (公開)
春の夜。(1978年) 緊張から安堵へ・・・。
「メシでも食うか・・・?」の一言で救われた気分。漫画家J先生のこの言葉で、『何とかなるかも・・・』
と、希望がつながった思いでした。
JR線目白駅から10分ほどの所にある、うなぎ割烹"O"へ。
J先生、Y淳二氏(有名なスポーツライター、『○夏の21球』etc・・・惜しい事に若くして亡くなられました)、
そして私の3人。
高そうなお店で、美味いはずなのに、緊張のため鰻を食ってるんだか、蛇を食ってるんだか分らない
・・・・・。ただ、この時の会話を今でもはっきり覚えています。
(26年前のこの時の・・・!)
J先生とY氏との対話に、私なんぞの入り込む余地は無く、ただ黙っていました。鰻をご馳走に
なり、アシスタントにも使ってくれそうな(十分スタッフはそろっているのに)感じだった・・・。
黙っている私に、Y氏が話しかけてくれた・・・(私に気を使って下さっているんだと思っていた・・・)
Y氏、クールに・・・
「いつ頃、プロになるんですか?」
「・・・ア・・・アシスタントを2,3年やってから・・・・・」
Y氏、表情一つ変えずに・・・
「2,3年やって、ダメだったら・・・?」
「また、2,3年アシスタントを・・・・・」
Y氏、機械の様に・・・
「それでも、まだダメだったら・・・?」
くどい質問だなァと、少し不快に・・・
「また、2,3年・・・・・」
Y氏、冷淡に・・・
「それでもダメなら・・・?」
私に選択の余地は無い
「ま・・・また、2,3年・・・・・」
Y氏のクールな顔が怖い・・・
「それでもダメなら・・・?」
なぜ、こんな質問をされるのか、訳が分らなくなりながら・・・
「ま・・・また・・・に・・・2、3・・・年・・・・」私の声が、小さくなって聞き取れない。
Y氏、ため息をつきながら
「最近の若い人達って、考えないんですよねェ・・・」
しばらく間があって・・・
J先生、薄笑いを浮かべながら私の顔を見て・・・。
「おみ~は、『歩』だなァ・・・」 指で将棋を指すしぐさをしつつ
「・・・・・」 何とも答えようが無い私。
J先生つづけて曰く
「一歩一歩、ノロノロと進んで、敵の餌食になる・・・・・ だが・・・ 相当、努力して、運も良け
りゃあ『金』に成る!・・・・・・・・・・・・かもなァ。」
「・・・・・」 何とも答えようが無い私。
Y氏が、面白そうに入り込んでくる。
「先生、僕は何でしょうか?」
J先生、すかさず・・・
「おみ~は、『銀』だなァ!」
Y氏、まんざらでもなさそうな顔をしつつ
「僕は、『香車』じゃないかって思ってたんですが・・・」
J先生、一つうなずき低い声で
「違いますねェ。おみ~は、『香車』じゃねェーよ・・・ オレだよ、オレが『香車』だよ・・・」
Y氏、力を込めて・・・
「違いますよぉ・・・先生は、『王将』でしょう!?」(笑い)
J先生、笑いながら
「おお・・・? 『王将』は困りますねェ、・・・狙われちゃうからねェ!」(笑い)
J先生、Y氏、二人笑っている。 私は笑えない。
私は・・・
「・・・・・・・・・・・・」 一生懸命 顔を歪めている。
「漫画家アシスタント 第1章 その7」 へつづく・・・
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( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )