中宮道は中宮温泉登山口から室堂まで20㎞という白山の登山道では最長距離を誇る。その行程はいくつもの峰を越えたり巻いたりしていて地形も非常に複雑で、残雪期にはガスに覆われるとルートを見失う危険性が非常に高い。近年はGPSが有り安易に考えるが、数メートルの誤差程度の精度では雪庇を踏み抜いたり安心ではない。特に濃霧の時は要注意だ。
急な清浄坂を登り切ると「馬のせご」に出る、ここでようやく山頂部が見え始め景色は一転する。白山の北斜面にはまだまだ大量の雪が残っている。
湯谷頭の巻き道の途中、岩間道「薬師山2023m」がよく見える。みずみずしい新緑と白い山頂部。青天の空と谷筋を吹き上げてくる風に清涼感は満点だ。
シナノキ平避難小屋から先は、残雪がべったり残っている。
この避難小屋は老朽化が著しく補修もままならないが、長丁場の中宮道には必要な存在である。昨年も老夫婦がこの避難小屋のおかげで救われた。
奥には笈ヶ岳が見えている。今年のGWは残雪が少なく笈ヶ岳登頂が容易ではなかった。雪の安定して残っている年に期待したい。