<医療施設の集約化が不可避>
法的な対応策も今後の重要課題に/全自病・小山田会長 本紙緊急提言
医師不足問題が深刻化する中で、全国自治体病院協議会の小山田惠会長は4月28日、本紙の取材に対し「医師不足問題を解決していくには、医療機関の集約化が必要だ」と指摘した。さらに、日本小児科学会では、小児救急医療体制改革案として36の都道府県における小児医療施設の集約化・重点化に関するモデル案をまとめた。こうした学会の動きに対し同会長は、「小児科学会、産婦人科学会などの動きは、高く評価している」と話し、今後、学会のモデル案を医療現場で運用していく段階では、全自病としても全面的にバックアップしていきたいとの考えを示した。さらに、同会長は、医師不足解消策については、医療法上の対応が必要だとの認識も示すなど、複合的な対応策を講ずることで地域住民の医療を守っていきたいとしている。(http://www.japan-medicine.com/news/news2.html)
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同じ診療圏に同じような規模の同じような病院が共存するような状況は日本中至る所に見られると思う。これまでも互いに診療科が合併し集約化を図った方が余程効率的で質の高い急性期医療が展開できるのになあ、と個人的には考える人は少なからずいただろう。
それがなかなか進まない原因は各病院の収益事情、職員の処遇の問題と並んで、医局の人事支配という要素がかなりあったのではないか。
A県立病院の院長はK大学のポストであり、B赤十字病院の院長はH大学、C済生会病院はZ大学、A病院の外科、内科はK大学の関連であり、B病院の産婦人科、小児科はH大学の関連といった具合である。
これを互いの話し合いにより統合するのはこれまで事実上不可能であった。統合するということはいずれか一方の病院が収益上影響を受け、いずれか一方の大学が医局員の就職先を失うということである。したがって事はそんなに簡単には進まない。
ところが近年の医療状況、及び新研修制度の余波を受け、大学自体が人手不足となり、全体として基幹病院を重要拠点と考え、規模の小さい病院診療科への新規派遣を取りやめ、人事の集約化を図る傾向にある。このような状況を急性期病床を削減、集約化を図ろうとする厚労省は絶好の機会ととらえているであろう。産科、小児科、救急などの診療部門では集約化を求める現場からの要請も強く、医局も無い袖は振れない。今後ますます社会として要請が高まるであろう急性期医療の質の確保という意味でも、産科、小児科のみならず、急性期病床全体として集約化は避けられないだろう。
しかし厚労省としてはたなぼたの感がある集約化への流れのなかで、人、金の面でバックアップを図ることこそ責任ある行政の立場ではないか。
法的な対応策も今後の重要課題に/全自病・小山田会長 本紙緊急提言
医師不足問題が深刻化する中で、全国自治体病院協議会の小山田惠会長は4月28日、本紙の取材に対し「医師不足問題を解決していくには、医療機関の集約化が必要だ」と指摘した。さらに、日本小児科学会では、小児救急医療体制改革案として36の都道府県における小児医療施設の集約化・重点化に関するモデル案をまとめた。こうした学会の動きに対し同会長は、「小児科学会、産婦人科学会などの動きは、高く評価している」と話し、今後、学会のモデル案を医療現場で運用していく段階では、全自病としても全面的にバックアップしていきたいとの考えを示した。さらに、同会長は、医師不足解消策については、医療法上の対応が必要だとの認識も示すなど、複合的な対応策を講ずることで地域住民の医療を守っていきたいとしている。(http://www.japan-medicine.com/news/news2.html)
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同じ診療圏に同じような規模の同じような病院が共存するような状況は日本中至る所に見られると思う。これまでも互いに診療科が合併し集約化を図った方が余程効率的で質の高い急性期医療が展開できるのになあ、と個人的には考える人は少なからずいただろう。
それがなかなか進まない原因は各病院の収益事情、職員の処遇の問題と並んで、医局の人事支配という要素がかなりあったのではないか。
A県立病院の院長はK大学のポストであり、B赤十字病院の院長はH大学、C済生会病院はZ大学、A病院の外科、内科はK大学の関連であり、B病院の産婦人科、小児科はH大学の関連といった具合である。
これを互いの話し合いにより統合するのはこれまで事実上不可能であった。統合するということはいずれか一方の病院が収益上影響を受け、いずれか一方の大学が医局員の就職先を失うということである。したがって事はそんなに簡単には進まない。
ところが近年の医療状況、及び新研修制度の余波を受け、大学自体が人手不足となり、全体として基幹病院を重要拠点と考え、規模の小さい病院診療科への新規派遣を取りやめ、人事の集約化を図る傾向にある。このような状況を急性期病床を削減、集約化を図ろうとする厚労省は絶好の機会ととらえているであろう。産科、小児科、救急などの診療部門では集約化を求める現場からの要請も強く、医局も無い袖は振れない。今後ますます社会として要請が高まるであろう急性期医療の質の確保という意味でも、産科、小児科のみならず、急性期病床全体として集約化は避けられないだろう。
しかし厚労省としてはたなぼたの感がある集約化への流れのなかで、人、金の面でバックアップを図ることこそ責任ある行政の立場ではないか。