ある方が紹介していたサイトにある、かつての強打者、不惑のホームラン王・門田博光さんはこう言っている。
「ボールが飛ばなくなったのは確かでしょう。でも、我々の若い頃(昭和40年代)も飛ばないボールだった。問題は、プロとしてそこからどう考えるかなんですよ。結果を出すための準備。これがすべてと言ってもいい。『来シーズンから統一球が導入されます』となった時に、それまでと同じバット、同じスイングではダメなのは明らか。シーズンが始まるまでにどれだけの準備をやってきたのかなと……」
「たとえば、今まで34インチの長さだったバットを半インチ長くして遠心力を大きくしたらどうなるのか、とかね。オチ(落合博満)はロッテ時代に52本塁打を打った時、確か35インチのバットを使っていた。オレでも34インチ半が精一杯やったのに……。あの長さのバットを扱うのはすごい技術が必要なんです。あの頃のオチは、『王(貞治)さんの55本塁打を抜きたい』という思いがあったんやと思う。そのためにはこのバットを使いこなさないといけないと思ったに違いない」
ホームラン数が半減して点の入らない試合が減ってきた。数字が伸びない事で選手たちの年俸にも関係してくる事もあるし、プロ野球の華やかさが減ったと元のボールに戻そうとする動きも球界にはある。
国際化を目指して導入したこのボール。本数が減ったことをボールのせいにして元に戻そうとする動きに苦言を呈しているのだろう。
私もそう思う。
そして気になるのが選手が使用しているバットの重さ。おそらく900gを少し超える程の重さのバットを使用している選手が多い。門田さんも言うが、バットの重さは当然飛距離に関係してくる。ふた昔前は950gは最低あったと思うバットの重さ。重く長いバットを振ってホームランを狙うことをどうして今の選手はしないんだと嘆いておられるのだろう。
「フォームにしてもそう。スタンスを変えたらどうなるのか、70%の体の捻(ひね)りを80%にしたらどうなるか。いくらでもあるんです。大体、今の選手のフォームを見ていたら、投げるのも打つのも、捻りを入れないのがいいフォームとされている。確かに、投手からすれば腕を見えにくくするためとか、バッターにしてみれば多様化した変化球に対応するためとか、いろいろと理屈はあるんでしょう。ただ、バッターに関して言わせてもらえば、これまで飛ぶボールを使っていたため、捻りを入れない打ち方でも打球は飛んでいった。でも、飛ばないボールを使うと、その打ち方では飛距離が出ない。捻りを入れない方が確率は上がるといっても、4割は打てないでしょ。そればかりか3割打者もほとんど出ていない。考え方を変えないとアカンでしょうね」
およそ170cmの身長には不似合いなバットの長さ。それがカッコ良かった。そしてその努力の結果が数字に表れている。それをして来た方だけに言葉に重みがある。
軽くて楽に振れるバットで残してきた数字に別れを告げて、さらに上を目指して精進してこそ、これを生業にしている男達の務めではないだろうか。
昨シーズン、そんなボールに対して本数を伸ばしたライオンズ・中村やホークス・松田らの存在を、飛ばなくなったと嘆く選手達はどう考えるのだろう。
世界に通用するホームランバッターの出現を、私も心待ちにしている。
確かに、パワーだとかなんだとかの二次的な要素もあると思いますが
単に、バットの芯できっちり打ち抜くという、本質的なスキルが低いだけではないかと。
飛ばない球なんだからこそ、よけいに全身を使ってバットの芯を食わなきゃ打てない。
逆に言えば、どんな球でも芯で捉えればホームランは打てる。ましてや、プロに入るような選手ならなおさら。
・打てる球を確実に打つこと
・打てる球のコースと球種を増やすこと
この基本に尽きるんですわな。
プロなら統一球くらい打てよ。それでもプロかw