タロウ助教授GTの研究室

タロウ助教授の日頃の研究成果を、不定期に発信。。。

あぶさんの引退に悩む

2009-10-05 22:28:25 | マンガ
あぶさんが引退した。
今日発売のビックコミックオリジナルの中で、である。

漫画のキャラとはいえ、御歳62才。もう年金ももらえる歳になってしまっていて、
なおかつ実在のプロ野球選手での同期は有藤や田淵などで、設定にかなりの
無理がきていた。

連載当初(73年)から、南海ホークスが身売りする80年代末あたりまでは、代打一筋で
キャラとしての存在感も有り、また、水島先生お得意の人間ドラマが上手くかみ合った
良質なヒューマンコミックだった。よく読めば、実は野球の描写よりも、
野球以外でのドラマが多い漫画であることが良く分かると思う。

ところが90年代に入り、チームそのものが南海からダイエーに変わったあたりから、
突然レギュラーとして守備もこなし、全試合に出るようになって、トンチキ度が
グングンとアップする。

その頃ですでに40歳を超えてる設定だったので、本当はその時点で引退していても、
おかしく無いのである。

その頃、リアルタイムで雑誌で読んでいた私は毎年、『今年こそは引退か!?』(=連載終了!?)
とちょっぴりハラハラしながら読んでいた。

ところが毎年、あぶさんはきちんと歳を重ねて行くにも関わらず、いっこうに引退しない。
正直、45歳あたりまでは笑って許せた。いや、漫画のキャラだから40代が終わるまでは
大目に見ようと心に誓った。

ところが、50歳に突入。いくら何でも今年で引退だろう・・と思っていたら、
知らぬ間に60歳。
いくらなんでもあんまりだ・・・とあきれていたら、はや2年。
本日やっと引退セレモニーである。いろんな意味で長かった・・・

どうやら漫画自体はまだ連載が続くらしい。

今後の展開として、マスターズリーグに参戦(もちろん博多ドンタクズ!!)して村田兆治と
対決するもいとおかし、なんだけど、おそらく『大虎』に入り浸って、そこに現役の
旬のプロ野球選手がいろいろ遊びにきて薫陶を受ける、みたいな『徹子の部屋』みたいな
漫画になってしまうんぢゃないだろうか・・・とにらんでいる。

どうであれ、水島先生にとっての『火の鳥』的なライフワーク漫画はやっぱり
『ドカベン』ではなくてこの『あぶさん』であって欲しいと強く願う。
私は『あぶさん』のファンなので。

余談ながら、私は数年前まで福岡ドームの近くに住んでいたので、よくホークス戦を見に
行っていた。
そこで、毎回ホークスの応援団の中に『90番』のノボリを見る事が出来た。ごく自然に、
ごくあたりまえに、そのノボリは立っていた。

現実にはいないはずの選手のノボリが、である。

『あぶさん』とはそんな漫画である。












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