子育てカウンセラー・作家:山本勝美ブログ「子育ておしゃべりコーナー」

子育て・心理カウンセラー山本勝美のブログ。子育て・介護・障害者などの悩み相談も。

再び「育児ストレス」をめぐって

2008年07月18日 | Weblog
しばらく子育ての話しから
遠ざかっていましたが
そろそろ本題に戻ってと。

いろいろ書きたいことがあるのですが・・・


まず、最初のブログ「育児ストレス」の最後のほうで

  ◎しつけはできるだけ少なく、

     「危ない事」と
     「健康」ぐらいに
      しぼって

と書いています。

5月12日の読売新聞の記事では
この内容に

「しつけは最小限に」

という見出しを付けてくれました。


この8文字は本当に胸がすくような言葉でした。
ぼくの永年の信念でしたから。
それをこうした簡潔な語句にして
全国に知らせてくれたのですから、
その日一日中うきうきしていました。
それ程嬉しかったのです。


これはぼくが子どもを
育てていたときの体験から
編み出した考え方なのです。


ぼくは「しつけ」ということばからは
余り良いものと言う印象を受けません。

勿論しつけのなかでも
どうしても必要なことはあります。
ですから「必要最小限に」と
断っているのです。


今かりに「しつけ」を
ていねいに言おうと思って
「お」など付けてみると明らかになります。
「おしつけ」となりますね。
これは決してしゃれではなくて、
しつけの本質を良く言い表していると
つくづく思うのです。


もしも子どもが、
いや人間みんなが
のびのび自由にあるがままでいられたら、
それこそストレスも争いも
起こらないでしょう。

でもわたしたちはそんな空想みたいな世界で
生活しているわけではありません。
ですから、自分が日々を安全に快適に過ごせるための
最小限のけじめをわきまえておく必要があります。


そこで、ぼくは子どもを
不要に抑えつけたりしないで、
できるだけのびのび生きられるようにするには
最小限なにがしつけとして必要かと
問いつめたのです。

すると「命と健康を守ること」
これがその答えだと悟ったので~す。
じゃじゃじゃじゃ~~~ん。


こんな問いかけをするようになったきっかけは、
実はある保育園を
相談員として
訪れたときのことでした。

一人の保育士さんといろんな話しをしていると、
その方は
「子どもを一切叱らないで育てるのが
わたしの理想なのです」
と言われました。

「ええーっ、
そんなことってできるんですか?」
とぼくは驚いて尋ねました。

するとその方は
「できるだけということですが」
と静かに答えました。
それならできるかもしれない、
そう思いました。

この時のやりとりがその後
ぼくの信念のベースになりました。

もう30年も前の思い出になります。



不要なしつけの枠を取り除くこと、
そのことによって
子どもものびのびできるでしょうし、
また大人も不要な葛藤、いらいらに
エネルギーをついやす必要がなくなると
思うのです。

それがぼくの望む親子本来のありようです。


子どものためとか思い込んで、
親はどれだけ自分のストレスを
子どもにぶっつけ、
発散させているでしょう。

でもそういうストレスの発散の仕方は
必ずあとでつけが回ってきます。
子どもは決して自分の叱るとおりには
ならないからです。

すると親は余計に叱り続ける。
「あれほど言ったのに、叱ったのに!!!!」
ってな具合になります。

そのうち何のために叱っているのか、
いや、怒っているのか、
自分でも分からなくなってしまう・・・・・



そんな毎日からどうすれば自分を
そして子どもを
少しでも解放できるのか?
ぼくも随分と苦労してきました。

そんな体験を山ほどくぐって
ようやくこんな信念に
たどりついたというお話です。


また、おそまつでした。

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