単独行の山歩き(yamakuma)

「一人は危険」と言われながら、一緒に行ってくれる人がなくいつのまにか単独行が身についてしまいました。

水について

2010-05-21 | インポート

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 縦走をしていると水の補給に悩まされますが、水についての気になる話です。

 南アルプス・仙塩尾根縦走で熊ノ平の水場で水を飲んでいると「その水、飲めますか」と女性の声で聞かれました。思わず「エーッ!」と声をあげて振り返りました。きれいな中年の女性が立っておられました。しっかり飲んでしまったあとで、飲めますかと聞かれても答えようがない。 確かに、「水場」とは書いてあるが、「飲めます」とは書いてない。 

 これは、単なるエピソードですが、山で水が飲めるかどうか、それも「自己責任」で判断するのが建前としても、今までは「腹をこわす」くらいの話であったと思うのですが、「エキノコックス」などというものもあります。インターネットで検索していただければ詳しい解説があると思いますので、詳細は専門家にお任せします。さらに、時期は記憶していないものの、本州でも人間に感染した例が新聞記事に掲載されたことがあったと思います。生水を飲むことが感染原因とされていますので、山で水を飲むとき、悩みます。インターネットで検索したところ、通常流れている沢の水は心配ないようなことが書かれていましたので、そんなに神経質になることはないのかも知れません。

 私も「この水飲めますか」と聞くと、いかにも素人くさいような表情をされますが、少なくとも、これだけ大勢の入山者がいればゴミだけでなく、排泄物もあります。山の水が清浄であったのは昔の話、と思った方が良いと思います。私はできる限り生水を飲まないように心がけているせいか、生水を飲むとなんとなくお腹がゆるくなるようです。体がデリケートになったのかも知れません。友人から「清潔好きになりすぎてひ弱になっている」ともいわれます。

 自分でも神経質だと思いますが、そのお陰で、仙丈岳(今のトイレができる前の話。ここの水は大腸菌がいた、という記事を山の雑誌で読んだ記憶があります。)と雪投沢南アルプス 西俣~蝙蝠尾根・このときの水に虫が入っていた)ではお腹をこわさずに済んだと思っています。 

 では、実際に行動用の水をどうするかが問題ですが、小屋泊まりならお茶を分けてもらいますが(有料。水のない尾根では分けてもらえないこともあります。)テント泊の場合、夜のうちに翌日の行動用の水を沸かしておきます。燃料は余分に必要ですが、命には代えられない、と思っています。これは、あくまで個人的な考え方ですが・・・。

 ここでまた、TVで見たお話で恐縮ですが、大学か何かの先生が、山の氷・雪で作った水割りがおいしい、と良くありそうな話をされていました。同僚の先生が顕微鏡で調べてみると、微生物がいっぱい。それを見せられた先生は、山の氷や雪で水割りを飲むのをやめたそうです。

 昔は、「3尺流れれば水清し」(表現が間違っていたらお許しください)などといって、特に山の水は清浄なものとされてきましたが、どうも最近は生水は飲まない方がよさそうです

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