備忘録

学習備忘録

抗告訴訟の審理

2010-04-01 20:04:27 | 行政法
審理
原告の主張制限→10条1項の意義
これについては、公益的利益の侵害の主張する者に広く原告適格を認めて救済を図るべき必要性から、「特定の者のみの利益を保護するために設けられた処分要件に関する違法事由はその特定の者のみが主張し得ることを規定したものと解すべきである。
論点
論点:国家公務員に対する停職6ヵ月の停職処分が、審査請求にもとづき減給処分にする旨の修正裁決を受けた場合、いずれを取消処分の対象とすべきか

(スタ論第2②、事例1-7)

↓この点

(規定ぶりからすれば)修正裁決は、原処分の存在を前提としたうえで、原処分の法律効果の内容を一定の限度のものに変更する効果を生ぜしめるにすぎない

→原処分は、当初から修正後の法律効果を伴う懲戒処分として存在していたものとみなされる

↓したがって

原処分を対象とすべき

※修正裁決自体を処分とみなす考えもありえるが、判例は採用しなかった。
論点:処分理由の差し替えは許されるか

↓思うに

取消訴訟の訴訟物は、処分の違法性一般であるから、理由の追完・差し替えが無条件に許されるとも思える

↓しかし

無条件に認めると理由付記制度が空洞化する

∵理由付記制度の趣旨は、恣意抑制機能と争訟便宜機能

(この点、判例は、処分の差異に具体的な処分理由が記載されそれが通知されれば、制度目的は一応実現されるとして、別の適法理由の主張を認める(H11/11/19))

↓そこで

条文の趣旨から、差し替えを許す趣旨か否かを解釈して判断すべきである

(あるいは、両者の利益を比較考量して判断すべきである)

※なお、もはや「違法性」自体が別であるとして訴訟物が別だから差し替えが許されない、という理論構成もありうる。

したがって、試験との関係では①訴訟物を異にするといえるほどの重大な差し替えか②①程ではないとしても、根拠法の趣旨から許されないのではないか、ということを順に検討すべき