女性が「浮気しやすい月内の時期」とストリッパーが「チップを最も稼げる月内の時期」が同じという謎めく事実2025/04/10 10:15 PRESIDENT Online 掲載
最高は1日平均335ドル、最低は平均185ドル。同じ人が同じ仕事をしているのに、なぜ時期によって稼ぎがこんなに違うのか。心理学者の内藤誼人さんは「大学で調査された結果によると、ある職業の女性の収入が月内のタイミングによって大きく異なることがわかった」という――。
■女性が浮気したくなる時期
恋人がいたり結婚したりしている女性は、月に一度、浮気しないように気をつけなければならない期間があります。
「私は、貞節な女の子だから大丈夫」
「私は、絶対に浮気なんてしない」
という女性でも、月に一度、ついフラフラとほかの男性に気を許してしまいそうになる危険なタイミングがあるのです。
それは、月経周期で言うと、「最も妊娠しやすいタイミング」です。イギリスにあるマンチェスター大学のマーク・べリスは、『カンパニー』という雑誌に載せられている、女性の浮気データを分析しました。のべ2708名の浮気の事例を分析したのです。
その結果、彼女たちが浮気するのは、一カ月で最も妊娠しやすい時期に集中していることがわかりました。月経周期で言うと、9日目から14日目に妊娠しやすい時期があり、ピークは12日目なのですが、このときに女性の婚外性交渉(つまりは浮気)の割合がグッと増えていたのです。
妊娠しにくい時期に女性が浮気する確率は、0%からせいぜい1〜2%。ところが、妊娠しやすいピークの12日目には、4%近くに増えていました。
まあ、浮気するといっても4%ですから、大多数の女性は浮気をしないわけですが、数値だけを見れば、妊娠しやすい時期には普段の2倍くらい浮気してしまう確率が高くなる
ほかの男性の子どもを身ごもってはいけない、まさに最も危険なタイミングで、女性は浮気してしまいやすくなるのですから、これは注意しなければなりません。自分の月経周期がはっきりわかるのであれば、妊娠しやすいタイミングには、自分の気持ちがついフラフラしてしまいそうになることに気をつけましょう。
しかも、実は、妊娠しやすいタイミングの女性は、男性にとってもなぜか「魅力的」に見えてしまうらしいのです。
この時期には、自分では気をつけていても男性のほうから言い寄られることも増えるでしょうから、出来心を起こしたりしないように、なおさら慎重に行動しなければなりません。
ほんの一時の気の迷いによって、大好きな恋人や夫との関係がおかしくならないように注意
自分が望まない妊娠をしてしまう可能性は?
男性が避妊を嫌がることもありますが、女性の中にも、「避妊しない」という人はかなり多いようです。
「自分だけは大丈夫」という心理は、こんなところにも表れるのです。妊娠、出産という大変なリスクを抱えている以上、安易なセックスは女性にとって避けたい行為のはずです。にもかかわらず、なぜ避妊をしない女性がいるのでしょうか。
米国カリフォルニア州にあるサンタ・クララ大学のジェリー・バーガーは、「自分だけは大丈夫」だと勝手に思い込んでいるからではないか、と考えました。もともと人間には、「自分だけは大丈夫」と思い込みたがるところがあるのですが、妊娠可能性についても、「自分だけは大丈夫だよ」と女性は思っているのではないかとバーガーは考えたのです。
そこでバーガーは女子大学生たちに、「あなたがこれからの1年間で、自分が望んでない妊娠をしてしまう可能性は、どれくらいだと思いますか?」というアンケートを配布してみました。
さらにバーガーは、「自分以外の平均的な女子大学生が、望んでいない妊娠をする可能性」、「自分と同年齢の平均的な女性が、望んでいない妊娠をする可能性」、「子どもがいてもいい年齢の平均的な女性が、望んでいない妊娠をする可能性」についても推測させてみました。
すると上の下記のような結果になったそうです。
【これからの1年間で、望んでいない妊娠をしてしまう可能性】自分自身 9.24%
自分以外の平均的な女子大学生 26.97%
同年齢の平均的な女性 42.59%
子どもがいてもいい年齢の平均的な女性 46.03%
言うまでもありませんが、コンドームなどを使用せずにセックスしていたら、誰でも等しい確率で妊娠するのです。にもかかわらず、女子大学生は「自分だけは大丈夫」と根拠もなく信じ込んでいました。妊娠すると思っていたのは、わずか10%未満だけです。
どんなこともそうですが、自分だけは例外的に大丈夫、ということはありません。リスクは、誰に対しても等しく存在するのです。
そんなことは誰でもわかっているはずなのに、それでもやっぱり、「自分だけは大丈夫」だと思ってしまうのでしょう。これが、人間の良くないところです。
男女が駆使する性の高等戦略
ストリップで働く女性は、当然仕事の対価として給料をもらいますが、お客さんからチップももらえます。ボーナスです。給料のほうは固定で、毎月決まったぶんだけしか稼げないわけですが、自分の努力次第でお客さんからのチップは増減します。
ストリッパーにとって、お客さんからのチップはとても大切なわけですけれども、毎月決まってチップをたくさん稼ぐことができるタイミングがあるのです。
米国ニューメキシコ大学のジェフリー・ミラーは、ストリッパーの女性に、毎晩どれだけのチップをもらったのかの記録をつけてもらいました。さらに、月経周期も教えてもらいました。すると、妊娠しやすい時期である9日目から15日目までのチップは、5時間のシフトで平均335ドルだったのですが、月経が終わった後の10日間(18日目から28日目)では、平均260ドルであることがわかったのです。ちなみに、月経前の5日間(1日目から5日目)が最もチップを稼ぐことができず、平均185ドルでした。
この結果は、妊娠しやすい時期の女性ほど、男性にとっては光り輝いて見えるということを示しています。これはどういうことなのでしょうか。
ミラーの分析によると、男性は自分の子孫を残すために、妊娠しやすい時期の女性に言い寄ったほうが効率が良いと考えるから、というのがその理由です。
男性は、女性が発するフェロモンなどによって、妊娠しやすいかどうかを無意識的に判断し、妊娠しやすいとわかれば猛烈にアタックし始めるというわけです。
「男性は本当にそんなことを考えているのかな?」と思われるかもしれませんが、実際のデータがこの仮説を支持しています。無自覚かもしれませんが、男性には妊娠しやすい時期の女性が魅力的に見えるのです。
もちろん、この原理はストリッパーに限らず、ほかの女性にも当てはまります。もし身近な女友達などが、「今日はやたらに眩しく見えるな」と感じるのであれば、それは彼女が妊娠しやすい時期にあたるからかもしれません。ただし、それを尋ねたりするとセクハラになってしまいますから気をつけましょう。
女性は女性で、妊娠しやすい時期には、「私は子どもを生むことができますよ」というアピールをして男性を惹きつけようとしますし、男性は男性で、「この人なら、自分の子どもを生んでくれそうだ」ということで言い寄っていきます。人間というのは、すごく高等な戦略を知らず知らずのうちに駆使
内藤 誼人(ないとう・よしひと)氏 心理学者
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。立正大学客員教授。有限会社アンギルド代表。社会心理学の知見をベースに、心理学の応用に力を注ぎ、ビジネスを中心とした実践的なアドバイスに定評がある。『心理学BEST100』(総合法令出版)、『人も自分も操れる!暗示大全』(すばる舎)、『気にしない習慣』(明日香出版社)、『人に好かれる最強の心理学』(青春出版社)など
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