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クライマックス・シリーズ制度は確かにイビツだけど

2007年10月24日 | 時事
巨人渡辺会長「CSくだらん」(日刊スポーツ) - goo ニュース

 まぁ,分かりやすい爺さんではある。もし逆にジャイアンツが2位でペナントレースを終え,クライマックス・シリーズで1位の球団(まぁ仮にドラゴンズとしましょうか?)に勝って日本シリーズに出ることになったら,「いやぁ盛り上がってよかった。やっぱりクライマックス・シリーズの導入は大成功だったなぁ」と言うのは間違いない,と思わせるもんなぁ。

 レギュラーシリーズの上位チームがプレイオフを行う,というのは別に珍しいことぢゃない。MLBだってそうだし,東西8チームずつがプレイオフに進出するNBAに至っては,つまり半数のチームがプレイオフに出られるわけで,12球団のうち6チームが出られる日本プロ野球と同じである。違うのはこのプレイオフで勝ち上がったチームが「地区優勝」であり,ファイナリストとなることだ。

 クライマックス・シリーズのイビツな点は,リーグ優勝はあくまでペナントレースの勝率で決め,プレイオフでは日本シリーズへの出場権だけを争うというところである。なんでこんなことにしたのか,調べようとしてみたのだが分からなかった。まさかその方がビール掛けの回数が増えるからって,ビール会社の陰謀ぢゃないよね?

 オレに想像できるのは,誰かが「130数試合も積み重ねてきた結果が短期決戦のプレイオフでひっくり返るのか,そりゃコクだろう」といい出したんではないかってくらいなんだが,上に書いたようにそれはMLBでも同じこと。なんでアメリカ人はそれでいいと思い,ニッポン人はそうは思わないのだろうか。

 ……ここで狩猟民族と農耕民族の日々の努力に対する感じ方の違い,みたいな話をしてもいいんだが,長くなるし説得力もイマイチな気がするのでやめておく。オレの私見ではこれ,球団のホームタウンの力の差が関係しているんぢゃなかろうか。

 MLBやNBAなどの選手がレギュラーシリーズを頑張るのは,まずプレイオフに出場するため。出場枠の中でも上位に行こうとするのは,上位チームにホームコート・アドバンテージが与えられるからである。早い話,3回戦のプレイオフであれば2試合,5回戦なら3試合,7回戦なら4試合を地元ファンの前で戦える。チームに入る興行収入もバカにできない。これがレギュラーシーズンに傾注する努力に「見合う」のだ。

 翻って日本を見る。日ハムのホームコート・アドバンテージは大きい。阪神も中日もそうだ。日本のプロ野球チームで,一番ホームコート・アドバンテージの恩恵が少ないのは,その人気が全国区であるジャイアンツなんですな,これが。しかしその日ハムにしても,アメリカのプロ・スポーツにおけるホームコート・アドバンテージには及ばない。

 今はそんなことはないらしいが(あるかも知れない)。昔のMLBの球場の中には,ビジター側のベンチにはエアコンを入れず,しかも必ず西日が当たるように設計されているものがあったという。マイケル・ジョーダンのインタビューで読んだような気がするが,どこだかで試合をするとビジター側のシャワー室は水しか出なかったとかいう話もある。

 ニッポン人の感覚では,そこまでやるかってなもんだが,やるんだよね。モノゴトは表裏一体なので,そうしたホームコート・アドバンテージの大きくない日本の選手は逆に「地元のファン」に対する感謝の念も薄いような気がする。アメリカの選手の方がすぐ移籍するぢゃないか,と言うかも知れぬが,それはプロだから当たり前。何億と稼いでる日本の選手で地元にある施設の子供を球場に招待したりているヒトが何人いる?



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