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やれやれ,松本清張の「点と線」ですな,こりゃ

2007年11月28日 | 時事
「会議録もテープもある」 額賀氏、宴席疑惑で「反証」(朝日新聞) - goo ニュース

 やれやれ,松本清張の「点と線」ですな,こりゃ。

 自民党が示す証拠(しかしまぁ宴席に出てたからって犯罪ぢゃあるまいし「アリバイ」って言うかね)は2つ。1つは銀座のホテルで撮ったというデジカメ写真(時刻入り),もう1つはその後に出席したという党内の勉強会のテープ。この2つの証拠に記録された時刻から,その間に人形町の料亭に行って宴会に出席するのは不可能なんだと。

 対する民主党の「疑惑」の根拠は,党が電話で行ったというモリヤ元次官へのインタビュー(昨日「CSI:科学捜査班」を観てたら出てきたが,そういやアメリカぢゃ事情聴取も「インタビュー」なんだな)。その内容は証人喚問での発言を補足するようなもんで,とにかくその日その会合にヌカガが来ていたと。渦中のミヤザキや主賓であったジェームス・アワーとも喋っていた,と……。

 うーん,オレのように(他にもたくさんいらっしゃるでしょうが),ミステリずれしているヤジウマから見ると,言っちゃ悪いがどっちもそんなに「鬼の首を取ったように威張れる」ほどの証拠ぢゃないよなぁ。

 まず,デジカメの日時記録なんて簡単に変更できる(むかしオレもそういうソフトを書いたことがあるよ)。ICレコーダの録音に至ってはもともと何時間だか設定がずれていて記録ではその日の朝からになっているとか。ICレコーダの日時設定の方が「狂っていたけど証拠」なのに,なんでデジカメの設定が「狂っていなかった」と言えるのか,そこの論理がよく解らない。

 かたやモリヤの証言もかなりマユツバだ。調べちゃいないが,国会の証人喚問における偽証罪と受託収賄ではまぁ普通に考えて後者の方が罪が重そうぢゃないか。受託収賄で逮捕されようという人物が,偽証罪を恐れてホントのことを言った,なんて断言できるか?

 オレが気になるのは自民党の一部が「第2の偽メール事件だ」と言い出していることである。最初から根拠が怪しかった(オレ達の業界のニンゲンは一目でありゃガセくさいと思った)ホリエのメールと違い,今度のことの発端は自民党も出席していた証人喚問でのモリヤの発言であり,文脈的に全然別物だと思うのだが,それを「第2の偽メール」と言うってことはここらになんかあるんぢゃなかろうか。

 実は自民党とモリヤの間で裏話ができており,民主党がハシゴの上の戻れないところまで登ったところでモリヤが「やっぱりあれは勘違いでした」とか言い出すシナリオだったりして。その見返りに,返還すると言ってる退職金と同じくらいの金が自民党トクイの使途不明金からモリヤのカミさんにまわるとかさ。……政治謀略小説の読みすぎでしょうかねぇ。

 ところでオレ,全然別のところで不思議に思っているのだが,なんでマスコミはモリヤに対して他の犯罪者の時みたいに「小学生の時の作文」とか「子供の頃の知りあいの話」とか,そういう取材をしないのだろうか。人殺しぢゃないから? ライブドアのホリエだって人殺しぢゃないし,ヒューザーの社長だってそうだったろ?

 それからもうひとつ,一部週刊誌などでモリヤのことを「防衛省の天皇」とか書いたりしていたが,オレの知るかぎり(あんまり知らないけどさ),明仁天皇はそんなわがままも言ってなければ恣意的な権力も行使してないぢゃん。天皇制に賛成か反対かは別として,その暗喩はなんかえれぇそぐわない気がするんだけどどうですか?



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