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2年経つとなんか変わるというのだろうか

2007年11月18日 | 時事
消費税「21年度増税」 自民財革研、中間報告明記へ(産経新聞) - goo ニュース


 自民党財政改革研究会のみなさん(オザワに碁で負けたヨサノが会長だ)は21年度に消費税の税率を引き上げようと言う。今はコクミンの理解が得られないが,21年度になれば,つまりあと2年経てば理解が得られるだろう,てか? オレはとりあえず運さえ良ければ2年後もコクミンでいる予定である,が,2年後になれば「消費税10%? いいでしょいいでしょ払いましょう」となる予定はない。あなた,ありますか?

 コクミンが消費税率の引き上げに反対するのは,過去に消費税を導入したとき,そして3%を5%に上げたときに約束された「コクミンにとっていいこと」がなんだかちっとも実現していないような気がするからである。社会保障のためだというが,その社会保障がここ数年少しでも良くなりましたか? 100年安心ですよと言って改正したはずの年金プランはどうなった? つまるところ政治家って「今やめると大損ですから資金を追加しましょう。なぁに挽回できますよ」と猫なで声で電話をかけてくる先物取引会社のセールスマンと変わらんではないか,と思っているのである。

「消費税を上げる前にまず無駄遣いをなくし……」というが,会計検査院の報告を見れば全然無駄遣いは減ってない。つうか,調査すればするだけ無駄遣いが明らかになるような印象だ。こないだの参議院選挙で自民党が惨敗したのはナントカ還元水や顔の絆創膏や社会保険庁の不祥事のせいだけぢゃないぞ。そろそろコクミンも「もしかして自民党政権ってのはとことん無能なんぢゃないか」と思いはじめてるのだ。対抗する民主党だって無能でないという保障はまったくないが(いや,オレは同程度に無能だと思ってるけどさ)ここらで金の預け先を替えてみるのはテかもしれない,と思ったんぢゃないかねぇ?

 岩井克人先生はその著書「貨幣論」で「貨幣というのは実は永遠のトートロジー」であると喝破された。例えば今オレがポケットから取り出したこの1万円札,原価が正味いくらかは知らないが,紙,インク,印刷技術,工賃全てを合計してもまぁ1枚10円の価値もないだろう。でもこれを商店に持って行けば,とりあえずその店で10,000円分の商品と引き換えてもらえる。なぜ商店主は原価10円にも満たない紙切れと引き換えに大事な商品をヒゲ面の中年男(というのはもちろんオレのことだけど)に引き渡して平気なのか。それは「*将来のいつの日かに誰かほかの人間がその紙切れと10,000円分の商品と引き換えてくれると思っているから」なのであり,その「誰かほかの人間」がそうしてくれる理由もまた,「*印くりかえし」なのである。

 よく,どこそこの国はもっと消費税が高いのだ,と言うが,それはその国の納税者がそんだけ自分等の政府を信用してるってことだ。たとえば10,000円を払ってもそれが巡り巡って官僚のゴルフ代だのそのカミさんのカラオケ代とかにピンハネされちゃって5,000円どころか1,000円だって自分のために使われているとは思えないような国の政府がどんなクチで税金を上げると言うのか。……あと2年でそういうところも全部改めます,と,またできもしない約束をするんだろうけど(ほんでまたお人よしのコクミンは信じちゃったりするんだけど)。



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