新弟子検査の受験者がゼロになるような不人気な競技がなんで国技なんだね？

国技の危機…新弟子検査の受検者ゼロ(スポーツニッポン) - goo ニュース

　「国技の危機」ったって話が逆だろ。新弟子検査の受験者がゼロになるような不人気な競技がなんで国技なんだね？ と問うべきである。

　オレは相撲が好きでも嫌いでもないが（この「嫌いでもない」というところを強調したいが），体格のいい若者，体力自慢の若者が相撲に魅力を感じないのはなんとなく分る。オレの認識が当たってるかどうか分らんが以下に列挙してみよう。

　まず世間の流れに逆行して「太らなくちゃならない」というのがあろう。デブはモテない。そりゃ強くなればカネもオンナも付いてくる，という古典的なご意見もあろうが，デブでなけりゃそれほど強くなくてもモテる競技は山ほどあるし，デブでなけりゃスポーツなんかやってなくても（ない方が？）モテる可能性はある。

　さらにケイコ，練習に前近代的なシゴキのイメージがある。例えばいまどきどっかの高校の野球部で監督が竹刀唸らせながら選手を「指導」したら社会問題である。が，相撲のケイコには（事実は知らず）そういうイメージがつきまとっており，協会自体にも「そうして強くなるんだ」みたいなことを平気で言う人がたくさんいる。これぢゃ親は（自分が相撲ファンでも）息子を相撲取りにさせようとは思わない。

　おまけにファンは年寄りばかりである。オレの周囲で相撲をかかさず観ているというのは友人であってもオレより年齢が上のヒトだ。NHKはデーモン木暮を解説に引っ張り出してずいぶん若い人にアピールしているつもりらしいが，彼だってオレより僅かに年下なだけである（オレは彼の「世を忍ぶ狩りの姉・小暮裕美子」と同年）。

　そして最後に，これが結構決定版だと思うのだが，若者は相撲に触れる機会がない。オレがガキのころは小学校から帰るとまだ4時台で，相撲をやってれば観たモンだし好きでもあった（北の湖が強かったころだ）。ところが今のガキはその時間から塾である。ニンゲン，勝ち負けだけを伝えるニュースを観てにわかに相撲ファンにはならない。

　冒頭にも書いた通り，今のオレは相撲が好きでも嫌いでもないが，それでも新弟子検査の受験者ゼロと聞けば寂しい気がする。だけどさ，かつてゴールデンタイムにその覇を競ったプロレスはいまや深夜かCSの放送である。野球の讀賣戦だって地上波で全試合放送されない。

　政治家とかケーダンレンの偉い人とか，世を挙げて競争原理競争原理と言ってんだから，「国技国技」と念仏唱えてないで，スポーツ興行として他と競争するつう視点を持つのも大事なんぢゃないか。このままぢゃ朝青龍がジャイアント馬場みたいに50過ぎても横綱やってるなんてぇことになりかねないぞ。