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この記事をプリントアウトしてタイムカプセルにでも入れておこうか

2007年04月27日 | 時事
65歳時点での厚生年金試算、2051年度には37万円?(読売新聞) - goo ニュース

 オレは経済学には疎いし,Webにいる経済学者の人たちは怖い人ばっかりだから(そうだよね?)あんまりこのテの話題には首を突っ込みたくないんだが,でもこの能天気な試算にはちと異議がある。つうか,まずこれを見てくれ。

 財政再計算における経済前提等について

 これはいまから4年前,平成15年の3月に社会保障審議会年金部会というところがまとめた資料。いろいろ文言はシチ面倒くさいんだが,要する社会保障制度を考える際にはこれに書かれた経済のあれこれを前提とします,という書類である。

 でね,始めの方に「平成11年財政再計算における経済前提の設定方法」というのがあるのでこれをご覧頂きたい。これによれば「好景気の期間を含めた過去の実績を基準として」定めた物価上昇率が1.5%,賃金上昇率が2.5%,そして運用利回りが4.0%……だったんですよ,4年前。ここまでいっすか?

 昨日の発表ではこれらの数値がそれぞれ1.0%,2.5%(今日の記事ではただ「賃金上昇率は2.5%」となっててこれが「実質」なのか「名目」なのか分からないが,一応数字が近いので名目と考えることにする),4.1%である。つまり4年前と大きく違うのは物価上昇率である。

 オレのシロウト考えでは物価上昇率は好景気のバロメータだ。偉い(ということになっている)経済学者の皆さんがこぞってインフレ待望論をぶったのを覚えてる。その物価上昇率が4年前の予想より低いのに賃金上昇率が横ばい,運用利回りも僅かに上げ,なんてことがあり得るのか? 物価が上がらないのに給料や利子が上がる? そんなこと今までありましたっけ?

 ひとつこれだけは確実だと思うのは,2051年になってこの記事,この発表を覚えてるひとはおそらくほとんどいないってこと。この記事をプリントアウトしてタイムカプセルにでも入れておこうか。それを証拠に最高裁で争うとか(笑)。


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