ありがとう、マリア・・・ありがとう。
あなたのその優しいお心に、私はとても嬉しく、そして、感涙に耐えない。
それでは、今日、お伝えしたいことに早速進もう。あなたのご協力あってのことである。
またまた、昔、昔・・・となるだろうが、私にはつい先日のように思われる。
あの頃の私と弟子達・・・と呼ばれる、主に若者たちについて語ろう。
前にもお伝えした様に、私には多くの仲間、私を手伝ってくれる人々が徐々に集まって、私の、言わば伝道も少しずつ規模も広くなり、多くの人達に、愛の意味とこの地球で生きることとの関係や可能性をお伝え出来るようになっていった。
そして、そんなある日のことである。
あれは星の瞬く美しい夜の事であった。
私達は、十数人ほどのグループになって、要望のあった各地に赴いていた途中のことである。
あの頃は私もまだ若く、そして私を手伝う若者たち・・・私の弟や子供達に近いような若者も一緒に、わらじのようなものを履き、リックサックのような背中に大きな袋を背負って旅をしていたものである。
そして、ある村にまもなく着く頃、私のわらじの紐が切れ、片足が裸足のような状態で歩き続けていた時のことである。
若者がそれを目にして、すぐに自分のぞうりを脱ぎ、私の足にそれを履かせようとした時である。私が、
「大丈夫だよ、もう少しで街に着く・・・そしたら、新しいのを履くからね。」
という風に答えると、彼の口にした言葉はこうだった。
「大丈夫、私もまだ数足持って来ています。自分でしっかり作ったので丈夫です。履いてもらえると嬉しいです。」
のような言葉だった。
私はとても嬉しくなり、その言葉に素直に従い、彼のわらじを履いてその後の旅を気持ち良く、安全に続けられたのである。
これはほんの一例にすぎず、このような旅の中で生じるすべてのことに、暖かい助力の手を与えられたものだった。若者たちは私の身の回りのみならず、私に時折ついてくる旅先の若者たちとも仲良くしたり、疑問や質問にも優しく対応してくれたものだった。彼ら自身が旅を一緒にすることで、様々な愛の行動を学んでいたのであろう。
各地の人々の生活に生じる様々なあつれきや困りごと、そして生きていくための心の持ち方、仲間との協同のための心得などを自然に身に着けていったのである。
そして、それらの者は家族のように旅先の生活や伝道を共にし、また、様々な世話や困りごとにも対応して、私の旅は徐々により充実したものとなっていったのである。
ここで一言お伝えしたいのは、もう一つ、この裏にはやはり、天の父の導きがあったこともしっかりお伝えしよう。
時にはつらいこと、困難な旅先での出来事も含めて、常に天の父の目が注がれ、必要な折には助力や解決法が与えられたが、この中に若者たちへの様々な助けも含まれていたのであった。
彼らの力なしでは・・・つまり私一人の力では、人々への愛の意味を伝えるこの旅は不可能であり、見えないところで、彼らにも天の配慮とお力が与えられていたのである。
私一人にだけでなく、彼らにもこの天の助力あっての若者たちの行動であった。
彼らの中には家族に反対され、それでもついて来る者もおり、命からがら旅に加わった者もいた。
そうであろう・・・大切な息子が家族を離れて、遠く、長い間、何処か知らぬ土地へと行ってしまうのを反対する親がいるのは当然のことであろう。
しかし、街の中の伝道の折に行動を共にした者のほとんどは、何処へ行こうと・・・家族を離れることになろうと、私について来てくれたのである。
今、彼らの心を思い出すと、私は大変有難く、自分の仲間以上・・・私の家族でもあるような愛と感謝を感じるのである。
多くの困難も生じ得ない旅を、彼らの力と協力のお蔭で続けられ、旅先で私達を待つ多くの人々への、愛の解決法や人生の様々なトラブルへの対処法をお伝え出来たのである。
決して、私一人の力ではなかったのである。
こうして、天の父から与えられたこの地球の文化文明の方向性を、少しずつ地に根付かせることが出来たのである。
そして、今、あなたが、そこでこうして私の話を書き取ってくれている。
これが、後々人の目に触れ、読まれ、これからの地球の新しい方向性を少しでも正しくすることが出来るようになるだろう。
ありがとう、マリア。これからもよろしくお願いしたい。
それでは、今日はこれまでとしよう。
ありがとう、ありがとう。
今日も良い日になるよう、しっかり守っていこう・・・愛と共に。
