
新しい朝が来た 希望の朝だ
喜びに胸を開け 青空仰げ
と、「ラジオ体操の歌」は歌う。
高緯度地帯の冬はどうだ、という突っ込みを除けば、朝はどこにでもやってくる。
どこで朝を迎えようと、果たして気持ちの持ち方一つで、希望や喜びを胸に一日を迎えることができるのだろうか。
それとも、やがて昇る陽が照らす現実に再び落胆して一日を終えることを見通せてしまうのであれば、心からの喜びや希望は、最初から持たないことを覚えるのだろうか。
安易に判った気になったところで、偽善にしかならない愚問。
それを問うことで、旅に安易な意味を与えようとする偽善。
少し先に見える明かりは、ユダヤ人入植者の村。
靄の向こうに見えるのは、エルサレムの街。
無責任な旅行者には、透明で気持ちの良い朝だった。
@West bank, Palestinian Territory
Mamiya G 1:4 f=50mmL (1989), New Mamiya 6 MF