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ウイスキーの刻 ~Whiskyのとき~

耳を澄ませば聴こえるウイスキーのメロディ。
『ウイスキーの刻』は、その真実を探し求めていきたいと思います。

『新千歳空港に降り立って』㉘

2020-05-31 19:19:19 | 日記
 こんばんは。Aokiです。


 皆さま、無事にショッピングも終え、『ノースランド』前の
 駐車場に待機しているバスにお土産を預けます。

 行きのJRは楽しいのですが、アルコールを摂取した後に歩き、
 乗り換えるのは、かなりご負担になります。

 そこで、ここから札幌のホテルまでは、送迎バスでの移動となります。

 身軽になった皆さまは、心も軽やかに、無料試飲コーナーのある
 隣の建物へと向かいます。

 1Fで飲酒カードにご記入いただき、2Fへと進みます。


☆☆☆

 「皆さま、お待たせいたしました。余市蒸溜所ツアー
  最終地点は、ここ、試飲室となります。
  ここでは、余市蒸溜所の歴史を語る上で欠かせない三品
  『アップルワイン』『シングルモルト余市』そして、
  『スーパーニッカ』を楽しんでいただけます。
  お水、炭酸水、それにリンゴジュースもございますので、
  組合せも是非、お楽しみください。」

 皆さま、トレーに3種類のお酒を取り、その先のコーナーで、
 お水や炭酸水を紙コップに入れます。

 さっちゃんのお母さんも、ようやくウイスキーを味わうことができます。

 さっちゃんには、リンゴジュースを取ってあげています。

 「さっちゃん、これ食べる?
  あたしはお腹いっぱいだから、ひとつでいいんだ。」

 振り返りますと、肩掛けの緑の鞄から、
 グリーンアップル味のハイチュウが。

 しかも、“果実ピューレが2倍”・・・

 それは、まあ、よいとしまして・・・

 ハイチュウ女史が、封を切り、一つだけ取ると、
 残りをさっちゃんに差し上げています。

 「おねえちゃん、いいの?もらっても?」

 ハイチュウ女史が、笑顔で答えます。

 「これ、あたしの一押しだから。」

 そうだったのですね。

 グリーンアップルか・・・

 まあ、それはおいといて・・・

 さっちゃんは、お母さんの顔を見ます。

 「よかったね。おねえさんにお礼を言って。」

 「ありがとう!」

 それはうれしいでしょう。ハイチュウですから。

 しかも、グリーンアップル・・・


★★★

 広い試飲室には、多くのテーブル席が用意されています。

 ですが、皆さま、自然と同じテーブルに
 固まっていらっしゃいます。

 いよいよ、このツアー最後の宴が始まり・・・

 「お母さん、あれ、うちにあるのと同じだね。」

 そこに割り込んだのが、八兵衛さん。

 「えっ、どれ?」

 さっちゃんに代わり、それに答えたのは、お母さん。

 「ああ、あの『NIKKA WHISKY』の文字の、
  すぐ下に展示されている丸いボトルですね。
  主人が好きで、晩酌はいつもあれでした。」

 「ああ、そうなんだ。旦那さん、今でも毎晩、晩酌してるの?」

 八兵衛さんに悪気はありません。

 他の方々は、皆、結びの言葉で事情を察していらっしゃいます。

 「あれは、スーパーニッカですね。
  1962年に、竹鶴政孝が、最愛の人リタさんへの想いを込めて
  つくったと言われております。」

 「じゃあ、リタも、さぞかし喜んだんだろうね。」

 八兵衛さんが地雷エリアを疾走しています。

 竹鶴リタがその生涯を閉じたのは、1961年。

 ここで、ミス・ザンギが機転を利かせます。

 「今日の試飲にも含まれていますね。
  ご主人が愉しんでいらっしゃったスーパーニッカを、
  今日は皆でいただきましょう!」

 さすがに八さんの暴走に渋い顔をされていた長老も、
 少しほぐれたご様子です。


                  ~ to be continued ~


                       Z.Aoki
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