京都市左京区 「詩仙堂(しせんどう)」 (古都探訪 72)

詩仙堂は京都市一条寺にある、江戸時代初期の文人石川丈山の山荘跡で、現在は曹洞宗の寺院でもあり、名を丈山寺という。

入口の小有洞(しょうゆうどう)の門から参道を臨むと、両脇から竹林が迫る。

竹林の先に建つ「嘯月楼(しょうげつろう)」
堂の上のこの楼閣は、丈山が月を見、庭を見る為に造った。

時折静寂の中に響く「ししおどし」の音。 此処はその発祥の地としても有名。

書院から眺める庭園。 鮮やかな若緑の光が、まるで生き物のように畳を這う。

丈山が59歳の時に造営され、寛文12年の90歳で没するまで、ここで詩歌三昧の生活を送った。

名前の「詩仙」とは、中国の詩人三十六人の肖像画を飾る「詩仙の間」からつけられた。

庭園造りの名手でもある丈山自身により設計されたこの庭は、四季折々に楽しむことができ、特に春 (5月下旬) のサツキと秋 (11月下旬) の紅葉が有名。

帰り際屋根の上でアオサギが池の獲物を狙っていた。

澄み渡る空気の情景溢れる空間に暫し留まると、心が洗われるようだ。
photo by OLYMPUS OM-D EM-5Ⅱ