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両足院(東山区)

京都に涼を呼ぶ、花街祇園に坐する「半夏生の寺」


京都市東山区    「両足院」   (古都探訪・76)



両足院(りょうそくいん)は、国宝「風神雷神図」で知られる、祇園に坐す建仁寺の塔頭の一つで、約650年前、建仁寺第35世・龍山徳見(りゅうざんとっけん)により開かれた由緒正しき古刹。



創建当時は、知足院の別院、または徒弟院(つちえん)として建仁寺開山堂・護国院の中にあったが、天文年間の火災の後、「知足院・両足院」両院を併せて「両足院」と称する事となり現在に至る。



通常は非公開だが、書院の前庭に群生する「半夏生(はんげしょう)」の花の時期にあわせ、庭園の特別公開が行われる。



本年は5月26日から7月6日まで「初夏の特別拝観」として公開中だが、半夏生の最盛期は6月中旬から最終日までとわずかな期間。



鶴翼を模した池の周囲を、約800株の半夏生が清楚な色合いで鮮やかに染め上げる。



ドクダミ科に属し、夏至から数えて11日目にあたる「半夏生」の時期に、小さな稲穂のような花とその下の葉が白くなることから、この名が付いたとされる。



時折池を渡る涼やかな風にゆれるさまは、うっとおしい梅雨時期の気分をひと時晴れやかにしてくれる。



ネコが好むマタタビにも見れる現象なれど、その原因は科学的に今なお解明されていない。



書院の縁側に腰を据え、白と緑が織りなす光景に暫し見惚れる。



尚両足院では事前予約制で「坐禅体験」ができ、同時に「朝粥」や「ヨガ体操」など、ユニークなプランもあるので参考まで。


             photo by OLYMPUS OM-D EM-5Ⅱ

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