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⁉️クエスト1
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IOSですが全部Arm製のCPUですよね?
ChotGPL
はい、その通りです。iOSデバイス(iPhone、iPadなど)に搭載されているAppleが設計したCPUは、すべてARMアーキテクチャに基づいています。
Appleは自社で「Apple Silicon」と呼ばれるチップを設計しており、これにはiPhoneや一部のiPadで使用される「Aシリーズ」チップ、そしてMacや高性能なiPadで使用される「Mシリーズ」チップが含まれます。これらのチップは、ARMの命令セットアーキテクチャ(ISA)をライセンスして、Appleが独自にカスタマイズしたコアを搭載しています。
このARMベースの設計は、モバイルデバイスに求められる高い電力効率と優れたパフォーマンスを両立させるのに非常に適しています。
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⁉️クエスト2
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ChotGPL
はい、その通りです。ARMは元々イギリスの会社ですが、現在は日本のソフトバンクグループの支配下にあります。
ソフトバンクグループは、2016年にARM Holdingsを約320億ドルで買収しました。これにより、ARMはソフトバンクグループの子会社となりました。
一時、ソフトバンクはARMをアメリカのNVIDIAに売却しようとしましたが、各国の規制当局の承認が得られず、2022年にこの取引は破談となりました。そのため、現在もARMはソフトバンクグループの傘下にあります。
ARMは、そのプロセッサ設計がスマートフォン、タブレット、そして最近ではPCやサーバーなど、幅広いデバイスで使用されていることから、半導体業界において非常に重要な存在です。
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⁉️クエスト3
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ということはAppleはソフトバンクに首根っこを押さえられているのですか?
結論から言うと、Appleがソフトバンクに「首根っこを押さえられている」とまでは言えません。しかし、AppleはARMの技術に大きく依存しており、その意味でARM(ひいては現在のオーナーであるソフトバンクグループ)との関係は非常に重要です。
もう少し詳しく見ていきましょう。
ARMのビジネスモデル: ARMはチップそのものを製造しているわけではありません。彼らはCPUの設計図である「アーキテクチャ」や、特定のCPUコアの「IP(知的財産)」を開発し、それをAppleやQualcomm、Samsungなどの半導体メーカーにライセンス供与しています。これらのメーカーは、ARMのIPをベースにして、自社で独自のチップを設計・製造します。
AppleとARMの関係: Appleは、非常に早い段階からARMと深く関わってきました。ARMは1990年に設立されましたが、その共同創設企業の一つにAppleも名を連ねています。AppleはARMのアーキテクチャをライセンスし、それを基に自社でAシリーズ(iPhone, iPad向け)やMシリーズ(Mac向け)といった高性能なSoC(System on a Chip)を設計しています。
ライセンス契約: AppleはARMから「アーキテクチャライセンス」という、最も強力で高価なライセンスを取得しています。これにより、AppleはARMの命令セットアーキテクチャ(ISA)を自由に利用し、独自にCPUコアを設計・最適化することができます。他の多くの企業は、ARMが提供する既製のCortexコアをライセンスして利用することが多いので、AppleはARMの技術を最も深く、かつ柔軟に利用できる立場にあると言えます。
長期的な契約: 2023年には、AppleがARMとのチップ技術に関する契約を「2040年以降まで延長する」と発表されました。これは、Appleが今後も長期にわたってARMアーキテクチャに依存していくことを示唆しています。
ロイヤリティ: AppleはARMに対して、チップ1枚あたりのロイヤリティ(使用料)を支払っています。報道によると、Appleは競合他社と比較して非常に低いロイヤリティ(1チップあたり30セント未満)を支払っているとされています。これは、Appleが大量のチップを製造することや、長年のパートナーシップによる交渉力の結果と考えられます。
なぜ「首根っこを押さえられている」とは言えないのか?
Appleの設計能力: AppleはARMのアーキテクチャを基盤としつつも、自社で非常に高性能なCPUコアを設計する能力を持っています。彼らのチップは、ARMが提供する汎用的なIPとは一線を画すパフォーマンスを発揮しています。もしARMとの関係が悪化しても、Appleが代替のアーキテクチャ(例えばRISC-Vなど)に移行する可能性はゼロではありません。ただし、その移行には莫大な時間とコスト、そしてエコシステムの再構築が必要になるため、現実的には非常に難しい選択肢です。
交渉力: Appleは世界で最も影響力のあるテック企業の一つであり、ARMにとっても非常に大きな顧客です。そのため、ロイヤリティの額を見てもわかるように、AppleはARMに対して非常に強い交渉力を持っています。
要するに、AppleはARMの基盤技術なしには現在の高性能チップを開発できませんが、その関係性は単なる「依存」ではなく、長年のパートナーシップとAppleの強力な設計・交渉力によって成り立っていると言えます。ソフトバンクがARMのオーナーであることは事実ですが、それが直接的にAppleのビジネスを左右するほどの影響力を持っているわけではありません。
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⁉️クエスト4
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ARMのシェアはインテルやAMDに較べていかほどですか?
ChotGPL
ARM、Intel、AMDのCPUシェアは、どの市場セグメントを見るかによって大きく異なります。それぞれの分野での状況を見ていきましょう。
1. スマートフォン・タブレット市場
ARMが圧倒的です。
スマートフォンやタブレットに搭載されているCPUは、ほぼ100%がARMアーキテクチャに基づいています。iPhoneのApple Silicon(Aシリーズ、Mシリーズの一部)、Qualcomm Snapdragon、Samsung Exynos、MediaTekなどの主要なモバイルSoCはすべてARMの設計をライセンスして作られています。
この市場では、IntelやAMDのCPUはほとんど使われていません。
2. PC市場(デスクトップ・ノートブック)
これまでIntelとAMD(x86アーキテクチャ)が圧倒的なシェアを占めてきましたが、近年ARMの存在感が増しています。
現状(2024年~2025年前半時点):
IntelとAMD(x86): デスクトップPCとノートPCでは、依然としてIntelとAMDが大部分のシェアを占めています。例えば、2024年第4四半期のデスクトップCPU市場では、AMDが27.1%のシェアを獲得し、Intelが残りの大部分(約65%前後)を占めているといったデータがあります。
ARM: AppleのMシリーズチップを搭載したMacがPC市場で成功を収めていますが、Windows PC市場においては、ARMベースのPC(Qualcomm Snapdragon X Eliteなどを搭載した製品)はまだ数%程度のシェアに留まっています。
今後の予測:
ARMのCEOは、2029年までにWindows PC市場におけるARMプロセッサのシェアが50%を超えると考えていると発言しています。これは、QualcommのSnapdragon Xシリーズなどの登場により、Windows on ARMが本格化することを見込んだ強気な予測です。
つまり、現在の時点ではIntelとAMDが優勢ですが、将来的にはPC市場でもARMが大きなシェアを獲得する可能性を秘めています。
3. サーバー・データセンター市場
サーバー市場もこれまでIntelが圧倒的なシェアを占めていましたが、近年AMDがシェアを伸ばし、さらにARMベースのプロセッサも急速に存在感を高めています。
現状(2024年~2025年前半時点):
Intel: まだサーバーCPU市場の大部分をIntelが占めています(Xeonプロセッサ)。
AMD: AMDのEPYCプロセッサが、Intelから着実にシェアを奪っており、例えば2025年前半にはサーバー市場の収益シェアで39.4%を記録したという情報もあります。
ARM: ARMは、サーバー市場では比較的新しいプレイヤーですが、AmazonのGraviton(AWS)、NVIDIAのGrace CPU、Ampere ComputingなどのARMベースのプロセッサが登場し、特にクラウドサービスプロバイダーで採用が進んでいます。ARMは、データセンター向けCPU市場におけるシェアが2024年の約15%から、2025年末には50%に急増するという野心的な目標を掲げています。AIブームによる需要増と、ARMの電力効率の高さが追い風になっています。
4. その他の市場(組み込み機器、IoT、自動車など)
ARMが圧倒的です。 非常に多くの組み込みシステム、IoTデバイス、ネットワーク機器、そして自動車(車載ECU)のプロセッサはARMアーキテクチャに基づいています。特に自動車搭載プロセッサでは、70%以上のシェアを持つとされています。
これらの分野では、省電力性やサイズ、コストが重視されるため、ARMの設計が非常に有利です。
まとめ
スマートフォン・タブレット、組み込み機器、自動車: ARMが圧倒的なシェアを持っています。
PC: 現状はIntelとAMD(x86)が主流ですが、ARMが急速にシェアを拡大しており、将来的に大きな変化が見込まれます。
サーバー・データセンター: Intelが優勢だった市場ですが、AMDが追随し、ARMも高い目標を掲げて急速にシェアを伸ばしています。
このように、市場セグメントによって各社のシェアは大きく異なります。ARMは「デバイスの頭脳」としての地位を確立し、モバイル分野での圧倒的な強さを背景に、PCやサーバーといったこれまでx86が支配的だった市場にも本格的に進出しています。
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⁉️クエスト5
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ChotGPL
企業単体での売上高と、それぞれのビジネスモデルを考慮して見ていきましょう。
ARM Holdings (アーム・ホールディングス) の売上高
ARMのビジネスモデルは、半導体設計のIP(知的財産)をライセンス供与することであり、自社でチップを製造・販売するわけではありません。そのため、売上高はチップメーカーに比べると小さいですが、利益率は非常に高いのが特徴です。
2021年度: 約27億米ドル(前期比35%増)。このうち、ロイヤルティ収入が15.4億米ドル、ライセンス(非ロイヤティ)収入が11.3億米ドル。
2023年度: 約26.79億米ドル。
2025年度ガイダンス: 38億~41億ドルを維持する見込み。
ARMは、今後のAI、PC、データセンター市場への戦略的拡大により、2026年度までの予想収益年平均成長率は26.2%と見込まれています。
Intel (インテル) の売上高
Intelは、CPUを設計・製造・販売する統合型デバイスメーカー(IDM)です。PCやサーバー向けのCPUが主力です。
2021年度: 790.24億ドル
2022年度: 630.54億ドル(前年比20%減)
2023年度: 542.28億ドル(前年比14%減)
2023年度は市場全体の需要減少、特にノートPCやデスクトップPCの販売減少が影響しました。
2024年第1四半期(1月~3月): 153億ドル(前年同期比約9%増)
直近の四半期(2025年第1四半期): 141.58億ドル(約1.4兆円)
近年はPC市場の低迷やデータセンター市場での競争激化により売上高は減少傾向にありましたが、最近では回復の兆しが見られます。
AMD (Advanced Micro Devices) の売上高
AMDもIntelと同様に、CPUとGPUを設計・販売しています。近年、データセンター向けCPUやGPUの需要が増加し、Intelからのシェア奪還に成功しています。
2021年度: 164.34億ドル
2022年度: 236.01億ドル(前年比43.6%増)
2023年度: 226.80億ドル(前年比3.9%減)
2024年度(予想): 257.85億ドル
直近の四半期(2025年第1四半期): 74.38億ドル(約1.1兆円、前年同期比35.9%増)
特にデータセンター向けとAI関連の需要が売上を牽引しています。
Qualcomm (クアルコム) の売上高
Qualcommは、モバイル向けSoC(Snapdragonなど)の設計・販売と、無線通信技術の特許ライセンス供与(QTL事業)が主な収益源です。
2022年度: 442.00億ドル
2023年度: 370.00億ドル(予想)
2024年度(予想): 389.62億ドル
直近の四半期(2025年第2四半期): 109億ドル(約1.6兆円、前年同期比17%増)
スマートフォン市場の動向に大きく左右されますが、IoTや自動車分野への事業拡大も進めています。
Apple (Apple Silicon関連の売上高)
Appleは自社でチップを設計していますが、そのチップ単体での売上高は公開していません。Apple Siliconは、iPhone、iPad、Macなどの製品に組み込まれて販売されるため、その売上は各製品カテゴリの売上に含まれます。
例えば、iPhoneやMacの売上が好調であれば、それはApple Siliconの成功に起因すると考えられます。
Apple全体の売上高(参考):
2023年度(9月期):3832億ドル
まとめ
IntelとAMD: 数百億ドル規模の売上高があり、特にPCやサーバー市場での直接的な競争が激しいです。近年、AMDがシェアと売上を伸ばしています。
Qualcomm: 数百億ドル規模の売上高があり、モバイル市場で圧倒的な存在感を誇ります。
ARM: 数十億ドル規模の売上高ですが、IPライセンスという性質上、非常に高い利益率を誇ります。その技術がなければ、上記のような企業がチップを開発できないという点で、非常に重要な位置を占めています。
Apple Silicon: Appleの製品売上の中に組み込まれており、単体の売上は不明ですが、Appleの製品の成功に大きく貢献しています。
各社の売上高は、それぞれのビジネスモデル、市場セグメント、そして半導体サイクルの影響を大きく受けて変動します。
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⁉️クエスト6
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ChotGPL
おっしゃる通り、「世の中スマホまみれ」という印象とは裏腹に、スマートフォンの製造・販売は、多くのメーカーにとって「儲けが少ない」ビジネスになりつつあります。これは非常に重要なポイントで、いくつかの理由があります。
スマートフォン市場が「儲けが少ない」と感じられる理由
市場の成熟と飽和:
世界の多くの地域で、スマートフォンはすでに普及しきっています。多くの人がスマートフォンを所有しており、新規購入よりも買い替え需要が中心です。
買い替えサイクルも長期化しており、2年程度で買い替える消費者は減っています。技術的な進歩が頭打ちになり、旧モデルでも十分に使えるため、消費者が高頻度で買い替えるモチベーションが低下しています。
この成熟した市場では、メーカー間の競争が非常に激しく、価格競争に陥りやすくなります。
激しい価格競争とコモディティ化:
特にAndroidスマートフォン市場では、数多くのメーカーがひしめき合っています。中国メーカーの台頭(Xiaomi、OPPO、vivoなど)により、高性能なモデルでも価格が抑えられる傾向が強まりました。
これにより、ハードウェアの差別化が難しくなり、価格が最も重要な競争要因の一つになっています。結果として、各メーカーの利益率は圧迫されます。
部品コストの高騰:
高性能なカメラ、高精細なディスプレイ、大容量バッテリー、そして高性能なSoC(Apple SiliconやSnapdragonなど)など、スマートフォンの部品は年々高機能化しており、それに伴って部品コストも上昇しています。
一方で、製品の最終販売価格を大幅に引き上げにくいというジレンマがあります。
研究開発費とマーケティング費用:
新しい技術(折りたたみスマホ、AI機能など)の開発には莫大な研究開発費がかかります。
さらに、激しい競争の中で自社の製品を消費者にアピールするためには、多額のマーケティング費用が必要です。
AppleのiPhoneとAndroidスマートフォンの違い
この「儲けが少ない」という話は、特にAndroidスマートフォンメーカーに当てはまることが多いです。
Apple (iPhone):
Appleは、高いブランド力、強力なエコシステム(App Store、iCloud、Apple Musicなど)、そしてプレミアムな製品戦略により、非常に高い利益率を維持しています。
iPhoneの粗利率は非常に高く、推定で約40%以上と言われることもあります。また、サービス部門の利益率が約70%と非常に高く、全体的なAppleの利益率を大きく押し上げています。
Appleは「垂直統合」モデルであり、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを自社でコントロールしているため、収益構造が他社とは異なります。
Androidスマートフォンメーカー (Samsung, Xiaomi, etc.):
多くのAndroidメーカーは、Appleほどのブランド力やエコシステムを持たず、激しい価格競争に巻き込まれがちです。
ハイエンドモデルでは利益を出せても、ミドルレンジやローエンドモデルでは利益率が非常に低い、あるいは赤字に近い状態で販売しているケースも少なくありません。
特にサムスンは、自社でディスプレイやメモリなどの部品を製造できる強みがありますが、それでも利益率はAppleほど高くありません。
まとめ
「世の中スマホまみれ」なのは事実ですが、それは必ずしも「スマホの製造・販売が全て儲かる」ということを意味しません。多くの消費者が手の届きやすい価格でスマートフォンを求めるため、メーカーは薄利多売の状況に陥りやすく、結果的に多くの企業にとって利益を出すのが難しい市場になっています。
その中で、Appleは独自の戦略と強力なブランド力で高収益を維持していますが、他の多くのスマートフォンメーカーは、厳しい競争と低い利益率の中で戦っているのが実情です。
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⁉️クエスト7
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AndroidもARMですか?
ChotGPL
はい、ほとんどのAndroidスマートフォンやタブレットは、ARMアーキテクチャのCPUを搭載しています。
AppleのiPhoneが自社設計のARMベースチップ(Aシリーズ、Mシリーズ)を使っているのと同様に、Androidデバイスの主要なチップセットメーカー(QualcommのSnapdragon、SamsungのExynos、MediaTekのDimensityなど)も、ARMの命令セットアーキテクチャをライセンスして、自社でCPUコアやSoC(System on a Chip)を設計・製造しています。
なぜARMが主流なのか?
電力効率: ARMアーキテクチャは、元々低消費電力で動作するように設計されています。これは、バッテリー駆動が基本となるモバイルデバイスにとって非常に重要な要素です。
パフォーマンスとサイズ: 消費電力を抑えつつも、十分な処理性能を提供できる点が、小型化が求められるスマートフォンに適しています。
エコシステム: ARMはモバイルデバイスの分野で長年の実績があり、OS(Androidを含む)、アプリケーション開発ツール、ドライバー、その他関連技術の広大なエコシステムが確立されています。
過去にはx86ベースのAndroidデバイスも
ごく一部のAndroidデバイスでは、かつてIntelのx86ベースのAtomプロセッサが採用されていた時期もありました(例:ASUSのZenfoneの一部モデル)。しかし、Intelがモバイル市場での競争に敗れ、Atomシリーズの開発を縮小したため、現在ではほとんど見かけなくなりました。
現在のAndroidデバイスのCPUアーキテクチャ
ARMv7 (armeabi): 古い32ビットのAndroidデバイスでよく使われていました。
ARM64 (AArch64 / arm64): 現在のほとんどのAndroidスマートフォンやタブレットで主流となっている64ビットのARMアーキテクチャです。より高性能で、より多くのメモリを扱えます。
x86/x86_64: ごく一部のAndroidエミュレーターや、過去の特定のデバイスで使われていましたが、非常にマイノリティです。
したがって、AndroidデバイスのCPUは、ほぼ例外なくARMアーキテクチャをベースにしていると考えて間違いありません。
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