水政策チェック(WAPOC)ブログ

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ヨルダンへの浄水施設改善計画へのODA

2007年07月27日 | 上水道
アジア太平洋水サミットが近づいてきたからか、水関連のODA拠出が増えているような気がします。下の記事もその一例です。

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外務省、ヨルダンへの無償資金協力を発表
IB Times

 25日、外務省は、日本政府がヨルダン政府に対し、「第二次ザルカ地区上水道施設改善計画」の実施を目的として、6億6800万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力を行うことに関する書簡交換が、同国の首都アンマンにて、加藤重信駐ヨルダン大使とスハイル・アリ計画・国際協力大臣との間で行われたと発表した。

 ヨルダンは、中東の非産油国で、人口約535万人(2005年世銀)の7割以上をパレスチナ系住民が占めている。中東地域の安定確保の鍵を握る重要な国であり、中東和平プロセスに積極的な役割を果たす一方で、パレスチナ情勢やイラク情勢等の影響を受けやすい脆弱な社会・経済構造を有している。日本政府は、同国の経済構造改革への積極的な取り組みを評価するとともに、同国を中東における日本政府援助の重点国と位置付け援助を実施している。

 ヨルダンの国土の約80%は砂漠または荒地であり、国民1人あたりの年間水資源賦存量(水資源として理論上人間が最大限利用可能な水の量)は世界平均の7700m2に対し200m2以下と極端に少ない上、急速な人口増加により水不足は深刻化している。

 首都アンマンの北東35kmに位置するザルカ地区は、ザルカ市、ルセイファ市、ハシミエ市、スフナ市からなる有数の工業地域であるとともに、パレスチナ難民や、イラク戦争後は多くのイラク人が同地区に流入しており人口増加が著しい。ヨルダン政府は、配水管網の敷設替えなどを実施してきているが、近年では高台に住宅地が拡大されていることから、これまでの給水方法では高い給水圧を必要とするため、配水管の破裂や漏水などの問題が懸念されており、自然流下による送水と適切な配水区の設定による改善が必要とされている。

 このような状況の下、同国政府は、ザルカ市、ハシミエ市及びスフナ市を対象とした「第二次ザルカ地区上水道施設改善計画」を策定し、日本政府に対し無償資金協力を要請してきた。

 外務省では、同計画の実施により、配水区が設定され適切な給水圧が確保されることで漏水率が改善し、水配分計画が適切に実施されることで同地区の37万4000人の1日あたりの水使用量が84リットルから113リットルに増加し、給水状況の改善が期待されるとしている。