初代若隠居への道

夢は若隠居。平日昼間に歌舞伎座行ったり寄席に行ったり博物館で昼寝するような生活がしたい。

行政書士試験

2010年02月12日 18時50分08秒 | 仕事・就職活動
※この記事は新ブログに掲載していたものですが、ブログ全体からこの記事だけ浮いているので、アーカイブとして古いブログに移し替えました。
単純に削除することも考えたのですが、アクセス数の多い記事で、受験者の皆様の参考になるのならと、残しておくことにしました。

東京での1人暮らしを解消し、実家に帰ることになった時、「独立開業できる資格を取得しよう!」と思い立ったのが始まりだった。

資格は色々あるけれど、独立開業できて、人生を棒に振るかもしれない位勉強しなくても受かりそうな資格、ということで候補に挙がったのが「行政書士」と「司法書士」の二つ。
迷った末、とりあえず行政書士を受けて、その感触で自分が法律と相性が良いか悪いか見極めて、悪くなかったら司法書士に挑戦してみよう、という慎重かつ無難かつモラトリアムな結論に至った。

以下、備忘録目的の行政書士受験体験記

2009年5月
行政書士試験の受験を考え始める。
この頃はまだ司法書士をいきなり目指す選択肢も捨てていなかったので、
「行政書士をめざす人の本」と「司法書士をめざす人の本」を読み比べてみたりする。

6月
「うかる!行政書士入門ゼミ」を読み始める。
これを選んだ理由:法律ド素人の私でも知っている「伊藤塾」の本だから。
安易。
この本が良いかどうかは分からない。なぜなら他の入門書を読んでいないから。
6月~7月にかけて3回位読みました。

まだ若干司法書士に未練があったので、
「山村拓也の司法書士試験・要説 講義再現版 (司法書士試験シリーズ 初歩から学べる11科目) 」
も読みました。
これはお勧めです。特に民法の契約の辺りは、↑の入門ゼミよりよっぽど分かりやすかったです。
やはり6月~7月にかけて2回位読みました。

7月
「うかる! 行政書士 総合テキスト」を読み始める。
選んだ理由:入門ゼミと同じシリーズだから。
やっぱり安易。

セカンドオピニオン的本として「わかる行政書士基本書」も買う。
選んだ理由:本屋で見てなんとなく。
「なんとなく」は大事。

「うかる!」で不明なところを「わかる」で調べてみると分かったりすることがある。
でも本の編集として「うかる!」の方が好きなので基本書はこっち。

多分、どの本を使って勉強しても同じです。
だって試験で大切なのは、どの本にも同じように書いてある事だけだから。
全部を完璧に理解する必要はないんです。

ということで「うかる!」を読む。
1回目:とにかく読む。ひたすら読む。分からなくても読み進める。
2回目:じっくり読む。分からないところは「わかる」を参照してみる。それでも分からなかったら捨てる。

8月
TACの「行政書士 一発合格シリーズ 肢別問題集」を始める。
どこかのWebでおすすめと書いてあったから。
確かにこの問題集はいいです。
テンポよく勉強できるし、解説も詳しいです。
私は途中から書き込みは基本書ではなくこの問題集にしていました。
この問題集さえ完璧にこなせば合格率は相当高くなると思います。

並行して「うかる!」の3回目に入っていました。
過去問を意識しつつ読む、という感じです。
基本書で読んだ内容と、問題集の内容を合わせるということはしませんでした。
別分野のことをやった方が脳への刺激になるし、基本書と問題集は編集が違うので、リンクさせてスケジュールを組むとめんどくさいのです。こなすべきページ数を単純に区切ってやった方が私はやりやすかったです。

9月
引き続き基本書と肢別問題集。
割合としては、
8月 基本書:問題集=2:1
9月 基本書:問題集=1:2

10月
過去問集と予想試験問題集を買ってきて、日曜日の試験時間に合わせて自宅で1人模擬試験を実施。
ぜんっぜん合格ラインに届かない。
でも問題ができないことより、試験時間が長いことの方が苦痛だった。
日曜以外の日は、問題を解き直したり、解説を読んだりしてました。

11月
試験直前。
ものすごく精神的に不安定になってなぜか激しく落ち込みの波が襲って来た。
多分試験勉強のためにしばらく遊びに行くのを控えていたからストレスが溜まっていたのだと思う。

試験当日。
緊張より、これが終わったら解放されるんだーという気持ちの方が強かった。
実際、終わった瞬間ものすごくハッピーになった。
もう二度とこんなことしたくないと思いました。
手応えは五分五分。
法令はそこそこできた気がするけど、一般知識が危ないと思いました。
一般知識の足きりにさえひっかからなければ大丈夫だろうという感じです。
記述式はできたのかできなかったのか、それすら分からなかったので、多分できてなかったと思います。
速報で自己採点はしませんでした。
そんな怖いことできるかいな。

2010年1月
合格発表。
あっさりと自分の番号が見つかる。
やったー!というよりは、あらまぁ、受かっちゃったよ、ホントかよ。という感じ。
何はともあれ良かった良かった。
点数は意外と余裕の210点。
択一155点、記述16点、一般知識44点でした。

お引っ越し

2008年07月25日 10時12分29秒 | つぶやき
ブログをお引っ越ししようと思う。

http://wakainkyo.blog.so-net.ne.jp/

ちょっと使ってみたけど、いまいち使い勝手が良くないような気がする。
慣れれば平気かな。

またこっちに戻ってくるかもね。

おべんと持って裁判所へ行こう

2008年07月24日 20時46分30秒 | 裁判傍聴
今日は午前中から東京地裁へ。

以前に傍聴した準強制わいせつの判決を聞く。
鍼灸師が施術中に女子高校生に対してわいせつ行為に及んだという事件。
判決、2年の実刑。
無罪を主張していた被告人は控訴するのだろうか?
ちょっと気になる。

お昼まで時間があったので、放火の事件を傍聴する。
刑事さんを全面的に信頼していて、言われた通りの調書にしたらこんなことになっちゃった、と主張する。
よく聞く話だけれど、よくあることなの?
そこんとこ本当はどうなの?

お昼は家から持って来たおにぎりと浅漬けという質素な食事を取る。
友達と合流して、続けて傍聴している集団強姦の法廷へ。
ちょっと早めに入って来た被告人のふてぶてしい顔を見て驚く。
「被告人、顔変わったよね?」
「うん、私もそう思う」
裁判官は一人しか入って来ない。私の大好きなあの人は!?
「え、裁判長だけ?」
「あの裁判官がいないなんて!」
裁判長は突然判決を言い渡す。
・・・なんだ、別の事件か。
ああ、びっくりした。
被告人は裁判の不利を確信してやさぐれて人格変わっちゃったのかと思ったよ。

一度閉廷し、改めて三人の裁判官が入って来て集団強姦の法廷が始まる。
弁護人が上申書や嘆願書を証拠取り調べ請求するところで、被告人はボロボロ泣き出す。
こんなことは初めてだ。
被告人の父親が情状証人として証言している間も被告人は泣き通し。
証人も泣きながら証言。
法廷はやや白け気味。

証人の後は被告人質問。
主張し忘れた事を裁判長に指摘されるようなうっかりぼんやりした弁護人が、ここで被告人を泣かせることに熱意を燃やす。
弁「あなたには奥さんと2人のお子さんがいますね?」
被「はい」
弁「お子さんは何歳ですか?」
被「8月で3歳と、今年の2月に生まれたばかりです」
弁「あなたがもし刑務所へ行くことになって、例えば2、3年経ってから戻って来たあなたを、下のお子さんはお父さんだと分かるでしょうか?」
被「分かりません(ここで泣き崩れる)」
このやりとりを見ていると、可哀想だから刑を軽くしてあげようという気持ちより、可哀想だからあんまり泣かせるなよ、弁護士、という気持ちになる。
ぼやっとしているくせにいじめるのはうまい。

自分は被害者に直接手を出してはいない、という被告人の主張に対して、裁判長は明らかに懐疑的だ。
「被害者が君たちの目の前で証言しなきゃいけないのはどんな気持ちか分かりますか?イチから思い出して証言する気持ちがあなたに分かりますか?少しはその気持ちも考えなさい」
つまり、それくらい相当な覚悟で証言した被害者が言ってるんだから、その通りのはずでしょ、ってことらしい。

検察側の求刑は懲役4年の実刑。
判決は一ヶ月後。
さて、判決はどうなりますやら。
そしてその頃も私は依然として裁判傍聴する無職でいるのでしょうか・・・?
どちらも気になる。

裁判所を後にして、友達とお茶をする。
話すのはいつものように裁判のこと、小説のこと、仕事のこと。
「無職小川の会」とは、読書会のことではなくて、こういう会を言うのではないかしらん。



エントロピーが増大する

2008年07月24日 07時30分00秒 | 
「ほんとうの環境問題」を読んだ。

地球温暖化はCO2が原因ではない!という説があることは知っていた。
間伐材の多い日本において割り箸は実は資源の有効利用である、ということも知っていた。
銀座松屋でアニヤ・ハインドマーチのエコバッグを買うために長蛇の列を作る人々を見てなんだか気味が悪かった。

ここいらで社会通説に反対する意見でも聞いてみようかと思ってこの本を読んでみた。
なーんだ、CO2削減の話は環境問題でもなんでもなくて、単なる政治的な駆け引きだったのか。
京都議定書なんてさっさと下りちまえ、と主張する。
現在予測されている程度の海面上昇なんて日本にはほとんど何の被害も及ぼさない。
北極のシロクマ?地球は今よりずっと温かかった時代もあったけど、あいつらちゃんと適応して生き延びてるじゃないか。
そんなことより、日本はエネルギー戦略と食料問題を長期的視野で真剣に考えるべきだ。
環境問題とはつまりはエネルギーと食料の問題なのだ!
・・・ということらしいです。

養老先生の意見は面白いくらい極端で刺激的で鋭い。
そんな養老先生が好きだからこそ、やたらと「文科系の人間は分かってない」というようなことを言われると、まさに文科系人間の私は結構傷付いてしまったりもする。
だけどね、文科系人間の私にしてみれば「エントロピーが増大する」とか言われると、これだから理系人間はよぉ・・・、という気持ちがしないでもないのですよ。
エントロピーの概念をちゃんと理解している人ってそんなに多くないと思うんだけどなぁ。

ともかく、ちょっと過熱気味の温暖化問題について、違った視点で改めて見てみるのに良い本だと思います。
子供が生まれてから途端に急進的エコロジストになった姉に是非読ませたい。
だけど「あんたちょっとマスコミに洗脳され過ぎてるからこれ読んで少し頭冷やしな」とは言えないので、何と言って渡すか難しいところです。

魔性の街、上野

2008年07月23日 18時21分18秒 | 美術展/展覧会
国立博物館で「対決 巨匠たちの日本美術」を見て来た。

以下、私の好み。

運慶 vs 快慶
地蔵菩薩対決なので、動きがなくてやや物足りない。
やっぱりお二人の魅力は躍動する肉体美ですよ!
あえて選ぶとしたら快慶かなぁ。

雪舟 vs 雪村
雪舟に軍配。
梅下寿老図が気に入った。
日本画なんだけど中国風でもあり、色合いにどことなくミュシャを連想させるところがあったりもする不思議な絵。
慧可断臂図は有名なので印刷物では何度も見たことがあるけれど、おおこれが本物かとちょっと感動した。

永徳 vs 等伯
特に勝敗はなし。
実はあまり記憶にない。

長次郎 vs 光悦
焼き物はよく分からない。
あえて選ぶなら長次郎かなぁ。

宗達 vs 光琳
宗達が好きさ!
どこかで見たことのある襖絵だなぁ、と思ったら、一昨年の夏に行った養源院の襖絵であった。
この養源院というのは三十三間堂の裏にある地味なお寺で、案内板がなかったら古い農家にしか見えない。
中では寺の一部になっているようなおばあちゃんが一人で拝観料の受け取りから解説までこなしている。
この寺にはちょっと他所では見られないような生々しく人型を残した血天井があって、それをおばあちゃんが淡々と説明してくれる。
文化財保護のためか、内部に照明らしい照明はなく、昼間でも薄暗い。
廊下を歩けば鶯張りの床が鳴く。
天井には血の跡。
客は私たちしかいない。
出口に座るおばあちゃんがニヤリと笑った・・・ような気がした。
そんなお寺なのだけれど、実は宗達のお宝がたくさん。
白象図は本当にすばらしいです!モダンでオッシャレー。
お勧め穴場のお寺です。

仁清 vs 乾山
だから焼き物はよく分からないんだってば。
どっちも良かったよ。

円空 vs 木喰
私は元から円空師匠のファンです。
今回の展示にはないけれど、円空師匠の薬師如来、日光菩薩、月光菩薩は最高です。
この仏様を見ると、皆微笑む。
「笑ってるね」と言って、誰もがつられて微笑む。
本当です。なぜか反射的に微笑んでしまうのです。
微笑んでいる人々の顔を見て、私はこの仏様の威力を思い知ったのでした。
私はひどく落ち込んだ時はこの仏様の写真を眺めます。
その笑顔を見ているとなぜか涙が出てきて、何に対するのか判然としないながらも感謝の気持ちでいっぱいになるのです。
私は敬虔な仏教徒ではないのですが本当に不思議です。
もし刑務所に入るようなことになったら一緒に入って欲しい仏様です。

大雅 vs 蕪村
大雅お得意の、点で葉っぱを描く木々の描き方が好きです。
数年前に真似して暑中見舞いを描いたことがあります。
ただの適当な絵になってしまいました。
大雅はすごいよ。

若冲 vs 蕭白
若冲大好きなんだけど、今回の展示では蕭白の方が好きだな。
エキセントリック!
寒山拾得図屏風の異様な雰囲気が特に好き。
これを見ながら、とある小説の一場面を思い出した。
俺とお前は寒山拾得だ。さあ、笑え。笑えったら笑え。と友人に強要する場面。
漱石先生の小説だったような気がするんだけど、思い出せない。
誰か教えてくれ。

応挙 vs 芦雪
どっちも虎がすごい。
応挙の虎の毛皮の質感が見事!絵筆の毛の一本一本と同じ位の細さで毛皮の一本一本を描いている。一体どうやって描いたんだ?
だけど私の好みはまるで今にも飛び出しそうな芦雪の虎。
遠近法を極端にデフォルメした躍動感溢れる虎。
私が天下を望む権力者だったら、自分の後ろにこの襖を置くね。
天下くらい簡単に取れそうな勢いがあるよ。

歌麿 vs 写楽
あー、選べない。
どっちも好き。
でもあえて選ぶとしたら写楽かな。
歌舞伎好きだからね。

鉄斎 vs 大観
ここまで時代が下るとあまり興味がなくなってくる。
あえて選ぶなら鉄斎かしら。

国立博物館を出た後は、いつものコースで西洋美術館のレストラン「すいれん」へ。
ここのランチコースがお気に入り。
スープ、サラダ、パン、メイン、デザート、ドリンクで1600円は安い。
中庭を望む開放的で明るい店内も落ち着くから好き。

昨日ロッテリアの500円を贅沢だと言っていた人が、今日は2300円の図録を躊躇なく買い、1600円のランチコースを当然のように食べる。
上野はまことに魔性の街であるよ。

昨日届いた本

2008年07月23日 07時02分35秒 | 
昨日アマゾンから届いた本。

「ほんとうの環境問題」池田清彦、養老孟司
話題の本「偽善エコロジー」を調べていてアマゾンのクロスセリングに引っ掛かってしまった。
養老先生好きよ。

「老妓抄」岡本かの子
次回無職小川の会の課題本。

「読書の方法」吉本隆明
私がおそらく一生読まないであろう本ばかり並んでいる。

ハローワーク→本屋→東京地裁

2008年07月22日 19時21分44秒 | 裁判傍聴
今日はハローワークの認定日。
儀式を終えてからいつも通り本屋へ。
本棚をざっと流す。
今の私の目に付くキーワードは「漱石」「仏」「ゲイ」「裁判」辺りのようだ。
買ったのは二冊。
「新版 裁判の秘密」
弁護士と法学者による裁判の実体暴露本(?)。
現役弁護士の話は生々しくて面白い。
「Slaughterhouse-Five」
また無謀に原書を買う。
日本語訳でいつか読もうと思っていたんだけど、目安がTOEIC600点ということで、意外と読みやすそうなのでチャレンジ。

本を買ってロッテリアへ行く。
お給料出たからおいしい物たべちゃお、という気分。
たまの贅沢がロッテリア・・・何も言うな。
絶品チーズバーガーは本当に絶品だ。
これはうまい。はまりそうだ。
かつて学生時代にマックのチーズバーガーにはまって一日平均1.5個(持ち帰って更にもう一つ食べる日もあった)食べていたら1週間で3キロ太ったことを思い出し、自分を戒める。

腹ごなしして東京地裁へ。
これもいつも通りのコース。

あまり見たことのない商標法違反の法廷へ行く。
韓国人による偽物ブランド品販売の事件であった。
あまり面白くなさそうだったので10分で退廷して別の法廷へ行く。

危険運転致死の法廷へ。
時速100キロ近い速度で赤信号を無視して対向車線の車に衝突して一人殺してしまった事件。

被告人はおそらく二十歳そこそこと思われる。
ずっと俯いて、答えもはっきりしない。
都合の悪い質問や難しい質問が出るとだんまり。
あまり印象は良くない。

事故の後、被告人はずっと気を失っていたと証言する。
検察に「誰かとケイタイで話していたのではないですか?」と聞かれても否定する。
しかし何度も突っ込まれるうちに会社へ電話していたことを認める。
どうしてここで嘘をつくのかなぁ。
警察官の証言やケイタイの通話記録からはっきりしてしまうことなのに。
検察は一連の質問で、被告人は会社へ電話を掛けるくらい意識がはっきりしていたのにも関わらず、通報もせず被害者を救出しようともせず、警察が来るまで車内に座ったままだったことを明らかにし、被告人の誠意のなさを強調することを目的としていたようだ。

ずっと気を失っていた、と主張したことは裁判長の心証も悪くしたらしい。
裁「どうしてそこで嘘をつくの?」
被「嘘をついたわけではないです」
裁「被害者を救出しなかったことが気に掛かってるんじゃないの?」
被「そういうわけではないです」
バカだねぇ。それじゃ余計に心証を悪くするっての。

被告人の両親が遺族へ謝りに行った件について、被告人は自分がお願いしたと証言したが、被告人の父の証言により、両親の自発的な行動だったことが明らかになり、ここにもウソが見付かる。
やはり被告人の証言は信用できず、誠意がないような印象を受けてしまう。

意見陳述ということで、被害者の奥さんが意見を述べる。
これが実に魂の叫びという感じで、私も思わず涙ぐむ。
事故で突然夫を失った喪失感、痴呆症の父と病気の長男を抱えどれほど夫を頼りにしていたか、夫がいかに自分の生活の大きな部分を占めていたか、その夫を奪われた悲しみ、怒りを切々と訴える。
野次馬のように裁判傍聴している自分が恥ずかしくなるくらい、ご遺族の怒り、悲しみ、絶望は大きい。

検察の求刑は8年の実刑。
対する弁護人は危険運転の法律そのものが基準があやふやな不出来な法律で憲法違反だと主張する。
それしか逃げ道はないんだろうね。
裁判長は「今更あんたの法解釈なんて聞きたくもないよ・・・」といった表情でつまらなさそうに聞いている。

この時点で予定より30分過ぎているにも関わらず、五分で判決を出すと言う。
開廷前からすでに判決は決まっていると言うけれど、さすがにちょっと、それでいいのか?と思ってしまう。
判決、被告人を6年2月の懲役に処す。

人を殺して6年か。
遺族の無念、いかばかりか。

未だに読みかけの本

2008年07月22日 07時49分58秒 | 
なかなか読み終わらないなぁ。

「ご冗談でしょう、ファインマンさん」
上巻の三分の一も読んでない。
つまらなくはないんだけど、なんでかな。

「わが愛しき娘たちよ」
コニーちゃんは短編より長編がいいみたい。

「物理学と神」
物理学の発展に伴う世界観の変化を、神の概念の変化に託して論じた本。
これは面白い。
しかし物理法則の話になると、それが高校物理の教科書レベルであっても私にはとたんに難しくなってしまう。
もう一度勉強し直そうかしら・・・。

巣立ち

2008年07月21日 08時04分57秒 | つぶやき
実家に作られたツバメの巣から3羽のヒナが無事に巣立った。
巣立ったけれど、たまに帰って来る。
おぼつかない羽さばきでその辺をフラフラと飛んでいる。
疲れると3匹並んで電線に止まっていたりする。
かわいい。

フランス文学

2008年07月20日 09時06分52秒 | 
「地下鉄のザジ」を読んだ。
やっぱフランス文学ってよく分かんねーなー、と思いながら読んでいるうちに、だんだんとこのドタバタ喜劇のリズムに乗れるようになってきて、よく分からないながらも結構面白いなーと思っているうちに読み終わった。

マルスリーヌという登場人物がとても魅力的。
こういう、超然とした傍観者は好きだ。
最後の大どんでん返しで驚かせてくれるし。

機会があったら映画版も観てみたい。
でもこういう「言葉」の力を極限まで引き出そうとする実験小説のような類の作品は原文を読むのが一番面白いんだろうな。
フランス語さっぱりだけどさ。

私がフランス文学を読んだ場合、読後の感想は大体次のようになる。
「よく分からないけれど、なんとなく面白かったような気もする」
基本、よく分からない。
私にはフランス人の考えることはよく分からん。

どうしてフランス文学って実験小説のようなものが多いんだろう?
シュルレアリスムが発生するようなお国柄だしね。
セリーヌみたいな作家もいるしね。
以前図書館で見たセリーヌ全集は異様な存在感を放っていた。
表紙、裏表紙、背表紙はすべて真っ黒。そればかりか上下と開く部分(天、地、小口というらしい)まで黒くべったりと染めてある。
こんな本が何冊もずらりと並んでいる様子はまるで黒魔術の秘本のようだった。
思わず一冊借りて読んでみた。
内容はまったく覚えてないけれど、さっぱり分からなかったことだけはよく覚えている。

好みではないけれど、心酔する人がいるのは納得できる。
よく分からないけれど、すごいとは思う。
私にとってフランス文学とはそういうもののようだ。

読みかけの本

2008年07月19日 07時33分19秒 | 
読みかけの本。

「地下鉄のザジ」
映画にもなっている有名なフランス文学。
やっぱりフランス文学はよく分からないなー、と思いつつ読んでいる。

「ご冗談でしょう、ファインマンさん」
予想外にてこずっている。
これって上下巻なんだよね。いつ読み終わるんだろう・・・。

「わが愛しき娘たちよ」
コニーちゃんって初期の頃はこういうフェミニズム臭プンプンの作品を書いていたんだねぇ。
大森さんの訳が少なくて残念。

アシモフのファウンデーションシリーズは一巻目だけ買ってあってまだ手をつけていない。
長いシリーズだから、読み始めたら一気に片付けてしまいたい。

無職小川の会~高等遊民編~

2008年07月18日 20時30分24秒 | 日記
本日は無職小川の会~高等遊民編~を開催した。
柴又の料理屋「川甚」でお昼を食べる。
ここは漱石先生の「彼岸過迄」にも出てくる有名な老舗。
鯉料理が名物です。

入り口には予約客の名前が書き出されている。
「小川様ご一行」ときちんと私たちの分もある。
本当は「無職小川の会様ご一行」としたいところだけれど、さすがにその勇気はなかった。

予約の甲斐あって、二名にも関わらず「さくら」という個室状の席(完全な個室ではない)に案内される。
ここでおいしい料理を食べながら心置きなく裁判傍聴の話をする。
強姦がどうだ、準強制わいせつがどうだ、あの裁判官は可愛いだ、あの検事は怖いだ、好き放題話す。
楽しい。

川甚を出て、帝釈天で雨宿りしつつ、ジョナを目指す。
ここでようやく本来の目的の読書会を開始。
今回のお題はガルシア・マルケスの「予告された殺人の記録」。

花嫁はなぜサンティアゴ・ナサールが相手だと言ったのか?
花嫁の処女を奪った本当の犯人は誰だったのか?
この小説の構成のすばらしさとは具体的にどういう点なのか?
花嫁が事件の後に突然愛に目覚めたのはなぜだったのか?
などなど、話し合う。
小説についてこうして誰かと本気で話し合うという機会は滅多にないので嬉しい。

次回は岡本かの子を読むことにした。
新潮文庫の「老妓抄」です。
メンバーの皆さん(合計2人)は次回までに買って読んでおいてください。

被告になるよりは無職がいい

2008年07月17日 19時11分26秒 | 裁判傍聴
今日も楽しく裁判傍聴へ行って来た。

運良く、以前にも傍聴した集団強姦の続きを聞くことができた。
右陪席は今日も可愛い。
姿を見た途端にニヤニヤしてしまう。

検察による被告人質問の続きから。
途中からなので、なかなか話に入って行けなくてちょっと苦労した。
前回と同じ検察官が相変わらずダラダラと質問をする。
ようやく被告人の証言の矛盾をつく。
被告人の横顔が紅潮した・・・ように見えた。

途中から検察官が交替。
この検察官はやり手だ。
ツッコミが鋭い。
この鋭いツッコミに右陪審はニヤニヤと笑う。
その顔を見て私もニヤニヤと笑う。

検察官は被告人の犯罪意識について畳み掛けるように質問を続ける。
悪い事をしているという気持ちはあったのか?
その場合の悪い事というのは具体的にどういう罪か?
強姦にあなたが関わっていないというのなら、あなたにはどんな罪があると思ったのか?
などなど。
だんだんと被告人の答えがしどろもどろになってくる。

検察官はとどめを刺す。
「あなた、すでにこの時点で自分の言っている事がどんどん変わっているの、分かってますか?」
「そう、ですか・・・」
「言っている事が変わっているという自覚はありますか?」
「はい」←圧倒されてすでに混乱していると思われる。
「それで信用してもらえると思っていますか?」
「信用っていうか、自分は何もしていないっていうのがあるんで・・・」
「言い逃れしようとしてるんじゃないんですか」
「そういうことはないです」
「以上です!」

この後、弁護人による質問があったけど、一体何を狙ったものなのか分からなかった。
この被告人と弁護人の間に信頼関係はないな、と思った。

続いて左陪席から質問。
取調期間中に弁護人とはどんな話をしたのか、というような内容だったと思う。
右陪席からの質問はなし。
つまんなーい!楽しみにしてたのに!!

最後、裁判長から質問。
10日か20日で出してあげるから言われた通りの調書にしろと刑事に言われた、という点について質問。
被告人の答えに、裁判長は首を捻る。
明らかに信じていない。
裁判長にこれやられちゃうと、被告人にとって精神的ダメージは大きいだろうな。
終いには裁判長「言っていることが分からない」と切り捨てる。
裁「あなたずっとその場にいてね、これから何が行われるのかまったく関心がないの?」
被「その時には、なかったです」
裁「関心を持たなかったということを、あなたは恥ずかしいとは思わないの?」
被「今は恥ずかしいと思います」
裁「集団強姦っていうのはあなたたちにとっては日常的なことなの?」
被「いえ、そんなことはないです」
裁「その異常な状況について、ほとんど覚えていないというのはどういうことなの?」
被「その時は大麻のせいで頭がぼんやりしていて・・・」
裁「大麻のせいにするつもりなの」
被「大麻のせいっていうか・・・」
ここで裁判長のとどめの一撃。
「あなたが法廷で言ってることはね、全然伝わって来ないんですよ」
被告人は放心したような顔で元の席に戻った。

さてどうなるのか!?
次回も是非聞きに行こうと思います!

帰って来たらSE職のごめんなさいメールが来ていた。
まあ、きっと、これでいいんだよ。
多分、これでいいんだよ。
へこたれない!!

熱い仕事

2008年07月17日 10時58分24秒 | 
関満博「現場主義の知的生産法」を読んだ。

関先生はNHKラジオ朝一番のビジネス展望というコーナーに登場して、地域産業や中小企業の現場の話をしてくれる。
地方で頑張る熱い人々の話を聞くと、いつも希望と元気が湧いてくる。
日本の底力は地方と中小企業にある!と思う。

そこで、ラジオだけじゃなくて本も読んでみたいと思って、読んだ本。
ちょっとハウツー本っぽいタイトルなんだけれど、内容は具体例がほとんどで、読み物としてなかなか面白い。
「現場」を調査するだけではなく、「思い」を共有し、一緒に成長していこう、という熱いスタイル。
先生自身と現場の双方の熱いエネルギーのうねりのようなものを感じて、こっちまで熱くなってくる。
自分もその場に身を投じてみたいと思うようになる。
人生と情熱を掛けたいと思う仕事に出会えるってすばらしいことだな。
私もいつかそんな熱い思いで仕事をしてみたい。

次は関先生の現場調査報告書を読んでみよう。

焦りは禁物

2008年07月16日 16時19分11秒 | 仕事・就職活動
頭の半分でゴとの戦いの戦略を練りつつ、今日もSE職の面接へ。

私は比較的方向感覚が良い方だと思っている。
しかも、その駅は何度か利用したことがある駅。
まず、迷うことはないはず、だった。
ところが迷った。まったく正反対の方向へ行っていた。
これはいけない。
こういう場合、ほぼ間違いなくその会社とは相性が良くない。

そんな先入観たっぷりで行くからだろうか、やっぱりオフィスの雰囲気が好きになれない。
リラックスのために音楽を流しています、とのことだけれど、私はラジオのDJのおしゃべりを聞きながら仕事なんてできない。
決定的に無理だと思ったのは、タバコの臭い。
これはもう好きとか嫌いとかいうレベルの話ではなくて、頭が痛くなってしまうんだから仕方がない。
この時点ですでに入社の意志はなくなっていたのだけれど、タバコを胸ポケットに入れた社長に向かって「タバコ臭いからやめます」とは流石に言えなかった。
履歴書の顔写真だって100円以上のコストが掛かってるんだよな、履歴書返して貰えないかな、と最高にやる気のない状態で適正試験を受ける。
もうどうだっていいわい。

ようやく解放されて清々しい気持ちで家に帰りました。

まあ、そのうちなんとかなるだろうさ。