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俺、渋井丸拓男。略してシブタク

2006年07月27日 | 戯言
ちょっとワイルドな19歳。場合によっちゃあ、30歳くらいに見られるときもある
街中をバイクで走り回るワルさ。高校を中退し、それから昔のダチや先輩たちと
一緒に街中を暴走するようになってもう3年くらい立つかな。このまま将来の夢なんてもんも無く
毎日を面白おかしく過ごすだけだった俺だがある日、大変な事件が起きちまったのさ。

俺はある女性に恋をしちまった。




彼女との出会いは半年前のことさ。
いつものようにバイクで暴走してた俺だが、急にタイヤがパンクしたんだ。
仕方ねえから歩道に止めて近くのガソリンスタンドまで押していったのさ。
その途中に綺麗な姉ちゃんとすれ違ったんだ。
黒くて長いつやのある髪、パッチリとした二重の眼……
その時、俺の心は彼女に奪われてしまったんだ。

俺は今まで本気の恋なんてしたこと無かったからこの気持ちがなんなのかしばらく分からなかったのさ。
だが、気づくと俺は彼女とすれ違ったのと同じ時間その彼女とすれ違った歩道に毎日のように来るようになってたのさ。

彼女は毎日同じ時間にそこを歩いていた。
おそらく彼女が学生なら学校、OLなら仕事が終わる時間帯なんだろうな。
いや、バイトかもしれねえな。

俺は彼女に対するこの気持ちをどうすればいいのか分からなかった。
ただ、彼女を見つめるだけで半年が過ぎ去っていたんだ 。




「タクー、おまえ昨日あんな所に立って何してたんだ?」
急にそう話しかけてきたのは斉藤さんだ。
中学の先輩で俺より2つ上のなかなか頼れる人だ。

「なんかずっとつっ立ってるだけでよ。じっとしとくのが苦手なお前にしちゃ珍しいじゃねえか」
見られてたのか…俺は「ちょっと疲れたから休憩してただけっすよ」と返事した。
「ふーん、ならいいけどよ。お前、最近なんか変だぞ」
「え、そうすか?」
「ああ、木下もなんか心配してたぞ」
木下ってのは俺の後輩で、俺を慕ってくれるいい奴だ。
まあ、子分みてえなもんだな。
「なんか悩みでもあんのか?勘違いなら別に良いけど、なんでも言ってくれて構わないんだからな。俺ら友達だろ」

俺は正直話したくなかった。
だってこの俺が恋だぜ?笑っちまうよなw
だが、この気持ちをどうすれば良いのか分からなかったのも事実。
気がつけば俺は全てを話していたのさ。

きっと笑われるだろうな。そう俺は思っていたが斉藤さんは怒っていた。
「タクー、ふざけんなよテメー…ケッ、くだらねー」
くだらねー、か。そりゃそうだよな。やっぱり恋なんてした俺がおかしいんだ。
だって俺はシブタクだぜ?恋なんてだせーよな。

「なんでもっと早く言わなかったんだテメーはよ。半年もウジウジと…男ならささっと告白してホテルに連れ込め!」
「はぁ…そうっすよね。…え?」
「え?じゃねーよ。こうなったらテメーになにがなんでも告白させるからな仲間呼んで計画立てるぞ」

「タクさん水臭いっすよ。そういうのはもっと早く言ってくんなきゃ」
そう言ったのは木下だった。
そして他の仲間達もやる気満々だった。
はじめは冷やかす奴もいたが、斉藤さんがどれだけ俺が本気か説明してからはそんな奴はいなくなった。
仲間の中に彼女がいるような奴なんてほんの一握りだし。
正直、最初はこいつらの立てる計画で上手くいくか不安だった。
でも、一生懸命になってるそいつらを見てたら上手くいくような気がしてきた。
信頼しあえる仲間ってそういうもんだろ?


そしてついに計画実行の日がやってきた。

だが、この計画があんな形で終わるなんてその時の俺は知る由も無かったのさ。




俺はまず、この日のために用意したおニューのバイクに乗り仲間数人つれて彼女を取り囲みワイルドさと仲間からの信頼度をアピールしたのさ。
「おねーさーん。今から俺らと遊ばなーい?」
俺はワイルドな風貌から軽い感じで話しかけた方が高感度が高いだろうという。
斉藤さんのアドバイス通りに行った。
「さすがタクさん、すんげー美人ゲット」
ここで木下がさりげなく彼女の容姿を誉める。いいぞ木下、その調子だ。
「俺、渋井丸拓男。略してシブタク。へへ…付き合ってよおねーさん」
やった!ついに告白したぞ。俺は見た目には出さなかったがすげー緊張していた。
もうこの達成感だけで死んじまいそうだったぜ。

だがこの時、そばを塾帰りの高校生が通っていったことを誰も気に留めなかった。
ただの高校生だ。気にする方がおかしい。


その高校生―夜神月―が何者なのか、俺も仲間達も知るはずが無かった。今までも、そしてこれからも……




「こ…困ります…」
それが彼女の返事だった
だが斉藤さんの言葉をおれは思い出した
「いきなり、知らない男性に話しかけられたらたいていの女性は断ろうとするだろうが
そういう場合は軽く流せ。2番目の返事が本当の返事だと思え」ってな。

「困ります、だって」
木下はそう言った。気の利く奴だ。俺はすかさず「キャワイーーッ!」と軽く流した。

一方そのころ、さっきの高校生はコンビにで立ち読みをしてるように見せかけて
ノートに何かを書き込んでいたのを俺は気づかなかった。
いや、気づいてても気に留めるはずも無かっただろう。

「逃げた!」
斉藤さんが叫んだ
どうやらこれが彼女の返事らしい。
やっぱりな…俺がこんな綺麗な人に告白するってのがそもそもの間違いだったんだ

だが、俺は諦めたくなかった。
「おっと、こっちはバイクだぜ!」
気づけば俺は彼女を追いかけようとしていた。

「タク!危ね…」

斉藤さんの叫び声が聴こえた。だが、間に合わなかった。俺は大型トラックに撥ねられ、




死んでしまった。




俺が、後に世界を騒がせる大量殺人気―通称キラの2番目の被害者であることを知る者は、誰もいなかった。










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暇つぶしです。暇じゃない人は読まないでください。
後悔します。

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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (衣雨)
2006-07-31 01:06:55
いや、もうマジ感動した。いや、マジで。泣きそう。

これ是非集英社に投稿すべき、うん。
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