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ジル・ド・レ

2014年06月17日 | word
 Gilles de Rais 1404~1440 フランス王国の大貴族、陸軍元帥。ジャンヌ・ダルクが挑んだオルレアン解放戦の勝敗の帰趨を決するトゥレールの陣地攻略戦の際、解放軍の諸武将を指揮して輝かしい武勲を立てた。しかし、この武将は戦闘のための戦闘を求めていた荒武者であり、途方もない浪費家であった。彼は大規模な遊戯としての戦争を華麗に演じるために莫大な財産を浪費しつづけ、窮余の策として売却した城の強奪さえ目論み、買い手の弟にあたる聖職者が神聖な儀式を行っている村の教会に突入するまでにいたる。当然彼は異端者として捕縛されるが、その異端審問中に暴虐事の数々が露見する。すなわち彼が性欲倒錯による美少年殺害常習犯であったこと、異端の錬金術や降魔術を好んだ背教者であっとことなどである。こうして彼は絞首火刑に処せられる。現代フランスの思想家バタイユは、<聖なる怪物>ジルに、中世末期の時代転換期における<悪の論理>の至高の遂行者の姿を見ている。