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アパシー

2014年06月17日 | word
 政治的無関心。広く政治上の問題や政治活動一般に対する無関心な態度を指し、アパシー apathy ともいう。このような態度は、行動の面では政治参加への消極性、選挙における棄権、政治的情報獲得への消極性などとして現れてくる。現代民主社会制が国民による選挙を前提としている以上、棄権の問題は重要であり、政治的無関心が棄権の原因として論じられることが多い。政治的無関心にはいくつかの類型がある。まず近代以前の伝統的社会においては、政治は少数の支配者層だけのものであり、一般民衆は政治に参加する機会が無かった。ここに生ずる<伝統型無関心>は、政治とは無縁の生活感覚であり、政治は他人の仕事であるという意識である。近代以降の社会では選挙権が拡大し、国民の政治参加が保障されることになるから、伝統型無関心は姿を消す。しかしながら、個人にとって政治は中心的な関心事とはなりにくく、<素朴型無関心>が生じる余地がある。すなわち、生活のための職業や専門が個人にとって最も需要な関心事であるため、政治は周辺的な事柄でしかないのである。この型の無関心は、したがって、伝統型無関心と類似した側面をもっている。現代社会における無関心は、さらに複雑な<屈折型無関心>をも生じている。政治参加に対する関心はあり、政治的問題に関する知識も備えており、また、政治参加に対する市民的義務感を持っていながら、なお政治に背を向け、政治に参加しようとしない無関心である。この背景には、政治参加することに意味を見いだせず、大衆社会の中で政治に影響を及ぼせないという無力感があり、巨大化した官僚組織や政治制度そのものに対する不信感と焦燥感がある。屈折型無関心はこのような政治不信によって生じたものであり、政治体制の安定にとっては危険な要素を孕んでいる。