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マンガや小説の感想が中心。BL系含。※アニメ感想始めました。

雪花草子 / 長野まゆみ

2004年10月04日 | 小説感想

一言でいうとどエロだっ。

実は長野作品をきちんと読むのはこれが始めてだったりします。
「少年アリス」を読んで途中で挫折したのです。
まぁ小学生のときだったからしょうがないかなとは思いますが…。
その後も単行本が店に入ってきては(古本屋でバイト中)、
いつか読むべ、と思いながら買ってはいたんですが、やっとかよ。

この作品はタイトルから推し量れるように、平安時代が舞台となってます。
やはり和風ファンタジーはどエロです。
西洋も西洋でいいところはあると思うんですが、
「淫靡」さを描こうとしたらやはり和モノが一番でしょう。
短編が3編収録されていますが、どれもエロです。
世間では「ファンタジー」だとか「懐古」だとか評価される長野先生に対して、
こうもすっぱりエロですと言ってしまうのはちょっと気が引けたりもしますが。
だってエロなんだもの、しょうがないじゃない。
エロ、という響きが悪ければ「耽美」だとか、上記のように「淫靡」でも可。
とくに2作目の「鬼茨」は退廃的耽美作品の匂いがプンプンします。
ボーイズラブには素直にいけない屈折した感情が、
このエロさをよけいに引き立ててる気がしますよ。

とりあえずいろんな意味で「御大だ」と感じた次第であります。
雰囲気のある文体は人を選ぶかもしれませんね。