Umpiring is not built in a day. ~審判技術は一日にしてならず~

               【アメリカ・マイナーリーグ審判員のDaily blog】

Shake it off!

2013-08-29 | 日記
【Shake it off】とはイディオム表現に近いのですが、失敗して落ち込んでいる人に対して『ドンマイ!』『忘れろよ!』という意味合いがあります。Shakeとは物を振るという意味で、何かミスをしたりした際に首を振って物事を忘れようとする人間の習性からきているようです。

僕がこの言葉を始めて知ったのは審判学校時代のことでした。キャンプゲームで納得のいくパフォーマンスが出来ずに落ち込んでいた際、クラスメートが『Masa, shake it! Shake it off!』と声をかけてくれたのが最初でした。

その声をかけてくれた友人が、昨日突然亡くなったという知らせを試合前のロッカールームで受けました。心臓発作が原因のようです。昨日の試合は何とも言いようのない気持ちの中での球審となりました。

僕の悪い癖として、例えば際どい投球をストライクと言い切れなかったりした際にどうしても引きずってしまい、結果後々のプレイにも支障をきたすことがあります。そんな際は彼の教えてくれた【Shake it off】という言葉を思い出し、気持ちを切り替えるようにしています。
(当然ながら首を振ったりといった選手や監督にわかるような仕草はしません)

『自分の身にいつ何が起こるか』なんてわかりません。ひょっとしたら今日の試合が最期になることだってありえます。一試合一試合、全力で取り組む大切さを改めて教えてもらった気がします。というわけで、しばらくカウントダウンはお休みです。



審判学校の卒業パーティーにて友人との一枚

新作紹介~New Balance base shoes~

2013-08-25 | 日記
ここ最近の記事が審判から離れた内容になりつつあったので、少しずつ審判に関する記事も書いていこうと思います。

ということで、第一弾は新作審判用具紹介です。いつも書くことですが、決してメーカー等の回し者ではありませんのでご安心ください。

今回紹介するのは、New BalanceMB1000という塁審用シューズです。



一昨シーズン(2011年)からメジャーリーグ審判員のシューズはオフィシャルサプライヤーがReebokからNew Balanceに変更になったことをご存知の方は多いかと思います。そのメジャーリーグ審判員の多くが今シーズンから着用しているのが、このMB1000というモデルです。
特徴はなんと言ってもその軽さと着用時のフィット感にあります。
3月のSpring Trainingで試作品を見せてもらった際は全体的にメッシュ仕様だったのですが、現在市販されているものは手入れがしやすい合成皮仕様です。従来同様、当然ながらシューレース(靴紐)式です。
日本ではベルクロ(マジックテープ)仕様のトレーニングシューズ等を審判用に代用しておられる方が多いように思います。決してそれが悪いとは言いませんが・・・時には審判も機敏な動きが求められます。当然ながらフィット感はシューレース式のほうが上ですので、そういった点でもやはりシューレース式のシューズを僕はお勧めします。
このモデルは足幅サイズの展開にD-width(通常幅)とEE-width(幅広)の2種類があるのも良いポイントですね。日本人の足は一般的に(正確なデータは不明ですが)幅広と言われているので、D-widthでは少しきつくて大き目のサイズを購入しなければいけないことが多かったのですが、EEなら日本製のシューズと同じサイズで大丈夫だと思います。余談ですが、最初に足幅サイズ(width)の種類を展開したのはこのNew Balanceなのだそうです。多くのNew Balanceシューズ(特に審判用)で足幅サイズが選べるようになっているのはそんな理由もあるのです。
餅は餅屋という言葉があるように、靴は靴専門の(もしくはシューズ分野に秀でている)メーカーの物が良いというのは容易に想像出来るかと思います。

シューズの裏面は日本のトレーニングシューズのようなポイント(イボイボ?)ではなく、芝生向けのターフシューズです。グラウンドの状態にもよるでしょうが、場合によっては向き・不向きがあるかもしれません。

最後に・・・良い審判道具を使ったからといって、当然ながら審判が上手くなるわけではありません。ただ、お気に入りの審判道具を着用して審判をすると試合を楽しめるというのは間違いありませんよね。決して新しいものをお勧めしているわけではありませんが、楽しんで審判をやるために道具に拘るのは決して悪いことではないと思います。
もちろん、『道具は一流、技術は三流』と言われないための努力が必要なのは言うまでもありません。

快適入浴生活

2013-08-24 | 日記
リーグ会長のお膝元、ウィスコンシン州Beloitからイリノイ州Geneva(Kane County)に移動してきました。州をまたぐとはいえ、移動距離はわずか75mile(120km)程で今シーズン一番短い移動になりました。

ここKane Countyはシカゴから車で1時間程の距離で、今年からカブス傘下です。以前も書きましたが、リハビリ等の関係で出来ればメジャーリーグの近くに傘下のチームを持ちたいという意向があるからだそうです。

現在の滞在先はComfort INNという中級クラスのホテルなのですが、僕はこのホテルが非常に気に入っています。決して立地が良いとは言えない(周りにはコンビニ兼ガソリンスタンドすらない)のですが、朝食は無料で提供され、ビジターチームは別のホテルに滞在しているため余計な気を使わなくて済むからです。

ですが、それだけが気に入っている理由ではありません。このホテルの本当に素晴らしいところは部屋の中にジャグジーが備え付けられているという点です!



大抵のホテルはプールと共にホットタブと呼ばれるジャグジーのようなものが備え付けられているのですが、多くの場合それらは屋外であったり、時間制限(夜間使用不可)等があったりと、あまり活用する機会がありませんでした。これなら時間と人目を気にせず、のんびり浸かることが出来ます。

ちなみにジャグジーとは別になりますが、僕が日々の疲れをとるために愛用しているのがこちら↓



旅の宿という温泉のもとときき湯という薬用入浴剤です。
7月に嫁が日本から持ってきてくれました。疲れが溜まったときはきき湯、リラックスしたいときは温泉のもと・・・という風に使い分け、快適な入浴生活をおくっています。

Happy birthday to me! part3

2013-08-16 | 日記
このタイトルで記事を書くのも3回目です。

3年目のシーズンはアイオワ州Clintonで誕生日を迎えました。若い若いと思っていましたが、ついに大台の30歳です。
色々考えることはありますが、少なくても今年もここアメリカでプロの審判員として誕生日を迎えることが出来たことを嬉しく思います。



カウントダウン

【残り試合数:18試合】

20連戦終了!そして新たな20連戦スタート!

2013-08-15 | 日記
Grand Rapidsでの3連戦を終え、20連戦(他のクルーから回ってきたダブルヘッダーがあったので正確には21連戦)が終了しました。

休日明け最初のシリーズではアイオワ州に3クルーが滞在するので、Nestorの声掛けで皆一斉に集合しました。本来は休日と言えど移動予定や宿泊先等も決まっていて勝手に変えることは出来ないのですが、リーグ会長であるGeorgeの粋な計らいで3クルーともIowa cityのホテルに宿泊することが出来ました。持つべきものは審判に理解のあるリーグ会長ですね。本当にありがたい限りです。

一旦シーズンに入ってしまうと、なかなか他のクルーに会う機会というのはありません。ですのでこういったチャンスというのはとても大切なのです。
特に、我々を含めたこの3クルーは皆昨年のExtended Spring Trainingで一緒だったメンバーです。旧知の仲・・・というと大げさかもしれませんが、気心が知れた仲間なのです。
審判の話はもちろんのこと、懐かしい昔話から下らない話まで、本当に楽しい時間を過ごすことが出来ました。皆口をそろえて『Almost there!(残すところあと少し!)』と言います。彼らは4月からシーズンを戦ってきたので、当然ながら僕よりも長く感じているはずですからね。

この休日を終え、ここからまた新たな20連戦が始まります。もうシーズン終了まで休日はありません。最後までしっかり自分の役目を果たしたいと思います。


気心の知れた仲間たちとの1枚



さて、それではカウントダウンをスタートしたいと思います。


【残り試合数:20試合】