Umpiring is not built in a day. ~審判技術は一日にしてならず~

               【アメリカ・マイナーリーグ審判員のDaily blog】

お気に入りの審判道具② ~強いミカタ~

2011-07-31 | 日記
前回の第一弾からかなり間が空いてしまいましたね・・・反省です。

今回紹介するのは、僕が普段から愛用している『疲労回復グッズ』です。ですので審判の方だけに限らず、全ての方にお勧め出来る商品です。
あらかじめ言っておきますが、決してメーカーの回し者ではありませんのでご安心ください。

まず初めに適度な休養が一番の疲労回復方法であることに異論はないと思います。

一言に休養と言っても、何もせずに家で寝ているだけが休養ではありません。
休養には大きく分けて【積極的休養】【消極的休養】の二種類があります。

【積極的休養】:体を動かす・外出する等のアクティブな行動を伴う休養・・・スポーツをする等
【消極的休養】:体を休める、文字通りの休養・・・家でゆっくりする等

簡単に説明しましたが、要はこのバランスが大事なわけです。
僕はまだルーキーリーグに所属しているので移動もほとんどありませんし、週に1日は休日が回ってきます。しかしながら、上のレベルに行けば行くほど、シーズンに入ると休みと言える日は数えるほどしかないのが現状です。
そこで重要になってくるのが『いかにして疲労を蓄積しないか』ということです。

僕が疲労回復の為に使用しているのが【SKINS(スキンズ)】という商品です。


http://www.skins.co.jp/

スポーツ用タイツとでも言うんでしょうか?別名は『着るサプリメント』です。
審判(特に球審)をされる際にタイツを着用されるという方は多いかと思いますが、これは試合中に着用するのではなく、試合後の休息時に着用するタイツです。(もちろん試合中に着用しても効果はあると思いますが、僕は試合中の着用経験がありません)
僕がこれの凄さを実感したのは、初めて審判学校に行った際でした。
審判学校では午後はグラウンドで繰り返し2人制のドリルを行うと共に、野手やランナーといった選手役もこなさなければいけません。また、休憩前には"恐怖の"コーンドリル(マジでキツイです!!)があり、1日のトレーニングの終わりにはGo-Stop-Callもあります。ハッキリ言ってかなりハードで、毎年ケガ人が沢山出ます。
トレーニングがハードだということは行く前から聞いていたので、トレーニングが終わってホテルに帰ってきた後すぐにシャワーを浴び、よくストレッチをしてからこのSKINSを着用していました。
ところが4日目。その日は途中で雨が降り、フィールドでのトレーニングも途中で切り上げられました。比較的軽めのトレーニングだったため、『そんなに疲れてないし、今日は着なくてもいいかな』と思って着用しなかったのですが・・・後になってこの判断が間違いだったことに気付きます。翌日朝目覚めてみると、下半身が物凄い筋肉痛に襲われていたのです。もう、階段を上るのも一苦労といった具合でした。なんとかその日のトレーニングを乗り切った後、SKINSを履いて寝ると・・・不思議と翌朝には筋肉痛が軽減されているのです!
この時、僕は初めてこのSKINSの効果を実感しました。それ以来僕は試合があった日の就寝時はもちろんのこと、飛行機の移動中などの足がむくみやすい状況でも着用しています。
慣れるまでは多少違和感がありますが、2~3日もすれば全く違和感なく眠ることが出来ます。

この8月には日本人専用サイズの【ジャパンフィットモデル】も販売されるようで、現行モデルのいくつかはリニューアル・セールとして安くなっているようです。


沢山種類がありますが、現在僕が愛用しているのは【RY400】という運動後のリカバリー専用にデザインされたモデルです。



上で紹介した初期モデルよりも着圧が少なく感じられるのですが、効果は絶大です!
『24時間着用可能』と謳っているだけのことはあります。


くどいようですが、僕は誰かに頼まれてこれらの商品を紹介しているわけではありません。セールがかかっていると言っても決して安くない商品ですし、皆さんが『一木のブログを見た!』と言って購入されても残念ながら僕には一銭も入ってきません。もしメーカーの方がこのブログを見ておられたら連絡をいただきたいくらいです。
だからこそ、僕が損得抜きにして心からお勧めしているのが分かってもらえるかと思います。もちろん効果の感じ方は人それぞれですが、騙されたと思って試してみるだけの価値はあります。

全国のスポーツショップやインターネット等で購入出来ますが、僕のお勧めはヒマラヤです。←ちなみにこれは宣伝です(笑)

思い出の地 part2 ~Jupiter~

2011-07-29 | 日記
先日の試合はもう一つの思い出の地・Jupiterで行われました。






残念ながら、この写真に写っているのは僕ではありません。この写真は僕自身が撮影したものです。
ここJupiterは、僕が留学時代に唯一マイナーリーグの公式戦を見た場所です。フロリダは決して交通の便が良いとは言えないのですが、1本しかない電車とタクシーを乗り継いでなんとか辿りついた記憶があります。
あれから2年経ちますが、未だに僕はこの写真をラップトップ(ノートパソコン)のデスクトップ待ち受け画像にしています。前回紹介したKissimmeeはもちろんですが、ここJupiterも僕にとっては特別な場所です。

Jupiterではフロリダ・マーリンズとセントルイス・カージナルスが共同でスプリング・トレーニングを行っており、GCLもこの2チームが供用で試合を行っています。
通常はマイナーリーグ用のフィールドで試合を行うのですが、今日はGCLマーリンズとGCLカージナルスという両ホームチームの対戦であり、尚且つ1A・FSLの試合がないため本球場(スタジアム)を利用して試合が行われました。

朝6時起きに加え、昨夜あまり眠れなかったので若干疲労はあったのですが、今日の試合は本当に楽しみながら進めることが出来ました。あまりに楽しすぎて、イニングの途中にニヤニヤしてしまったくらいです。といっても、決してふざけてやっているわけではありません。やっぱり楽しむと良いハッスルが出来ます。クロスプレーの判定で抗議に出てこられても、それすら楽しみに感じるくらいです。
寝不足の体で序盤飛ばし過ぎたのか後半は少しバテましたが、サヨナラ勝ちを収める瞬間まで集中して仕事が出来ました。

その日の夕食はルームメートのSamと一緒にお寿司を食べに行ってきました。といっても本格的な日本食レストランではなく、タイ料理に日本食がくっついているようなお店です。案の定、日本人スタッフはいません。
せっかくなのでアサヒ・スーパードライを注文し(何故かキリンとサッポロは品切れでした)、枝豆をおつまみに乾杯しました。(Samも飲みたがっていましたが、運転手なので我慢です)
枝豆は茹でたてホカホカのまま出されて若干苦笑いでしたが、味は日本の枝豆と全く同じなので美味しかったです。Samも気に入ったようで『これは美味しい!』といって食べていました。ちなみにSamは学生時代に中華料理屋さんでバイトをしていたそうで、器用に箸を使いこなします。器を持って食べるという日本の習慣(マナー)を知っていたのにはビックリです。
その後はJimmyと合流し、勉強の為にFSLの試合を観戦です。

普段と比べると長い一日でしたが、思い出の球場で試合が出来た上に日本食も食べれて、良い気分転換になりました。
次の休日が終わると連戦が始まるので、こういったところでリラックス出来て本当に良かったと思います。

オプショナル・サスペンデッドゲーム

2011-07-27 | 日記
前の日記にも書いたように、昨日は球審の査定がまわってきました。
前日は休みでしっかりリラックス出来たのですが・・・リラックスしすぎて途中でウトウトと昼寝をしてしまったため夜あまり眠れず、寝不足で試合に臨まなければならなくなりました。
その影響と気持ち悪いくらいの湿気で汗が止まらず、非常に苦しい試合となりました。普段はそれほど汗をかかない下半身まで汗でビショビショです。
さらに、投球がすっぽ抜けてキャッチャーが捕球出来ず、僕の右腕を直撃しました。当たった瞬間からどんどん腫れてきているのが分かったのでかなり心配だったのですが、イニングの合間等に氷で冷やしたおかげで今は多少の傷みで済んでいます。
丈夫な体に生んでくれた母に感謝です。

さて、肝心の査定の結果ですが・・・今までの査定の中では一番良かったと思います。前回と同じ査定官だったのですが、『指摘した箇所がしっかりと改善出来ている』とお褒めの言葉をいただきました。
ただ、当然ながら新しい課題もあります。ブレーキングボール(いわゆるカーブや縦のスライダー)に対してのコールタイミングが早くなっていて、その分判定に安定が欠けていたと指摘されました。
確かに自分でも思い当たる節があるので、注意して取り組みたいと思います。


そして、翌日の今日は再び雨に悩まされた試合となりました。

2回裏を終えた時点で雷が鳴り出し、3回表の時点で近くまで来ていたのがわかったので我々は一旦選手をダグアウトへ引き揚げさせました(あくまでこの時は『念のため』という感じでした)。この時点で試合開始から1時間が経過しています。
一旦は遠ざかったため10分程の中断で試合を再開したのですが、今度は強い雨が降り出したためすぐに再度選手を引き揚げさせなければならなくなりました。
その後も雨は強さを増し、稲光も所々で見え始めました。『これは難しい判断になるな』と思った矢先、稲妻とともに物凄い大きな雷が近くに落ち、我々は言葉を失いました。
僕を含め、誰もが『もう再開出来ない』と思ったことでしょう。日本ならノーゲームとなり再試合となるところですが、我々マイナーリーグには【オプショナル・サスペンデッドゲーム】という内規があります。
簡単に説明すると、レギュレーションゲーム(正式試合)として成立していない試合が雨で続行不可能になった際、サスペンデッドゲームとして翌日以降に中断された時点から再開出来るというものです。
全てのリーグが認めているわけではありませんが、僕が所属しているGCLはこのオプショナル・サスペンデッドゲームを導入しています。

ただ今日の場合は少々事情が違い、別のクルーも同じ場所で試合をおこなっていました。こうなってくると、我々だけが勝手にサスペンデッドゲームをコールするわけにはいけません。というのも、『同じ場所で同じ時刻に試合をやっているのに、片方は試合を完了させて片方は中止というのはどういうことだ!?』と言われてしまうからです。
我々の試合はNickが素晴らしいタイミングで試合を中断させていたため別のクルーより早く30分を経過していましたが、その時点ではサスペンデッドゲームの宣告が出来ませんでした。選手達は完全にやる気を失っています。監督も雨でぬかるんだグラウンドでプレーはさせたくないので、再開に乗り気ではありません。
別のクルーのSamとJimmyとも幾度となく話し合いを重ね、徐々に雨も上がっていきプレイできるくらいの天候になったので我々は再開する方向で話を進めました。両監督と話をしてグラウンドキーパーに再開の準備をお願いしたのですが、別のグラウンドも同時に試合を再開しようとしたため人出が足らず、なかなか整備が始まりません。
ようやくグラウンド整備が完了してプレイを再開した時点で、僕のストップウォッチは1時間5分の中断を示していました。長い長~い中断です。3回の表を終了した時点で、試合開始から既に2時間半が経っていました。いつもなら試合が終わっていてもおかしくない時間です。
先程も書いたように選手は完全にやる気を失っていたので『ダラダラとした長い試合になるなぁ・・・』と思ったのですが、逆に流れがスムーズになり残りの7回を1時間20分で終えることが出来ました。

ハッキリ言って、天候による試合続行or中断の決断はアウト・セーフやストライク・ボールの判定の何倍も難しいです。『これが正解!』というものがハッキリとしていませんし、全ての人を納得させられる決断というものもなかなかないので・・・

さて、中断中にマーリンズのダグアウトでこんな人に会いました。ピッチング・コーチのJeff Schwarzさんです。
横浜ベイスターズファンの方は覚えておられる方もいらっしゃるかもしれませんね。1995年に1シーズンだけ在籍し、登録名は【シュワーズ】でした。
『ササキ、タニシゲ、スズキ、ボビー(R・ローズ)・・・沢山良い選手がいたよ!』とおっしゃっていました。僕が『谷繁さんはまだ現役ですよ』と言うと、『ウソだろ!?信じられない!!』と言って驚いていました。

そんな今日の試合は、最後の最後でボークの判定に抗議を受けるオマケまで付きました。1点差の9回表、2アウトランナー2塁、3ボール2ストライクという場面です。変化球に手が出て空振り三振でゲームセット・・・のはずが、僕はボークをコールしていたためランナーを3塁に進めました。
当然ながら監督は怒って抗議に出てきます。この時点で正直僕は退場もありうるなと思ったのですが、この監督はあくまで判定に対して『That's f×ck'in ×××!!!!!』と言っただけで、直接僕に対して罵るような言葉はなかったため退場を宣告せずに済みました。
その後は再び3ボール2ストライクから空振り三振でゲームセットです。本当はこの最後の投球動作もかなり際どかったのですが、しっかりボークを取れませんでした。
このあたりが僕の弱さです。ボークを取るのは知識と集中力、そして勇気が必要だと改めて思い知らされました。

長い試合が終わってやっとの思いでロッカーに戻ると、サウス・ディビジョンの試合が雨で中止になり、来週の我々の試合がダブルヘッダーになったとの連絡がありました。

もう開いた口がふさがりません・・・

これも上手くなるための試練だと思って頑張ります。

前半戦終了

2011-07-25 | 日記
昨日の試合を終えたことで5週目が終了し、ちょうどシーズンの折り返し地点に辿りつきました。『もう半分終わった』と思うか『まだ半分残っている』と思うかは人によってマチマチですが、僕の場合はポジティブな意味で『まだ半分残っている』と思うようにしています。
シーズン開始当初は28試合の予定でしたが、ダブルヘッダーを6試合やったおかげでここまで34試合をこなしました。
まだ1試合も雨で流していません。当然ながら試合数はトップを独走中です。他の審判員より沢山勉強が出来て嬉しい限りです(苦笑)

明日はまた新しいパートナーのRyanと組むのですが、既に査定官が試合を見に来ることが決まっています。というのも、先週の土曜日に査定官がRyanの試合を見に来ていたからです。
その日はたまたま同じ場所で我々も試合があり、お互いの試合がほぼ同時に終わったため控室で一緒になりました。
試合が終わってホッと一息ついていると、ドアをノックする音と共に査定官が入ってきたのです。RyanとSamは彼が見に来ていたことに全く気付いていなかったそうで、かなりビックリしていました。
査定官はRyanとSamを指差すとそこに座るよう指示するや否や、『遠くから遥々やって来て、こんな試合を見せられるとは思わなかった!!』と言って物凄い勢いで怒り出しました。
我々は呆気にとられたのですが、要は彼らの動きにやる気が感じられなかったため査定官の怒りをかったようです。もちろん彼らが手を抜いて仕事をしていたなんてことはないと思いますが、少なくても査定官にはそのように見えたのでしょう。

話が終わり怒りが収まったかと思った瞬間、『マサ、この前の退場はいったい何があったんだ!?説明しろ!』と矛先は僕に振られました。とんだトバッチリです。電話で確認が入るだろうと予想していたため何を答えるかはある程度考えてあり、ありのままを伝えたところ納得はしてもらえました。
ただ『お前の退場宣告は正しいと思うし支持するけど、もっと状況を詳しく書くように!あのレポートではバッターがどれくらいオフェンシブ(攻撃的な態度)だったかわかりにくい。』と言われてしまいました。
あの場にいた人にはあれで十分状況がわかるかもしれませんが、確かにレポートを読んだだけの人にはあれでは不十分だったのだと思います。次からは気を付けたい(出来れば書かなくて済むようにしたい)と思います。

そんなわけで、シーズン後半の初戦は球審としての査定試合です。
あらかじめ査定があるとわかっていると不必要に力が入って良い結果にならないので、なるべくリラックスして試合に臨みたいと思います。

というわけで今日は一日ホテルでゆっくりし、気分転換に昼食も日本食を食べました。
今日の昼食はこちら!



そう、インスタントカレーです!
こちらに長くいれば当然日本食が恋しくなるのですが、僕の場合は特にラーメン・焼肉・カレーの3つが恋しくなります。
『カレーくらいそっちでも食べれるんじゃないの?』と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、日本のカレーライスは国内で独自に進化したカタチなので海外で食べるカレーとは別物です。
というより、僕はまだこの国でカレーというものを提供しているお店に入ったことがありません。カレー風味のパサパサしたライスは食べたことがありますけどね。
日本にいるころは最低月一回、多い時は週1~2回のペースでカレーを食べていましたから、恋しくなるのも当然です。
このカレーは1年目に審判学校でご一緒させていただいた先輩が『アメリカに行ったらカレーが食べたくなるだろうから』と持たせてくださったものです。

そんなカレーのおかげで今日一日、とてもリラックス出来ました。後半戦も1試合1試合を大切に、常に全力で臨みます。

思い出の地 part1 ~Kissimmee~

2011-07-22 | 日記
今日の試合は僕にとって思い出の地・Kissimmeeで行われました。



写真を見ただけでおわかりになられる方もいらっしゃると思いますが、僕の出身校である【ジム・エバンス審判学校】が開校中に使用しているのがこのアストロズの施設です。
僕だけでなく殆どのサムライ・アンパイアにとって、ここは一種の聖地であると言えるでしょう。
留学中にオーランドへのプチ旅行で寄った際にも感慨深いものはありましたが、今回もまた心にグッとくるものがありました。
毎日毎日、朝早くからここへ通った日々がつい昨日のことのように思い出されます。あれから1年半が経ちました。
今シーズンの割り当て(スケジュール)をもらった際に、『とにもかくにも、まずはこの日までしっかり頑張ろう!』と心に決めて毎日試合に臨んでいました。それくらい、ここは僕にとって特別な場所です。
プロの審判員としてまたここに戻ってこれたことを、本当に嬉しく思います。

そして、もうひとつ嬉しいことがありました。

通常我々ルーキーリーグの試合は、スプリングトレーニングでマイナーリーグの選手が使用するフィールドで行います。
当然ながら審判学校の生徒も同じフィールドを使用するので、4面あるフィールドのどこを使用出来るのか楽しみでもあったのですが・・・今日は本球場(スタジアム)で試合をさせてもらえました!
このスタジアムも、僕にとって特別な思い入れがあります。そもそも、審判学校時代は芝生を踏ませてもらうことすら出来ませんでした。授業にはグラウンドルールの解説があって実際にこの球場を使用するのですが、芝生部分は保護の為踏み入れることが禁止されていましたから。

PBUCキャンプが終了した翌日、立ち寄ったKissimmeeでメジャーリーグのオープン戦を見たのもこのスタジアムです。
当時、僕はPBUCキャンプ終了時点で仕事がもらえず、かなり傷心気味でした。

『もう、この国に戻ってくることもないかもしれない・・・最後にもう一度、審判学校の姿を目に焼き付けておこう』

そんなことまで考えていたくらいです。

そんな気持ちでフラっと立ち寄った際、本来の日程では開催がなかったはずなのに偶然オープン戦が行われるということを知り、チケットを買って3塁側スタンドに席を取りました。



そこには憧れのメジャーリーグ審判員・Jeff NelsonLaz Diazの姿がありました(Lazは僕に気付いて手まで振ってくれました)。






憧れのメジャーリーガーを目の前にし、『このまま終わっていいのか?』という気持ちが湧いてきたのも事実です。


さて肝心な試合のほうですが、今日の試合はGCLアストロズとGCLカージナルスの一戦でした。
このチームは試合前にしか食事を出してくれないのですが、その昼食をもらいに行った際に監督が『マサ、お前の大親友があそこにいるよ!』と言ってきました。
僕はてっきり日本人プレーヤーでもいるのかと思ってその指差す方向を見ると、昨日退場を宣告した選手が笑顔で手を振っていました。たちの悪い冗談です(苦笑)
試合中は僕は塁審、彼は三塁手なのでほとんど接する機会がないのですが、試合終了間際の投手交代時に近くで目が合ったため軽く挨拶したところ彼は近寄ってきて、 『今さら何だけど、なんでオレは退場になったの?』と尋ねてきました。


『だって、僕に対して【F×ckin' ×××!】って言ったでしょ!』

『いや、それは自分自身に対して言ったんだよ!昨日一試合で3三振目だったから。』

『いやいや、明らかに僕を見て言ったでしょ?だから退場にしたんだよ。』

『そうだっけ?でもまぁ、悪かったとは思ってるよ。』

『別に気にしてないから良いよ。僕は自分の仕事をしただけだから。』

『ところで、オレは罰金を払わなきゃいけないと思う?』

『さぁ、それはリーグ会長が決めることだから僕はわからないけど・・・』 



とまぁ、こんな会話でした。罰金を払うのが嫌なら最初からそんなこと言わなければ良いのに・・・

球審のNickは心配そうにこちらを見ていました。昨日退場を宣告した相手と試合中に会話をしていれば、何かあったのかと心配になりますよね。Nick、心配かけてゴメンなさい。
今回の場合は向こう側も笑顔で話しかけてきたのと、抗議ではなく理由を訪ねてきただけでしたので普通に接しましたが、余計なトラブルを避けるためにはあまり自分から近寄らないべきでした。
そもそも我々は中立の立場であることが求められますし、ルールブックにも『競技場内においては、プレーヤーと私語を交わすことなく』と書いてありますからね・・・今回の件は私語ではありませんが、今後は注意したいと思います。

そんなこんなで、思い出の地での試合は何事もなく無事終えることが出来ました。今シーズンはこの1試合しかKissimmeeでの割り当てはありませんが、初心を思い出させてくれた試合でした。
もうすぐ前半戦が終了します。この気持ちをいつまでも忘れることなく、1試合1試合を大事にしていきたいと思います。