空腹侍

カラン・・・コロン・・・
世知辛い世の中に彼は生まれ、そしてそんな世の中に産み落とされた現代人を哀れむ一人の侍がいた・・・

その名を「空腹侍」・・・

オイオイ～！拙者は空腹侍なんだけどよ～！
近頃の娘達は、なんであんなにダイエット、ダイエットって躍起になってんだぁ～？？

いくらダイエットに成功しても元々不細工な奴はそのままなんだよ～！！
そんなの痩せたければ、拙者のような「武士」になるがよいぞ！
そして、楊枝を右手に持ちこう言うんだ！

「武士は食わねど高楊枝」

これで、ダイエット成功間違いなし！
わかったら、とっとと帰りやがれ！！
わかったら、とっととおととい来やがれ！
わかったら、とっとと「おっとっと」食いやがれ！
わかったら、とっととお父さん繰り上げやがれ！
わかったら、トートバッグよこしやがれ！

・・・食前には梅酒、私はこれに決めてます。

提供は「チョウヤ」でした。
ハラヘリハヘリハラ！飯食ったか？

新幹線で餓死しそうになる。

兵庫県に住んでいる私は約１週間実家の佐賀県に帰る事になった。
実家の家を建てていて入棟式を行うので「長男の私も帰ってきなさい」との事である。

私は１週間ほどで兵庫に帰るつもりだったので部屋の片付けもせず
実家の佐賀県へ電車と新幹線を乗り継ぎ帰省したのであった。

久しぶりの実家はやはり居心地がよく、慣れ親しんだ母の手料理にも
満足し父との釣りや、久しぶりに会う友人との暫しの再会に
「帰って来て良かったなぁ～」と満足していると瞬く間に時間は過ぎ
気が付くと約２０日も佐賀県でのんびりした生活を送っていた。

しかし、そろそろ帰らなければと思った私は、兵庫県へと電車と新幹線に乗り継ぎ
帰る事にする。帰りの新幹線に乗る時「ひかりレールスター」に乗れば良いものを
順番待ちが嫌だったので「各駅停車のこだま」に乗ってしまい「ひかりレールスター」よりも
早く出発したのに、すぐ追い越されしまい、挙句の果てには弁当を買っていなかったので
新幹線（各駅停車こだま）の中で空腹に苛まれていた。

車内販売の弁当やサンドイッチは異常に高いという事を知っているので
ケチな私は我慢する事を心に決めていた。昔、友人が車内販売でサンドイッチを
購入した所、普通なら３００円くらいで買えるサンドイッチが７００円という
異常価格を支払っているのを見て『こんなボッタクリな物は絶対購入しない！！』と
私的法律で制定されているので、一時の空腹でこの自分の中での法律を犯す事は出来ないのである。

なんとか空腹に打ち勝ち、新幹線の車内販売の誘惑にも打ち勝った私は
新大阪に着いた。車で迎えに来てくれていた友人フクダと帰り道に牛丼を食べ
久しぶりの我が家へ帰るのであった。