【シルバーイーグルスの陰謀】
おかしい、シルバーイーグルスの皆がやけに親切だ。
とタイゾウは思った。
■例1■ 定時で帰してくれる。
アチハ「タイゾウ、そろそろ帰れよ。チャイちゃん待ってるぞ。」
午後6:30。
タイゾウ「皆、忙しいのに悪いな。」
アチハ「お前が言ったんだべ。チャイちゃんを一人にしたくないって。ま、お前の本来の任務だからなー。」
タイゾウ「ああ・・」
なぜか照れ笑い。
ユリコ「なによ?」
タイゾウ「もはや任務って感じじゃないんだけどね。家族というか、娘や妹みたいな感じでさ。」
■例2■ 定期試験に向けての勉強や実技練習に付き合ってくれる。
基地内の道場。
アチハ「定期試験の成績が上がれば給料も上がるぜ~。」
タイゾウ「昼休みに、自主トレに付き合ってもらって悪いな。」
アチハ「お前はペーパーテストはそこそこいいのだから、後は実技、特に格闘技って感じなんだよねぇ。」
タイゾウ「お、おう。」
アチハ「まぁ、お前、性格的に争いごと嫌いだしな。人を傷つける技術を全く覚えないよな。」
タイゾウ「そんな良い理由ではなく、単に俺に才能が無いだけだと思うぜ。」
アチハ「良い理由なんかじゃねーよ。誉めてねーから。お前はいやな役目から逃げている、無責任でずるい男だ。」
この一言はこたえた。
タイゾウ「ああ、そうかもな。わかった。お前みたいにトップ5%ってのは無理だけど、今回はちょっとがんばってみるよ。」
・・・・
タイゾウ「ってな感じなんだよねぇ~。」
と、宇宙の家庭料理さくらにてもり香にそんな疑問をぶつけてみる。
もり香「あっそ、」
と、注文をとりにいく。
事実上のガン無視。
タイゾウ「な、なんか冷たくね?」
もり香「今度からメニューに”笑顔”と”世間話”くわえとくわ。」
タイゾウ「さくらは笑顔も有料なの?」
もり香「あー、忙しい。遊んでても給料手に入るあんたとは違うからねぇ。」
タイゾウ「遊んでて金もらえるわけ無いだろ。あそうだ、礼を言ってなかった。ありがとう。」
もり香「な、なに。」
タイゾウ「なんで身構えてるんだよ。なにって、こないだ相談に乗ってくれたお礼だよ。ありがとうございました。」
もり香「相談(そうなん)ですか。」
タイゾウ「なんかの間違いにしても、俺はやつらに頼られた。ってことは俺にできることがある。そんな過度な期待されていないはずだ。って解っていてもさ、自分のミスで仲間を死なすかもしれない、誰かを殺すかもしれない部署だから、怖くてさ。」
もり香「はぁ、」(興味なさそうな顔)
タイゾウ「一等賞とる人間にだって正解なんてわからない。誰かがやらなきゃいけないことが目の前にあって、それに立ち向かうチームがある。つまりお前は・・」
もり香「えーとぉ、話の途中で悪いけど、そんなこと言ってません。」
タイゾウ「え?え?そうなの?」
もり香「わたしの薄っぺらい台詞を、よくもそこまでご大層な内容に変換できたわね。逆に感心するわ。」
タイゾウ「えー。」
もり香「あのときはイラっときて、適当に言葉をぶちまけただけだから。」
・・・・
同じ頃、残業中のユリコとアチハ。
ユリコ「タイゾウはどう?」
アチハ「ぼちぼちって感じかな?」
ユリコ「奇跡でもイカサマでもいいから、次の試験では上位5%に入ってもらわないと。」
アチハ「ヤツに仕事手伝ってもらって感心したのだが、あーんなに使いやすい男、他にいないわっ。」
ユリコ「なんでもソツなくこなすし・・かといって出過ぎないというかでしゃばらないというか、見事なくらい飛びぬけたところが無いのよね。ゆーなれば、生まれついての下僕。」
アチハ「タイゾウはぜひ欲しいな。」
ユリコ「そう、そのために優しくしてやっているわけなのよね。シルバーイーグルスを気に入ってもらえるように。」
アチハ「コキ使うのは、正式配属されてからだな。」
ユリコ「シルバーイーグルスの首輪つけちゃえばこっちのものよね。あとは・・」
【91点】
夜の9時。
シルバーイーグルス作戦室へ向かうもり香。
メールでユリコに呼ばれた。
作戦室に入るとすぐにユリコに連れ出され、実技試験場へ。
もり香「ねぇ、ほんとにタダで使っていいのー?」
ユリコ「もちろんよ。」
もり香「最近パパド太りしちゃってww。フィットネスクラブに通おーかと思っていたんだけど、なんか高くてww。」
ユリコ「パパド太り?」
もり香「あやつ来てから、ちゃんとご飯作るようになったのね。前は面倒ならカップ麺とか、もっと面倒なら食べなかったりとか。最近、ワタシちゃんが増えてさ、これがまたかわっゆいのよぅ。絶対、さらに太っちゃうわよっww。」
ユリコ「wwwなるほどww。」
こ一時間汗を流す。
ちょっと一休み。
もり香「ふいー。」
ユリコ「ねーねー、これ、やってみない?」
指差したのは戦闘機のシュミレーター。
ユリコ「プレステのもっとすごいのって感じだよ~。」
もり香「あー、あたし、そういうの苦手でさー。ゲームはパズル専門だから。」
ユリコ「まぁ、いいじゃん。こんなの今じゃなきゃ乗れないわよー。話のタネにさ。」
もり香「えへへ、そうだねー。」
シュミレーター起動。
一通りの操作方法を教えてもらう。
機体はベータ号をユリコが勝手に選択。
まずはシナリオ”基本動作”で教えてもらった操作を確認。
いよいよ本番。
シナリオはユリコが何も言わずに、最も難しい”1対100”を選択。
では、ゲーム開始。
ユリコ「うそ・・」
外部モニタを見ていたユリコはわが目を疑った。
戦闘機が、ありえない動きで飛び、阿修羅のように敵機を殲滅してゆく。
ゲーム終了。
作戦時間、撃墜率、機体損傷、消費弾数、消費燃料など総合的に判定し、得点が表示される。
91点。
もり香「おー!90点こえたじゃーん!ww素人にしては上出来って感じwww?」
能天気なもり香と対照的に、戦慄で顔が怖くなっているユリコ。
ユリコ「ばか言わないで。この”1対100”の最高記録は68点なのよ。人間の限界は70点として設計された特別に難易度の高いシナリオなのよ。91点?そんな人間、この世に存在しないはずなのよ。」
もり香「あんたなんつーのをわたしに・・ま、いっけど。でも、あんたが言うほど難しくなかったし、設定が間違っていたんじゃない?」
ユリコ「そう思って、チェックしたけど、間違いないわ。あなた、こういうゲームは苦手じゃなかったの?」
もり香「なんか、乗り心地がリアルくてww。思い通りって感じだったわww。」
ユリコ「そっか、これはGとか現実に近く再現されるから。」
もり香「ほ、ほほう、さすが高級ゲーム機。ね、もう帰ろうよ。なんか今、私の苦手な空気が漂ってる。早く帰ってワタシちゃんとお風呂に入りたい。」
※ううう、決勝戦へ向けてのいろいろを仕込みきれなかったです。予選あんなにはしょったのに・・おかしい。
水槽のチャイとガパオが今どこでどうしているか書いて無いし、未来を変えることで、非局所的に過去を変える道具立てや手順も説明して無いのです。
えっしーがしつこくあおってるように、ラスボス(物語のゴール)も明示して無いです。
ほかにもいろいろ・・ううう。
はうう、あと2話ほど、ギャグ回使って必要な説明を済ませないとっ、て感じです。
※例によってえっしーが忙しくて今回も3枚、短時間でやっつけていただいた感じです。
次回のうぷは3週間後になりそうな予感もしています・・