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東電福一事故の真相

2013-10-17 17:36:52 | 脱原発依存
プラント制御の開発(設計)の基本コンセプトは制御回路の電源が喪失した場合に於ける安全確保が第一であり、各種の対策が施されているのである。
買電(商用)喪失の場合には非常用自家発電装置が起動され交流電源を確保し、その間の瞬時停電をインバータ装置(バッテリー内蔵)でバックアップするのである。
火力、原発設備の制御用電源は直流100Vで構成されており、自家発設備が起動から安定する間(瞬時停電)もインバータ装置の直流100Vは停電する事は無く、無停電化されているのである。
インバータ装置の一次側電源喪失時には内蔵のバッテリー(DC24V)をインバータ回路により直流100Vに昇圧の上、制御用電源として、給電するのである。
当該事故は全電源(買電、自家発、直流)喪失時の対策として原子炉隔離時冷却装置の給水ポンプを蒸気タ―ビンにより駆動する自立回路(原子炉炉内蒸気による)を構しているのである。
自立回路は原子炉冷却中に於ける蒸気を活用するものであり、電気制御には依存しない筈が現実には蒸気タ―ビンの運転、停止に代表される機能に電気回路を使用した各種のインターロックが施されていたのである。
いわば完全なる自立回路ではなく電気制御が介在しておりインバータ装置に内蔵のバッテリーが枯渇すると制御電源が喪失し、電気制御回路はその機能を閉じるのである。
その為に自立回路として稼動していた蒸気タービンも停止した為に原子炉の冷却が途絶し、炉の暴走が始まり最終的にはメルトスルー(筒抜)に発展したのである。
原子炉臨界中の買電カットによる保安回路の実機試験は危険性が高く事実上は不可能なのである。
東電福一事故は人類史上初の全電源(買電、自家発、直流)喪失が再現されたのであるが、余りにも大きな代償を払う羽目となったのである。
当該事故の原因は開発メーカである米国ジェネラルエレクトリック(GE)社の保安回路の構築ミスで有る事は疑う余地もないものである。
日本国内の原発(商業炉)は全て米国パテントで改造型原発と言われており、基本的な構造は事故炉と同様なのであるが、問題は自立回路使用の有無、及びインターロック回路使用の有無である。
国会審議に於ける原因解明の棚上げは当該要件を隠避する為と解釈せざるを得ないものであり、安全神話の崩壊並びに再稼動の道は閉ざされたも同然である。
事故原因は誠に単純な事象であり、それが原子炉制御の保安回路に潜んでいたとは信じられない事である。
1号機は東電のヒューマンエラーで、2~3号機はGE社の保安回路の開発設計ミスなのである。
双方共にヒューマンエラーと言えるものであるが原子力応用の人知を超えた危険性を改めて弁えるべきなのである。