きょうは、古川商工会議所ニュース向けの原稿として、まとめ直していました。
毎月連載で、いつも好き勝手な事を書かせて頂いている私の税務コラムです。
少し丁寧語で書きましたのでご覧下さい。
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みなさんこんにちは。税理士の筒井です。
いよいよ自民党の税制改正大綱が発表になりました。
まだ法律ではありませんが、ほとんどの場合この大綱の通りに法律が成立しますので、事実上の改正税法と考えてよいものです。
今回は、辛口批評で特に資産課税関係の改正点について見ていきましょう。
尚、詳細についてはこれから決まりますし、現段階での解釈に正しくない点があるかもしれませんので、あらかじめご了承下さい。
また、かなり私の主観が入った解説になっていますのでご容赦下さい。
①
所得税の最高税率がアップします。(所得4,000万円超の部分について45%。平成27年分から)
ただし、対象になるのはごく僅かの高額所得者で、消費増税による一般庶民の不満をかわすための意味合いが大きいです。
②
住宅ローン控除が拡充されます。(最高4,000万円までの借入金の1%が毎年税額控除になります。期間は10年間です。最大で400万円が控除されます。平成26年4月から)
消費税が増税になるタイミングに合わせての減税措置ですが、4,000万円の借金を10年間抱え続けられる人って、そんなに多くないと思うのですがね。
③
相続税の基礎控除が縮小されます。(3,000万円+600万円×相続人の数。平成27年1月1日以後の死亡から)
これにより、相続税を納める対象者の数が、死亡者全体の4%から6%に増加してしまいます。いままで安心していた人も生前に必ず見直しが必要です。
④
相続税・贈与税の最高税率がアップします。(平成27年1月1日以後の死亡または贈与から)
これも①と同様に、かなりの資産家の死亡の場合や、高額の贈与でなければ大きな影響はないと思います。
⑤
教育資金の贈与税の非課税の規定が新設されます。(子供または孫に教育資金を一括贈与しても1,500万円まで非課税となります。平成25年4月1日から平成27年12月31日までの期間限定)
今回の改正の大きな目玉のようですが、信託銀行等の金融機関を通して資金を管理しなければいけない。教育資金の定義がはっきりしていない。子供または孫が30歳になった時に使い残しの資金があった場合には贈与税を課税する(!?)。などの問題点があり、これから決まる詳細に注意する必要があります。ちなみに一括贈与でなければ現在でも教育費の贈与は非課税なのです。
⑥
贈与税の相続税時精算課税制度が拡充されます。(2,500万円まで、子供だけでなく孫(20歳以上)に対する贈与が(いったん)無税となります。贈る側の年齢も65歳以上から60歳以上に引き下げられます。平成27年1月1日以後の贈与から)
この制度は、父母または祖父母が死亡した場合には相続税の課税対象になります。適用に当たっては慎重に検討する必要がありますが、利用範囲が拡大する事は良い事だと思います。
⑦
同族会社の株式の贈与・相続の場合の納税猶予(事業承継税制)の適用要件が緩和されます。(後継者に株を贈与・相続した場合の税負担の緩和策です。平成27年1月1日以後の贈与・相続から)
全くと言ってもいいほど使われなかった評判の悪い規定の見直しです。今度は利用者が多くなると良いのですが。
⑧
金銭または有価証券の受取書の印紙は5万円未満まで非課税となります。(現在は3万円未満。平成26年4月1日から)
⑨
中小企業(法人)の交際費が100%経費になります。800万円まで。(現在は90%しか経費になりません。施行時期不明)
⑩その他、企業向けの設備投資減税や支払う給与を増額した場合の税額控除が決まりました。
⑪
消費税の増税。(これは既に決定していますね)
平成26年4月から 8%
平成27年10月から 10% にアップします。
もはや来年からですよ。こちらの方が当面の大問題ですね。
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筒井俊明
nakajima
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