Chanterai por mon corage 

(私の心のために歌いましょう)

久しぶりに中世音楽のこと

2009年03月17日 22時36分20秒 | 中世音楽
先週R先生のレッスンを受けて気づいたのは、中世・ルネサンスには独特の音の世界があるということだ。もちろんそれはわかっているつもりだったが、やっぱりいろんなところでわかっておらず、今回改めて考えさせられた。
音程は宇宙の空間を表す。特に宗教音楽を扱う際には、当時あった<Musica Universalis,別名 Musica Mundana>の定義をよく理解していないといけないと思う。それも理論としてではなくて、身体と感覚で体験的にそれを実現できないといけないと感じた。
例えば単音とオクターブの関係を音程の開きを超えてひとつの音として表現ができるか。そのためにはやはり教会の残響の中で発せられる肉声の倍音を音楽的にどう操るか。そのために発声が柔軟なものでなければいけない。人の歌声は当時は決して自分の気持ちを表現するために使われていたのではないのである。これは忘れてはいけない。倍音を操るということ神の家である建物と神の創造物である人間のコミュニケーションであるのだ。
ひとつの聖歌の短いフレーズだけでもゆっくり残響のあるところで歌ってほしい。返ってくる残響を注意深く聴きながらメロディー中の音程関係。例えば開始音から5度上がる。次は順次進行で上向、次に3度高くなる等、それらの音程の幅が建物の残響とどう反応するか探すのだ。すぐには聞き取れないかすかな倍音をそこから探ってほしい。そのためにどういう発声が適しているのかも理解しなくてはいけない。
ただメロディーだけでなく、元になっている教会旋法との関係も考えてほしい。

簡素な聖歌ひとつだけでもどれほどの深い・広い世界が秘められているかがわかるだろう。

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1 Comments

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難しそうですけど (a♪take)
2009-03-17 23:14:24
ステキな作業ですね。

天井が高くて良く響くチャペルで,リコーダーでもやってみたいと思いました。
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