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支流からの眺め

菅氏もWARSで総裁を辞める

 武漢ウイルス感染症(WARS)の流行が全国に広がり、状況は深刻になりつつある。その中での菅氏の総裁選不出馬宣言は、衝撃的であった。顧みるに、昨年の今頃であったか、アベノマスクなどWARSの対応でミソをつけた安倍氏が健康上の理由で突然辞任した。それに伴い、中央に押し出されたのが菅氏であるが、再び突然の宣言となった。共にWARSに振り回されたということか。

 安倍氏の後任選びでは、自民党の派閥が様子を見合っていた。その中で、菅氏は長く官房長官を務めその能力は証明済みながら、特定の派閥に属していなかった。権力の空白地に出番が回ってきた。但し、ピンチヒッターもしくは短期リリーフとしてである。派閥の強力な後ろ盾がない中で国民から不人気がここまでとなれば(NHKでも支持率29%に対して不支持率52%!)、菅降ろしは必然であろう。

 以前のBlogでも述べた通り(文末)、菅氏はワクチンの確保や接種の推進に相当努めた。リーダーに必要な展望を示す見識と邁進する力強さはあった。実際の仕事で実績を示せば、人は付いてくるはずであった。政府の通常の業務で済むものであれば、それで機能したことだろう。つまり、政府の力の及ぶ範囲だけで対策を組んでWARSが収まれば、多少の不手際も問題にならなかっただろう。

 ところが、今回のWARSは国民すべてが関与するまで広がった。であれば、たとえ不十分であっても、国民すべて、それも、より困っているであろう国民への政策や言葉がけが必要であった。秋田県出身の苦労人であるという背景から、例えば西村大臣のようなエリートコースの人間の言葉とは一味違うと思わせることもできた。菅氏の肉声を、それも心の声を国民は聴きたかったに違いない。

 それにしては、以前のBlogの通り(文末)、対話や演出などの見せ方が余りにもお粗末であった。論理の正しさや実績の大きさも重要だが、それも言わなければ伝わらない。その上、共感(菅氏が何を考えているかが分かるだけでなく、国民が自分の気持ちを分かってもらっているという感覚)が得られなかった。相手はウイルスであり、言葉選びは国際紛争ほど難しくなかったはずである。

 記者会見では「これからはコロナ対策に専念する」とのこと、これは頂けない(コロナが最優先と言いながら、実は専念していなかったと白状している!)。やはり見せ方に問題がある。救いといえば、潔い引退で徒な混乱を回避したことと、反面教師としてリスクコミュニケーション(有事連携)の重要さを知らしめたことだろうか。次期の総裁には、菅氏の失敗を経験値として取り込んでもらいたい。





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