1995年にインディーズ・レーベルから出たT.REXカヴァー集。「新世代10アーチストによる今は亡きマーク・ボランへのトリビュートアルバム」と帯にあるだけで、参加バンドのプロフィールやアルバムの企画意図のわかるものは付いていない。先入観なしで楽曲に向き合ってほしいということだったのかも。(申し訳ないけど知ってるアーティストは中西俊夫さんとグラニー・テイク・ザ・トリップだけだった。)10年前の“新世代”の演奏は、全体的にポップでおしゃれな印象。そんな中で、やはり耳をグイッと引っ張られる感じなのが、グラニー・テイク・ザ・トリップの「トラック・オン」。途中から「スクィント・アイ・マングル」のフレーズが入ってくる、かなりマニア度の高いアレンジだ。「スクィント~」はマーク・ボランの曲だけれど、1973年にT.REXの女性コーラス3人(含むグロリア・ジョーンズ)が“ビッグ・キャロット”名義で出したシングルのB面インスト曲。これが「トラック・オン」とテイストが似ていて、妙にマッチしている。ちなみにグラニー・テイク・ザ・トリップのベーシストは、かつて渋谷のグラム番長と呼ばれ、現ZIGGYのベーシストとなった津谷正人氏であった。また、アルバム・ジャケットのモデルは、その後女優になった市川実和子。
【参加アーティスト】THE HAPPIES, JURASSICS, TOSHIO NAKANISI & NATURAL CALAMITY, KOJI HASUO, NO FOLK BROADS, BUBBLE BUS, RECK, CRESCENT MOON, GLANEY TAKE・the・TRIPP, GREEDY GREEN
★ファイル・レコード 24FR030D(TGCS-207) 定価2400円