麻箒(あさほうき)ここの雑記帖

読書と落書きなど徒然なるままに

【2011_16】新聞とアメリカザリガニ

2011-02-25 23:38:27 | 旧カテゴリ)ちょっと真面目な話

 

余りに一つの記事が長くなったので、分割することにしました。
毎度毎度、スクロールしてもしても終わらない記事で申し訳ございません。

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「殿下」1年10ヶ月年下のアサホウキの妹。
「少年」3年11ヶ月年下のアサホウキの弟。

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新聞を読んでいるとアルファベットを使った略称によく出会います。
国連の機関名やとか、新しく開発された化学物質とか。

アルファベットを使った略称は、元の名称(英語の名前)を知っていた方が
記憶に残る気がします。

例えば“USJ(Universal Studio in JAPAN)”。
例えば“PCR(Polymerase Chain Reaction)”。

授業でウイルスのH鎖とL鎖が“Heavy”と“Light”を意味すると教えられて、
すんなりと覚えられた経験からそう感じました。
(※注:大昔の高校生物知識なので、今もその名称が使われているかは不明。)

けれど、それを自分で調べるから記憶に残るのかもしれません。
どっちが先でどっちが後かはわかりませんが。

***

新聞を読んでいると、理科の自由研究を思い出します。
何故思い出したかという話をちょこっとしたいので、まずは自由研究の思い出など。

***

私は何かを作ったり検証したりすることよりも、見たままをスケッチしたり
文章にしたりと言った、「観察して報告」系の自由研究が多かったです。
葉月晦日にやろうと思ったら、研究計画を練る暇が無いので、見て書(描)くのが
精一杯だったからでしょう。

切羽詰まらないとやらないのは昔から。


自由研究のフィールドに選んだのは、同じ市内に住む祖母の家(アパート)周辺でした。
土地勘(場所勘?)があるから目の前の川の何処に行けばザリガニがいるか予想がつくし、
母が鉢にアサガオを植えていることも、祖母が畑の水やり用に貯水した発泡スチロール箱が
苔むしてボウフラが湧いていることも知っていました。

余り冒険家気質は持ち合わせていないのでしょう。
普段登らない山や別の市の大きな川を選ぼうという気にはなりませんでした。
遠出をする時間もなかったですし。

川ではザリガニラバーでした。
図鑑でアップの写真を見ると、グロテスクで怖くて、メダカをむしゃむしゃと食べる
暴れん坊なのに、実際のアメリカザリガニは小さい生き物でした。
色こそ黒みがかった赤色で怖いけれど、メダカを殺すハサミは網で簡単にもげてしまう。
網を持つ私は意識しないほどの力なのに。心がもげそうでした。
それに、野生の生き物なのに、小さい彼らは、鈍い私に捕まえられてしまうほど一度に
たくさんは移動できなかった。どんなに後ろに飛びのいても私の網が届くのです。
魚の類はひゅーんと逃げてしまうので私には追いつけませんでした。
アメリカザリガニはかよわい生き物でした。

魚や水草や水の酸性度ではなくザリガニを興味の対象として選びました。
もしかすると、ザリガニたちに選ばれたのかもしれません。
しょうがないから観察させてやるよ、と憐れまれたのかもしれません。
「気付いたら選んでいた」というのも選んだことになるのでしょうか。

ザリガニを観察したら図鑑で体の各部の名称などを調べました。
全くさっぱり覚えていなくて残念です。ザリガニに叱られますね。すまん、ザリよ。
(うちの家族はザリガニを「ザリ」と呼んでいた…よね? ←家族に確認中。)

***

此処で新聞の話を少しばかり。


麻箒家は私が物心ついたときからずーっと毎日新聞だったので、今の家でも毎日です。
慣れているから読みやすいのです。馴染み深いのです。祖母の家の周りのように。

新聞は色々なトピック(経済・国際・政治・地方...etc)から構成されています。
環境問題に惹かれる人もいれば、週一回掲載される書評を心待ちにする人もいる。

あさほうきの場合は知らない略称に遭遇すると、日本語に訳された名称(大抵その記事の
はじめに略さずに載せてある)から英語名を推測して、電子辞書で調べます。

自由研究に似ていると思われませんか?

***

さらに、経済について知りたい人は多紙の経済面を読み比べるようになるでしょう。
その内、今度は経済という大ジャンルの中で、国際経済という中ジャンルに興味の
対象を絞りこむかもしれない。
国際経済を勉強するにあたって、石油の世界全体での動向に着目する人もいれば、
日本対アメリカの二国間関係を切り口にする人もいるでしょう。

アメリカザリガニをスケッチした人が、ニホンザリガニもスケッチしたいと
考えるかもしれない。アメリカザリガニにぞっこんの人は身体の各部の名称を
暗記して、ザリガニ解剖学の道に進むかもしれませんね。そういう分野があるか
知りませんが。
アメリカザリガニから範囲を広げて、水に住む生き物全体を調べたくなる人も
いるかもしれません。川だけではなく、海も水道水もフィンランドの湖についても
調べるかもしれません。
水そのものに興味を持って、水温や含まれる物質の構成比という一見生物に関係ない
データで切り込む人もいるでしょう。


「興味」が「研究」に変貌を遂げる瞬間がある、と思うのです。


対象を絞り込む、情報を集める、自分なりの切り口を見付ける。
次から次にわからないことが増えて、嫌になって、でも知りたくて、やめたくなくて。
それが苦にならない、苦になってもやりたいと思える情熱に出会ってしまう瞬間。

***

あさほうきの周りにはその瞬間を迎えた(のであろう)人々がたくさんいます。
静かに淡々と話す人も、お酒に強い人も弱い人も、深夜に延々怒鳴るような
ディスカッションをする人も、みんな、そんな瞬間を通り過ぎたのではないかと
ひしひしと感じるのです。思う、ではなく、感じるのです、肌で。

そして、あさほうきは、その瞬間を迎えるための努力を怠ってしまったなぁ、とも。
人がまとう空気、オーラ、感情の温度などという言葉で形容されるであろうものが
明らかに私と違うと、感じるのです。

彼/彼女と話していると、砂漠に立っているみたいですよ。
ディスカッションしているときは、昼の灼けつく太陽に照り返されているよう。
スムーズな実験操作は風のよう。
壁に突き当たって落ち込んでいるときは、瞬間深夜の寒さ。
けれど、地核ではマグマが煮えたぎっていることをひしひしと感じさせるのです。

それに比べて、あさほうきの淡白で低温なこと。
深く考えないし、原因と結果の因果関係がはっきりしなくてもまぁいっかと思う。
余り研究者には向かないかなぁ、と思って落ち込みまくった日々もございました。
そういうことだけは、少しばかり考えておりました。
無理に研究者に向いている人になろうとした記憶もございます。
それもウツの原因の一つだったのかもしれませんね。

けれど、それは悪い経験ではなかったと思います。
努力を怠ってきたことがわかったから、努力は必要だと実感できました。
研究者に向いてないのがわかったけど、無理に研究者にならなくても、
科学の発展を詳しくない者の目線から見守る役や、科学に興味を持ち続けて研究者の
モチベーション維持に寄与する人にはなれるかもしれないと考えられるようになりました。
何より、必要以上に無理をしたらアカンということがわかったのは大きな収穫です。

でも、ウツは嫌だなぁ。

***

私が進学のため上洛し、祖母が老人ホームに入り、祖母が住んでいたアパートも
なくなり、毎日のように通ったあの川は遠い遠い場所になりました。

けれど、今新聞を読んでいる私は、川でアメリカザリガニを採った私につながって
います。だから、きっと手に触れた網と、網に触れたアメリカザリガニと、
アメリカザリガニを育んだ川にもつながっています。それは確かなことです。

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分割した残りの記事はまた今度練り直してお目にかけたいと思います。
今日もお付き合いありがとうございました。
良い夢をご覧ください。Have a happy dream...


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ID)
2011-02-26 00:53:48
そんな熱い人もそういう環境にいたらいると思います。
自分でもそういう人を見たらへこむと思います。
でもそれは、麻箒さんがそれまでの感動を得る何かに出会ってなかったってことで、これからそういう可能性があるんじゃないのかな、なんて思います。

麻箒さんは結局うつ病(気にされていたのならごめんなさい><)だったみたいですが、僕は地方国立大学に通う統合失調症を抱える大学院生です。
まぁ、こんなこと関係ないですが。
今、麻箒さんの予後がよくてなによりです。
そんなことよりも、普通に生活してくれる、ただそれだけを望んでくれる誰かなんて、ちゃんといると思います。
一人で悶々と考えちゃうと、そんなことも考えちゃうもんです。
僕もへこむ時ありますが、そんな時自分の気持ちを持ち上げてくれる、何かに気づかせてくれるきっかけは何気ない誰かの接し方や挨拶だったりします。

調子よくなったようで、なによりです。
返信する
無題 (とも)
2011-02-26 20:11:41
たまに自分は研究が好きなんじゃなくて,研究者というステータスが好きなんじゃないかと思うときがあります.
返信する
Unknown (才谷)
2011-02-28 22:38:37
うちの地元でも「ザリ」でした。懐かしいです。数百匹は捕獲したと思います
返信する
Re: (あさほうき・ここ)
2011-03-01 02:57:39
>IDさん

コメントありがとうございます。
今から出会うために色々なことに恐れずに触れていきたいです。
取り敢えず、本、読みます(そればっか:笑)

ところで、文末を「>」で終えられていますが、もしかして
上手く表示されていないのでしょうか?
返信する
Re:無題 (あさほうき・ここ)
2011-03-01 03:01:54
>ともしゃま

コメントありがとうございます。

うーん。その気持ちはちょっとわかる。

政治家という肩書きを得るために政治をやってたら腹黒い印象を受けますが、
研究者という肩書きを得るためにサイエンスをやっていると言う人がいたら、
子供っぽいなぁくらいにしか思わないかも。
私はサイエンティストは無邪気なものだと夢見ているので。
でも、実際には政治家にならないと研究できないのよね…。

私は「求道者」「究道者」という肩書きに憧れます。
返信する
Re: (あさほうき・ここ)
2011-03-01 03:05:23
>才谷さん

コメントありがとうございます。

すうひゃっぴき! THE☆乱獲!
ザリハンター才谷ですね。
近隣のザリからは恐れられたことでしょう。

最近はどちらかに旅をされましたか?

私は最近、とってもお出かけ気分です。
電車に乗って遠くへ足をのばさないまでも、
バスに乗って市内観光くらいはしようと思います。
返信する

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