その昔のLP時代にはなかったことだけれど、
CDに代わってから、容量に余裕があるものだから、
輸入盤との差別化のためか、国内盤のみなどと謳って、
未発表曲だとか、別テイクだとか、リミックスだとか
ボーナス・トラックなるものが入るようになって久しい。
これが嬉しいようで、何とももどかしい存在なのだ。
☆
……コレクター・アイテムのような盤ならば、
それでも構わないと思うけど、普通に聴く分には
煩わしいことも少なくなくて、要らないだろ!と。
(欲しければ、リミックス集なり、シングルなり、別に買う)
「嫌ならば、聴かなければよい」と言う人もいるのだけど、
入っている曲は全部聴かないことには落ち着かないし、
(読みかけた本でも、巻末まで読み切らないと
いけない気分になってしまう人なのだから)
本来ならば不要な曲が入っていると考えると、気色悪いし。
☆
アルバム全体の整合性か……それとも、お得感か?
どちらを優先するかという話になるのかもしれない。
なので、好きなアーティストの名盤クラスだと、
何も弄らないオリジナルの構成で聴きたくなるし、
流行り物で、ランダムに聴いても構わない盤
(シングル志向の高いアルバムとか)だと、
ボーナス・トラックがどうのとも気にならなくなる。
☆
例えば近頃だと、Lil Mama『VYP:
Voice of the Young People』は、
「Lip Gloss」や「Shawty Get Loose」といった
ヒット・ナンバーをご機嫌に楽しんでいれば
それでいいので、国内盤で入手して、正解だったかな。
いや、十代のリル・ママの勢いは正直“買い”でした。
☆
逆に、Keith Sweat の新譜は、輸入盤で入手。
ねっとりとした、いつものスウェット節で固められた
『Just Me』は、正に「キース・スウェットだけ」に
浸っていればよい好盤なのですが、国内盤のボーナス・
トラックには Akon と共演した「Some More」が収録。
この曲がまた気持ちいいんだなあ。何しろ現在、絶好調の
エイコンの哀切なボーカルとスウェットの粘っこい絡みで
悪いはずもない。そんな訳で、国内盤を買えばよかった、いや、
それでも、輸入盤のまとまりの良さは捨てがたい……などと
無益な煩悶を繰り返しつつ、ネットで落とした
「Some More」のMP3に耳を傾けることになるのです。
そう言えば、エイコンの新譜リリースも間近いような。 (ぽか)