JEC狭山福音教会(大阪狭山市)の聖書・キリスト教・例話コラム

大阪狭山市にあるJEC狭山福音教会(プロテスタントキリスト教会)の牧会スタッフによる聖書・キリスト教・例話コラム。

メッセージコラム#2015年8月①(川崎 豊信師)

2015-07-31 15:46:43 | キリスト教
塩気を保ちなさい


 塩は、ききめのあるものです。しかし、もし塩に塩けがなくなったら、何によって塩けを取り戻せましょう。あなたがたは、自分自身のうちに塩けを保ちなさい。そして、互いに和合して暮らしなさい。
マルコ9:50

 
 ヘレン・ケラー(1880-1968)は盲聾唖の三重苦をみごとに克服して、故国アメリカをはじめ、世界中にいる自分と同じような不幸な人びとの救済のために、その全生涯をささげた。
 そのような彼女も、七歳のころまで粗暴でわがままいっぱいだった。
 そこにサリバン先生が、家庭教師として迎えられた。
 サリバン先生は、信仰深いクリスチャンだった。
 彼女は真剣な祈りと、あたたかい愛情と、限りない忍耐とをもって、ヘレンの父親の無理解のなか、野獣のような粗暴な生活をしていたヘレンに、人間らしいしつけや教育を与えるために全勢力をうちこんだ。
 そしてついに、ヘレンを暗黒の世界から解放したのであった。
 後年、ヘレンは、
「私の生涯でもっとも重大な日は、サリバン先生と出会った日です」
と感謝してのべている。

 「奇跡の人」とはサリバン先生のことを指している。彼女はクリスチャンであった。そして塩気を持って、ただ一人の女の子の家庭教師の任を全うしたのである。

 マルコの9章50節でイエスは信者に、見出されるべき3つの特性を説明するために塩を用いられた。
 ①神の契約を思い出させる時に用いた塩のように(レビ2:13「私はあなたを見捨てず見放さない」)。私たちは神の忠実を覚えてゆくべきだ。
 ②塩が肉の味を変えるように(マタイ5:13)、この世界の「味」に違いを生じさせるべきである。
 ③塩が腐敗から食べ物を守るように、私たちは社会における道徳的腐敗を防ぐ存在となるべきである。

 神の愛のメッセージによってこの世に塩気を加えるという使命を失うならば、神にとって無益な者になってしまうのである。