JEC狭山福音教会(大阪狭山市)の聖書・キリスト教・例話コラム

大阪狭山市にあるJEC狭山福音教会(プロテスタントキリスト教会)の牧会スタッフによる聖書・キリスト教・例話コラム。

メッセージコラム#2015年12月Ⅰ(川崎 豊信師)

2015-12-08 14:00:41 | キリスト教
言葉によって


神から遣わされたヨハネという人が現れた。この人はあかしのために来た。光についてあかしするためであり、すべての人が彼によって信じるためである。彼は光ではなかった。ただ光についてあかしするために来たのである。
ヨハネ 1:6~8


 米国のヘレン・ケラー(1880ー1968)は、二歳の時の病気が原因で盲聾唖の三重苦を負わされた。
 突然の暗黒のなかに放りこまれた幼女は、恐怖から野獣のように荒れ狂った。
 ヘレンの養育、家庭教師としてアニー・サリバンが迎えられた。
 サリバンは弟とともに孤児院で育ち、視力に多少の障害をもっていた。
 ヘレンとサリバンに対する父親の無理解はひどかった。
 それにも負けずサリバンは忍耐と献身的な努力によって、ついにヘレンにことばを理解させることに成功した。
 ことばの理解によってヘレンが自己主張の方法を獲得すると、彼女は人間としての尊厳を取り戻していった。
 サリバンの助けによって成長したヘレンは大学に進み、やがて福祉の啓蒙家として世界中をまわり、身体障害者のためにその生涯を尽くした。
 ヘレンを偉大にしたアニー・サリバンについて、国際基督教大学の鵜飼信成(ー1987)学長はいう。
「サリバンはたんなる教科書が洋服を着たような人物ではない。
 自分自身にも問題をもち、他人の問題には深い理解をもったうえにそれを少し離れたところからゆとりをもって、しかし同時に一歩もゆずらない毅然(キゼン)たる態度で処理していくことのできるすぐれた才能をもった若い女性である」
キリスト教例話事典より

 
 サリバン先生はクリスチャンであった。彼女はイエスの光を輝かせたいと願った。与えられた仕事は、一人の三重苦のハンディキャップを持つ少女の家庭教師であった。彼女は神のことを伝えたいと願いつつヘレンを教育した。その結果としてヘレンとその家族は、地獄のような環境を脱出することができたのだ。

 私たちはバプテスマのヨハネと同様に神の光の源ではない。私たちはただその光を反映させているに過ぎない。イエスキリストが真の光である。イエスは神への道を教え、道の歩き方を示して下さる。
 キリストはご自身の光を、信者を通して輝かせることを選ばれた。それはおそらく普通の人間は光り輝く栄光を直接に受けることはできないからであろう。証しとはキリストの光を反映する役割を指す。私たちは光ではないが、光であるキリストに人々を向かわせるべきである。